テレビ業界の裏話

テレビ番組の編成ってどうやって決めてるの?

テレビならではの業種に『編成』という部署があります。

この部署は、テレビ業界ならではの独特の部署で、NHKも、民放も各局にあります。今回は『編成』について、解説します。

編成局の仕事は、「番組表」をつくること

 

「編成」っていうことば、例えば、鉄道では、”この線は『十両編成』で運行しています。”とか車内アナウンスされることがありますよね。辞書をみてみると、

[名](スル)個々のものを集めて組織的なまとまりとすること。「番組を編成する」「十両編成の列車」 (デジタル大辞泉)

と、あります。

鉄道で使われる「編成」と、番組で使われる「編成」同じ意味としてつかわれています。

テレビでは、個々のものというのは、番組ひとつひとつのこと。それを集めて、組織的なまとまりとする、つまり、それは番組表のこと。番組と番組を連結させて、ひとつながりのまとまりにしているのです。

新聞の一面に「ラ・テ欄」というラジオとテレビの番組表一覧がテレビ局ごとに時間割のように掲載されていますし、ネットでも番組表があったりしますが、その番組表をつくるのが編成局の役割なのです。

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長いスパンでの番組表

 

先々に、イベントが決まっていることがあります。

例えば、オリンピックやスポーツの世界大会、プロ野球やサッカー、高校野球など。

これらはすでに、日程が決まっていますから、それらを組み入れて番組表を作ります。

こうしたスケジュールとともに、予算の割り振りもします。年間の制作費から、それぞれの番組へ予算を割り振っていきます。

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単発枠の企画を決める

 

それぞれのテレビ局では、深夜の時間帯や週末の昼の時間帯など、単発放送のチャレンジ枠があります。

その枠の企画を決めていくのも編成の仕事です。

 

いままでにない新しい切り口や、次世代のタレントの発掘もかねて、チャレンジングな企画を局内外とわず、幅広く募集します。

制作局のプロデューサーや、制作会社から集まった企画書のなかから、絞り込んで選定します。

数か月先の放送を見越して、そのころ、どんな番組を視聴者は求めているのか、どんなタレントがみたいのか、なおかつ、直感的に面白い!と思える番組を選びます。

一回の募集に数百の企画があつまることもありますから、目を通すだけで大変です。

 

編成局では、番組表をつくること、イレギュラー枠の企画を決めること、それぞれの番組への予算を割り振ることをしています。

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テレビ局は番組をつくるところ、ではない

 

テレビ局はテレビ番組を制作するところ、と思っている人も多いのですが、制作しているのは外部の会社が多く、テレビ局で行われているのは、この『編成』といってもいいほどなんです。

編成がレールをつくり、レールにのせる列車が番組であり、制作会社はその列車、つまり番組を作っているのです。

テレビ局はレールを敷くところ、と言えるかもしれません。それほど、テレビ局の要であり、頭脳(ブレーン)なのです。

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大きくは、半期ごとに見直す

 

テレビ番組は、だいたい、一つの区切りを「1クール」と呼びます。これはよくドラマで使われるのですが、連続ドラマで13回分を1クールとくくります。

13回分は13週分で、3か月に相当します。1月スタート、4月スタート、7月スタート、10月スタート。

1月4月7月10月は新しいドラマが始まるので、ドラマの番宣や、始まると視聴率がネットニュースになったり、評価されたり、週末には再放送されたりします。

 

ドラマ以外のバラエティ番組や情報ワイド番組、報道番組などの見直しは、半期ごとに見直されて、深夜に放送されているバラエティ番組がゴールデンに移動したり、30分枠が1時間枠になったり、情報ワイド番組や報道番組が拡張されて時間帯が広がったり、視聴率が目標値に届かない番組はリニューアルされたり、打ち切りになったりします。そうした移動、拡大縮小、打ち切りやリニューアルは編成局で決められています。

自局だけの並びや視聴率だけではなく、他局の並びと視聴率、そして、数か月先という将来を見越して、決めていきます。

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先々まで決めていても、特別なことが起きる!そのとき、編成は?

 

しかし、テレビは生モノを扱うメディアです。

今すぐに知らせなくてはならない!ということを即時に伝えなくてはならないメディアなのです。

例えば、地震が起きれば、速報でどこで起きたのかを伝え、被害が大きければ、今放送している映像をとめて、映像を切り替えて、現地の映像やレポートを流さねばなりません。

そうした突発的な放送変更した場合に、この後の番組をどうするか、を決めていかねばなりません。

 

オリンピックや世界大会などの大きなイベントの場合も、どの時間帯に、どの競技を放送するのか、競技がずれたり、予想以上に競技が長引いたりしたらどうするかなどの対応を決めておきますし、万が一、開催されなかったらどうするか、という「万が一」にも備えておきます。

2020年オリンピックについては、その万が一が起きてしまいましたが、あらかじめ代替え番組を用意していたかどうかは、機密情報です。2020年延期になっているオリンピックで、各局、学習をしていて備えているはずです。

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編成がテレビ局の要なのはなぜ?

 

編成がテレビ局の要となっているのは、番組表をつくるからなのですが、いままで、視聴者がどんな番組を求めているのか、予測しながら組み立てていく。対視聴者視点なのですが、その番組を制作する、制作者視点も持ち合わせています。

それとともに、局の経営方針をくみ取っておかねばなりません。テレビ局とて企業ですから、利益をあげていかねばなりません。

そのためにどんな経営方針があり、計画しているのか、を理解して、それを踏まえて作成していかねばならないのです。

 

編成は、常に三方向、視聴者・制作・経営を見据えていなければなりません。あがってきたひとつひとつの企画をみて、視聴者・制作・経営視点を働かせて、総合的に評価していく必要があるのです。

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どんな人が編成の仕事に向いている?

 

編成では、テレビ局内の経営陣や制作局、制作会社、スポンサー、視聴者とも関わります。

自身で企画を立ち上げることもあります。発想力、行動力、人脈づくりができる人、そして、メンタルが強い人が求められます。

人と接するところに、大小問わず、必ず衝突はあるもの。常にフラットでいられるマインドが必要です。

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編成の仕事はどこで募集がある?

 

編成の仕事はテレビ局に入らなければできません。

新卒でテレビ局に入るか、制作会社から転職してテレビ局に入るか、です。

制作会社から転職する場合は、テレビ番組制作の経験が必須です。ディレクター経験とプロデューサー経験をつんで、20代後半から30代のうちに転職活動するのがベストです。

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テレビ制作歴25年。テレビの業界の内側と、テレビ番組の裏側をわかりやすく発信していきます。


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