落語『唐茄子屋政談』にみる、テレビ番組作りのコツ

この前、柳家さん僑師匠の「唐茄子屋政談」という噺を聞きました。

また先日、立川談春の独演会に行きましたら、「南瓜屋」を演りました。

 

この二つの噺をあまり期間をあけずに聞いたことにより、気づいた点がありました。

 

弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社なのですが、

自分が番組制作に関わっているため、「生活で起きる全てのことがテレビのネタにならないかな」といつも考えているような節があります。

 

そして今回、この落語の2つの噺を聞いたことによって、「同じネタでも作る人(話す人)によって全く違うものになるんだな」と感じたので

今回は落語に感じたことを番組制作に絡めてお話してみたいと思います。

 

同じ噺なのに違って聞こえる落語

 

さて、今回私が聞いた噺、

  • 「唐茄子屋政談」
  • 「南瓜屋」

ですがこの二つの噺、共通する要素があります。

・カボチャを売る (唐茄子はカボチャのこと)
・主役は若い男
・男の叔父が行商させる
・男は天秤を初めて担ぐ
・世話焼きの長屋のオヤジが男を助ける
・せっかく稼いだもとだね(売上)が0になる

 

あらすじは、

若い男が、叔父の提案でカボチャの行商に行かされる。

重たいカボチャを天秤にのせて、出ていくが、天秤を担ぐのも初めて、商いするのも初めてで、売り文句もわからない、声もでない、

重いわバランスとれないわ、で歩けない。

 

難儀していたところを、世話焼きの親父がご近所さんに声をかけて代わりに売ってくれた。

しかし、せっかくの売り上げが…

 

と二つとも同じあらすじなのですが

  • 若い男の「地」を変える。
  • もとだねがゼロになってしまう出来事が起きる
  • 全体のモードを変える
  • 噺家が違う

これらの条件で、まったく違ったお噺になります。

 

全体のモードをどうするか?というのは、聴衆がどう感じてほしいか、ということです。

 

もっと具体的に書くと、しんみりして涙するような、ああ、いい噺を聞けたなあ、と感じてほしいのか。

それとも、涙が出るほどおなかを抱えて笑うような、おもしろくて、楽しかったな、と感じてほしいのか。

これによって、主人公の地を変えます。

 

唐茄子屋政談

 

唐茄子屋政談の主人公である、若い男は、大店の若旦那。

甘やかされて育ったので、働くということピンときていません。

 

毎日ゴロゴロしていて、商いに興味のない若旦那は親から勘当されます。

吉原の馴染みからの、「面倒みるからずっといて」なんて甘い言葉を鵜呑みにして、女の部屋に転がりこむものの、

お金のない旦那なんてお荷物以外のなんでもない。

 

店の若い衆から追い立てられてしまい、友人を頼るものの、あっという間に追い出されてしまい、

ついには浮浪者と見まがう身なりとなって、食べるものもなく、橋から身を投げようとしたところを叔父に止められます。

 

叔父は八百屋を営んでおり、若旦那に天秤を担がせ唐茄子を売りに行かせます。

 

南瓜屋

 

それでは、南瓜屋の主人公はというと、二十歳になったばかりのほうけた男。

ピントが外れているのだが、なんだか憎めない。

 

声がやたらと大きく、受け答えがずれていて、本人は大真面目に答えるのだけど、笑いを誘う。

ある日叔父の住む長屋を訪ねてきたところを、男をいつも心配している八百屋を営む叔父は、南瓜の行商をさせてみることに。

 

これが南瓜屋。

 

同じ噺でもリアクションが変わる

 

この

  • 「唐茄子屋政談」
  • 「南瓜屋」

という二つの噺、

二人の身の上、性格をどう設定するかで、同じあらすじであっても、しんみりとなるか、笑いがおきるか、

全く違う受け取りができるわけです。

 

噺家さんの個性や演出によって、同じ要素のお話しでも、まったく違うものに聞こえます。

 

私は偶然、時をあけずに、この二つの噺を聞くことができました。

 

なんとなく聞いたことのある噺というのは、次の展開が前はこうだったけど、今回はどうなるんだろう?と、前に聴いた噺の筋を手すりにしながら、楽しむことができました。

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テレビ番組制作でも同じことが言える

 

これは、テレビ番組制作にも言えることで、

違う番組で同じ店が取り上げられるということはしょっちゅう起こります。

 

なぜだかわからないけど、同時多発的に、同じ企画やネタが重なることがあるんです。

 

そういうときには、そこで他番組でやってたからと引き下げないで、同じネタや企画であっても、

  • どの要素を際立たせるか、
  • どういうテイストで作るか、
  • 誰の視点で撮って、語りてを誰にするか、
  • どんな演出にするか、

といったポイントで全く違うものになります。

 

視聴者は、このネタ、前にも見たわ。と思うかもしれませんが、前やっていたのとどう違うんだろう、と気になるかもしれません。

 

このネタ、最近よく見るから、流行っているのかな、と関心をもつかもしれませんし、

前も見たような気がするけど、よく見てなかったからよかった。

と思ってくれるかもしれません。

 

ネタは同じでも、ディレクターが違えば、全く同じものにはならないのです。

 

番組のネタを考えるのにはいつも苦労がありますが、こういった見方ができると少し楽に

また、ゲームのように楽しい気持ちで番組制作ができるような気がしました。

 

 

弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。

テレビ局での番組制作に興味がある方からのエントリーをお待ちしております。

ご興味がある方、相談の段階でももちろん大丈夫ですので、お問い合わせフォーム、またはチャットよりお問い合わせください。

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では今日はこのあたりで。

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