今回はパソコンのCMをするならどんなターゲットに向けて投下するのが良いのか、どんなことを購入者は求めているのかなどをもとに考えてみたいと思います。
パソコンの保有台数
まずパソコンは一人当たり何台くらいの台数を保有しているのかについてですが、
約半数の人が1台保有していると答えています。
また約20%の人が2台の保有。
10%弱の人が3台となっており、一家に一台だった時代に比べると保有台数は増えているものの、最近は個人の需要の伸びは止まっているような状況でした。
ただ新型コロナウィルスの影響で企業での追加購入はかなり増加し、一時ノートパソコンが品薄になるという状況も発生しましたが、個人の利用としてのパソコンの使用は頭打ちの状況は否めず、それは若い世代に特に表れているようです。
20代は平均して4割の人が個人利用でパソコンを利用しているものの、普段主に使っているのはスマホと答える人がかなり多く、20代~50代まではスマホの方が使用頻度が高いと答えています。
60代以上になると、スマホの保有率が減ることもありノートパソコンを使っていると答える人の割合が多くなります。
特に若い世代では男性に比べ女性の方がパソコンの保有も少なく、パソコン離れが目立つ傾向があるようです。
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パソコンを買い替えるタイミングは?
では次にどんな時にパソコンを買い替えようと思うかのタイミングについてですが、
- 不具合が出てきた、壊れた
- 5年以上経つのでそろそろ変え時
- 性能をアップしたい
というようにだいたい上記のような理由があると買い替えのタイミングとなるようです。
5年というのは多くの人が考えるパソコンの寿命で、
特に壊れていない場合も、5年を目安にそろそろ買い替えてもいいかもしれないという気持ちが浮かぶことがわかっています。
ただ、買い替えについて意外にネックになっているのは古いパソコンの処分のことです。
パソコンには重要なデータが入っていたことが多く、特に個人情報の重要性を問われる昨今はパソコンの処分が面倒で買い替えに二の足を踏むというケースも実は多いと言われます。
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パソコンの使い方について
では個人が使う場合のパソコンの使い方についてですが、
- ウェブサイト、ニュース、ブログ等を見る
- ネットショッピングに使う
- 動画、映像コンテンをみる
- メール、コミュニティアプリなどの利用に使う
- 写真やデータの保存に使う
等になっています。
これらを男女比で見ると、
ウェブサイト、ニュース等については男性の約80%が利用するのに対し、女性は約65%程度。
またネットショッピングについても男性の約65%に対し女性は約55%。
動画、映像コンテンツに至っては男性の約60%がパソコンを利用するのに対し、女性は約40%となっており、女性の方がパソコンで動画、映像コンテンツ等を見る頻度が少ないことがわかっています。
写真、データ保存、メール等アプリについても全体としては女性の方がパソコンの利用率が若干低くなっています。
パソコンの売れ行きが横ばいになっているのは、最近スマホの機能がパソコン並みなってきたことや、Wi-Fiの環境が完備されてきたことで軽量で手軽なスマホがより利用されるようになったということがありますが、
よりスマホに移行している傾向は、男性よりも女性、中でも20代、30代の若い女性だということがわかります。
動画や音楽の視聴についてみると
20代の男性の約75%程度はパソコンを利用、約65%はスマホも利用、
また30代の男性の約60%はパソコンを利用、約50%がスマホも利用、
しているのに対し
20代の女性の約40%がパソコンを利用し、約75%はスマホを利用。
また30代の女性については約35%がパソコンを利用、約70%がスマホを利用。
というように、20代30代については動画や音楽を視聴する際、パソコンを使うかスマホを使うかについて、男性はパソコンが多く、女性はスマホと逆になっていることがわかります。
これはネットショッピングにも表れていて20代、30代の女性の7~8割がスマホでショッピングをしています。
またパソコンを使ってネットショッピングをしている人のうち60代以上の高齢者の約80%がパソコンを使ってショッピングをしているという調査結果も出ています。
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パソコンの購入の際何が気になるのか
ではパソコンを購入、または買い替える際に何が気になるのかについてですが、プロが勧めるパソコンの選び方は
CPU,ストレージ、メモリ、GPUといったことに注目する傾向がありますが、これに対し一般の意識はどうかというと
- 重さ
- 画面の大きさ
- 壊れない、安定性
- メモリーの多さ
- CPU
のようになっており、プロと一般人の意識の差がうかがえます。
特に一般の人が気にする項目のトップはメモリで、約75%の人がメモリが気になると答えています。
CPUについても約6割の人が気になると答えていますが、CPUは実際のところバーションが細かく分かれており、素人にはわかりにくいということもあるようです。
またノートパソコンは持ち歩く人も多いため、重さを気にする人が多く、人気の重さは
- 1.4キロ
- 1.6キロ
- 1.5キロ
- 1.7キロ
のようになっており、1.5キロ前後の重さが売れ筋であることがわかります。
2キロを超えると男女とも重いと感じることがわかっており、やはり女性ほど軽めのものを選ぶ傾向があります。
ただし1キロを切ると画面もかなり小さくなるため需要が減るようです。
また画面の大きさも気になる項目の重要な一つで人気があるのは15インチ前後で
15.6インチが最も人気が高く、14インチ、13.3インチ、などが続き、それ以上の大きさはあまり上位に上がってこなくなっています。
メモリーについては現在では8GBが最も人気で、次いで16GBのようになりますが、16バイトになると値段が上がるため圧倒的に8GBが現状では多くなっています。
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パソコンのCMを効果的に打つなら
これらを踏まえてCMを打つ際はどんなことに注意すればよいのかについてですが、
ターゲット的には女性は小さい画面で満足する傾向があるようで、女性のスマホ化は今後も今の若い世代が年齢が上がることでさらに増えると思われるのに対し、
男性は動画コンテンツ等を大きめの画面で見たいという願望があります。
これはテレビは大きいほど良いという男性が多いに対し、女性はテレビの大きさにさほどこだわらないという、一般的な男女差の傾向と似たものがあります。
そのため一般向けにパソコンのCMをする場合は、ターゲットはやはりどちらかというと男性と考えるのが良いでしょう。
また60代以上についてはスマホよりパソコンに頼っている傾向があり、
ネットショップ利用は顕著で、例えば「ネットショッピングをパソコンで!」!という言葉は女性の若い層には全く響きませんが、利用割合的には60代以上には4倍程度響くことになります。
男女で比べると男性の方が女性に比べパソコンを利用しており、特に動画コンテンツ等は、男性はすべての世代についてスマホよりパソコンの比率が多くなっています。
したがってCMにパソコンの利用方法、例えば「動画コンテンツを楽しむ」文言を盛り込む場合は男性が観る番組や、時間帯(朝、晩と土日のコの字型)がおすすめです。
また一般の人が求める言葉、不安を解消する言葉を盛り込んでいくのがCMには有効ですから
- 重さ1.5キロというもちやすさ
- 画面は人気の○○サイズ
- 調子が悪い場合のサポートがあること
- 古いパソコンを下取りすること
- 壊れにくい、安定性(考査があるので言い方が微妙になりますが)
- メモリーもはっきりと伝える(いろんな種類がありますが人気の8GBを伝えたほうがわかりやすい)
など見ている人が一つでも自分に合っているのではないかと感じる身近な言葉が入るようCM制作は心掛けたいものです。
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