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テレビ業界の裏話

テレビの放送作家とはどんな仕事なのか

テレビの放送作家とは

テレビの放送作家とはどういうお仕事か知っていますか?

 

私が初めて就職した制作会社は、もともと放送作家の事務所でした。

よく面倒を見てくれた経理の人から、この会社は、たくさん有名な放送作家さんがいるんだよ!と教えてくれたのですが、私は名前を聞いても全くピンときませんでした。

 

放送作家さんの名前を知りませんでしたし、会社にも来ないので、会社に来なくても成り立つ仕事なんだ、と単純に思いました。

 

実際のところ本当にそうで、放送作家は、

  • 番組のスタッフルーム
  • 企画会議
  • 図書館
  • 紀伊国屋書店
  • 大宅壮一文庫(雑誌専門の私設図書館)
  • おもしろそうなところ

を回遊しているので、事務所に来る必要がないのです。

 

ということで、今回は、放送作家という人たちについて話してみたいと思います。

 

放送作家はどれくらいいるのか

 

番組のスタッフロールを見ても、放送作家というクレジットはありません。

 

どこにクレジットされているのか、というと、

  • 企画
  • 構成
  • 取材
  • リサーチ

といったところでしょうか。

 

どのくらいの人数がいるのかというと、日本放送作家協会のホームページを見ると、会員名簿があります。

ざっと数えてみたところ、1500人くらい。

 

作家協会に加入していない人もいるでしょうし、放送作家のアシスタントをされている人もいますから、その倍はいるのではないでしょうか。

テレビの業界では、表に出てこない、なにしてるかわからないような人たちが有象無象していますが、

まさに放送作家という職業はまちがいなく、そういう人たちです。

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放送作家の仕事内容

 

放送作家というのは、大工仕事にたとえて言うなら、

物件の基礎となる土台を作り、大事な骨組みを建て、より魅力的な物件に見えるように外装を施す、

そういうお仕事をしています。

 

意外と思われるでしょうが、「笑点」だって、「新婚さんいらっしゃい」だって、放送作家が入っています。

台本のなさそうな、「鶴瓶の家族に乾杯」もひな壇トークの「さんま御殿」も放送作家が入っています。

 

  • 「密着!警察24時」
  • 「72時間」
  • 「達×達」

などといった番組にも放送作家がついています。

 

私が驚いたのは、NHKで10年続いた「ケータイ 大喜利」で

視聴者のみなさんから応募のあった「おこたえ」を放送作家の皆さんが選定しています!

と、放送作家の皆さんが、ずらーっと並んでパソコンを睨んでいる様子が映し出されたことでした。

 

あれだけの放送作家が関わっている番組も珍しい。

どんな番組においても、放送作家は関わっています。

 

笑点でいうと、大喜利の問いかけをつくったりお答えをつくるのも放送作家の仕事です。

 

新婚さんいらっしゃい!だと、新婚さんのオーディションに立ち合い、出演者を選定したり、エピソードを聞き出したり、三枝さんがコケるネタを探ったりするのが放送作家の仕事です。

 

密着ドキュメンタリーですと、制作班が撮影してきた映像をみたり、どういう取材をしてきたか、ディレクターから話しを聞き取って、ネタの並びやシーンの並びを構成したり、

説明しないと伝わらない部分にナレーションをつけたり登場人物の関係性を解説したり、登場人物の主観で、代弁したり状況説明をしたりします。

 

私がADだったころは密着ドキュメンタリーによくつかされたもので、ADがナレーション用の資料を作成していました。

 

そのときに、私は、ひそかに、ナレーションで使ってほしい文章を仕込んだものです。

そのまま使われていたら、私の勝ち。

一か所も使われなかったら、放送作家の勝ち。

 

そういう戦いをひそかにしていたもので、当時のADはあるあるだと思います。

 

ADの書いた資料を丸写ししている人もいれば、全く使わずに書いてきた人もいて、全く使わない放送作家は、プロだなあ、と感じたものです。

 

そして、ADは、放送作家がどう直したのか、どういう表現をしているのか、盗んでいったものでした。

自分の文章が添削されるようなものですから役得です。

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放送作家という仕事の危うさ

 

私がプロデューサーになってからは、ADの時代にナレーションを書くことを経験しており、放送作家と肩を並べて仕事をしていたので

テレビ番組制作費が絞られて、予算カットしなくてはならないと時代になったときに、放送作家を入れなくなりました。

 

作家用に資料をつくったり、打ち合わせする時間をダイレクトにナレーションを自分で書く時間にそのまま当てられます。

 

そう考えたのは、私だけではなく、他の番組も放送作家を外していきました。

 

登場人物の心情を代弁できない放送作家やアイデアが出てこない放送作家は職を失っていきました。

 

放送作家の卵や弟子たちは、リサーチャーを担っていましたが、当時は足で探す、雑誌や本、新聞からネタ探しするということが、ネットで事足りるようになってきました。

 

ネットを駆使して、どういうワードで検索するか。

 

ADでも、ディレクターの意思や番組の意図を把握できている人はネット検索にたけていて、リサーチはADが担うようになりました。

 

この時代に、仕事が減少したり、廃業した放送作家さんも多くいます。

 

私が就職した会社の放送作家の人たちも、何人かは、姿を消していきました。

 

放送作家というのは、この業界のなかでもっともあやふやで、経験や実績がなくても「ワタシは、放送作家です」と自己紹介すればそれが通ってしまう仕事なのです。

 

しかし一番馬脚が出やすいのもこの仕事で、

打ち合わせの場で的外れなことや、打ち合わせの内容を理解していない発言があれば、そのうち打ち合わせの日程のお知らせが来なくなり消えていってしまいます。

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放送作家になるには

 

危うい仕事であるのは確かですが、放送作家はまだまだ憧れる人がたくさんいる職業で、

仕事自体もテレビ番組のネタの根幹を作る仕事ですからとてもやりがいのある仕事です。

 

そんな放送作家の仕事は、入り口が多いのも特徴です。

  • 専門学校に入る
  • 放送作家に弟子入りする
  • ラジオ番組に投稿を続けて、番組スタッフやパーソナリティーに覚えてもらう
  • 放送作家のセミナーや講座に通う
  • 放送作家事務所が開催している講座に通う
  • ADやディレクターから放送作家になる
  • リサーチャーから放送作家になる

など。

 

私が入った会社にも放送作家を目指す若手の人たちは、番組のリサーチをしていました。

先輩が打ち合わせに連れて行って、リサーチを提出したり、会議で発言したりして、放送作家になっていった人もいます。

 

放送作家の人たちがどういうふうにして放送作家になったのか、

それは十人十色なのです。

 

テレビの経験がないうちから放送作家を名乗ってもお仕事は回ってこないでしょうから、まずはテレビのスタッフとして働いてみるのがいいかもしれませんね。

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弊社ライズプランニングではテレビ局への派遣業務を営んでおりますので、やりたい仕事になるべく合わせてお仕事をご紹介させていただきます。

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テレビ制作歴25年。テレビの業界の内側と、テレビ番組の裏側をわかりやすく発信していきます。




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