弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
主に情報・報道番組の制作に携わっています。
今回はテレビの画質のお話です。
近年映像の画質は飛躍的に良くなっていっています。
現在は4K・8Kといった圧倒的高画質映像も登場していますし、テレビを売っている家電屋さんに行ってみると、4K対応・8K対応、というテレビが多く販売されていますよね。
では、4K・8Kといった映像はどのような違いがあるのでしょうか?
そして映像業界から見て、そういった高画質な映像というのは、どのようなメリットデメリットがあるのでしょうか?
4K・8Kとは?その違いは何?
4K・8Kとは、次世代の映像規格で、一般的に今使われているハイビジョンを超える超高画質の映像のことを言います。
4Kというのは現行のハイビジョンの4倍の画素数。
そして8Kは現行ハイビジョンの16倍の画素数のものを言います。
4Kや8Kになっていくことによって、表示できる情報量が違うということですね。
表示できる情報量が多ければ多いほど、映像は細やかで立体的になっていきます。
また、情報量だけでなく、4K・8Kでは色々な側面で画質が良くなっています。
- 広色域化…現行ハイビジョンに比べて表現可能な色の範囲が大幅に拡大し、「実際に見える色」に近い表現が可能になっています。
- 画像の表示速度…現在は1秒間に30コマしか表示されていませんが、最大で120コマの表示に高速化できます。
- 多階調表現…現在のおよそ1,600万階調に対し、およそ10億階調へ拡大します。より自然なグラデーションなどが表現できます。
- 輝度…映像で表現できる明るさの範囲が大幅に拡大しています。
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地上波では4Kや8Kの放送はやっていない
地上波での4Kや8K放送は現在の技術では難しく、地上波では放送されていません。
先述したように、4Kや8Kといった映像は現行のハイビジョンよりも映像の情報量が格段に多くなります。
そのため、大容量伝送技術など、新たな技術が必要になってくるんですね。
ちなみに現行の地上デジタル放送は2025年まで続く予定です。
4Kや8K放送を視聴するにはBS、CS放送やケーブルテレビが必要になります。
衛星放送では4K放送が2018年12月1日に開始されています。
地上デジタル放送の4K化は未定ですが、2025年以降に実現の可能性があると言われています。
また、4K放送をやっていても、家庭のテレビですぐに4Kの放送が見られるというわけではありません。
4K放送を視聴するためには4K対応のテレビやチューナーが必要です。
さらに4K放送を視聴するためにはテレビアンテナも4K対応のものに変更する必要があります。
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4K・8Kなどの高画質映像のメリットデメリット
では、映像制作業界から見て、4Kや8Kといった高画質な映像にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
メリット:映像美で人を惹きつけられる
高画質な映像は、その映像そのものが人を惹きつけます。
例えば特に盛り上がりがない、というようなドラマのシーンなどでも、4K・8Kというだけで興味を持ってもらえる、と言えるでしょう。
もちろん4K・8Kが当たり前に放送されるような世の中になれば、視聴者側もそれに慣れていってしまうんだと思いますが、
それでも、現時点では4K・8Kといった高画質である、というだけで興味を持ってもらえる段階です。
また、撮影時にもメリットがあります。
4Kや8Kといった高画質で映像を撮影しておけば、後から編集の時にズームをしたりしても画質があまり落ちません。
元の映像の画質があまり良くない場合はズームすると何がなんだか分からない、というような映像になってしまいますからね。
そういった意味で、映像編集の幅も広がるというメリットがあります。
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デメリット:容量の重さ
高画質な映像はまず記録も大変です。
高画質ということは情報量が多いということですので、記録データも大きくなります。
みなさんも、スマホで写真を撮る時、高画質で撮ると容量が重くなったりすることがあるかと思います。映像もこれと同じ現象が起こります。
問題が出てくるのは保存の時だけでなく、編集の時もです。
容量が大きい映像の編集をする場合、編集を行うマシンにもそれなりのスペックが求められます。
スムーズに編集できなかったり、マシンが固まってしまったり、書き出しに時間がかかったり…
あらゆる面で手間がかかります。
もちろん撮影機材も4Kや8Kが撮影できる機材ではなくてはいけません。そういった高画質な映像が撮影できる機材は高いです。
さらに、それを放送するとなれば、それらを受信するテレビやインターネットもそのレベルに合わせたスペックが必要…
ということで、容量が大きくなるということは様々なところで弊害が出てくるものなのです。
テレビ業界で働くのであれば、こういった話も知っておくと、これからのことを考えていきやすいかもしれません。