弊社ライズプランニングは、テレビ局出向型の番組制作会社です。
主に情報・報道番組の制作に携わっています。
情報・報道番組でもよく扱うのが食品の撮影。
ロケでタレントさんと一緒に飲食店にうかがって、食事のシーンを撮影する、というシチュエーションがよくありますが、
その時に、お料理だけを撮影する「インサート」というものがあります。
今回はこのインサート撮影で、どういった食品・料理の撮影が難しいのか、ということをご紹介していきたいと思います。
簡単:お鍋
秋冬は撮影が多くなるお鍋。
よく出てくるお料理ではありますが、お鍋は結構撮影しやすいんです。意外でしょうか?笑
お鍋は温めるとしばらく湯気をずっと出してくれるので、その湯気の裏側からライトを当ててあげれば美味しく見せることができます。
お鍋に限らず、温かい食べ物・飲み物の撮影はこの「湯気」がとても重要です。
湯気が出ていることで美味しそうに見せることができるんですね。
逆に言えば湯気が出ているうちに撮影してしまわないといけないので、撮影は時間との勝負。
冷めてしまったら温め直して撮影をします。
関連記事:美味しそうに見せるコツはシズル感!プロが話す料理撮影のテクニック
ちょっと難しい大福
大福やあんぱん、肉まんなど、丸いものはいわゆる「まんじゅう割り」というものをして中身を見せるように撮影をします。
カメラに綺麗に見えるようにまんじゅう割りをしているのもAD。
インサート撮影では手元がよく映ることが多いので、ADはネイル禁止とされている番組も多いです。
そしてこのまんじゅう割りが難しいのが大福。
餅だから伸びますもんね!
でもその餅部分が伸びるから見えた方が美味しそうですよね。
なので、うまく餅が伸びてくれるように、水をつけてレンジで温めたりして、柔らかくなった大福のまんじゅう割りをします。
ところが、餅が伸びるほど温めた大福は熱い!
餅部分も濡らしてあるので手にへばりつきます。
力任せに割ってしまうと結局綺麗に中身が見えなくて、撮り直しになってしまう。
そんなこんなで何回もチャレンジしていると、ADの手が餅と餡子だらけになっていきます。
簡単そうに見えて難しいのが大福なんですよね。
割と難しいラーメン
ラーメンもインサートではよく見かけるお料理だと思いますが、実はとっても難しいです。
お鍋に比べてどんぶりが薄いというのもあり、ものにもよりますが、ラーメンは湯気が出づらいんですね。
なので、湯気がよく出るように、クーラーをガンガンに効かせたところにラーメンを置いて撮影したりします。
そんな裏話が!
当たり前ですが、冷風にずっと当たっているとラーメンはすぐに冷めてしまうので、ラーメンの撮影は特にスピード勝負となります。
撮影に失敗すればするほど、麺が伸びたラーメンがたくさん出来上がります…
もちろんこれらは全てスタッフで美味しくいただきます。
撮影で使わせていただいたお料理はちゃんと毎回スタッフがいただいております。
量が多くなることもしばしばあり、ADが太る原因にもなりやすいです笑
激ムズな冷たい飲み物
温かい食べ物・飲み物よりもさらに難しいのが冷たい飲み物です。
冷たい飲み物の場合は氷が入っていることが多いですね。
氷が入っていると美味しそうに見えるのですが、室内で撮影していると気温との差もあり、すぐに結露してしまいます。
すぐ結露してしまうので拭いて撮影、また拭いて撮影、ということになることは多いです。
さらに、グラスが指紋だらけになることもあります。
どうしても冷たいグラスだと手で触った時の指紋が、映像には映ってしまうのです。
これにはメガネ拭きで対応。
美味しく見せるために、色々な努力をしているのです。
インサート撮影の時は細かいことをたくさん考えて動かなくてはいけないのがADです。
たくさん撮影をして、使わせて頂いたお料理はもちろんスタッフ全員でいただきますが、更にそこにお店のご厚意でお料理をいただくことも…
たくさん食べた上にご厚意でお料理を出していただくと、更に食べることになります笑
新人のうちはそれも仕事のうち、と言われて少し大変かもしれません。
ですが、撮影も「させていただいている立場」ですので、失礼のないように立ち振る舞うことも大切です。
一度でもテレビ撮影でお店が嫌な思いをしてしまったら、「テレビの撮影は今度から断ろう」と言われてしまうかもしれませんからね。