バラエティ番組でアシスタントディレクターが映り込むことがあります。
小さめのバッグを斜め掛けして、紐部分には黒いガムテープがぶら下がっているのがADさんのアイコン。
小さめのバッグはかつてウエストポーチが主流でしたが、今はサコッシュへと変化しました。

そのバッグのなか、何が入っているのでしょうか。今回はロケの時のアシスタントディレクター7つ道具について解説します。
1.台本とスケジュール
最も大事なのは台本とロケスケジュール。
撮影漏れがないように、撮影を終えた項目は台本にチェックを入れていきます。
ほかの作業をしている間、台本を置きっぱなしにしてしまい、気づいたときには手元にない、という失敗はよくあること。
ロケの現場では撤収したあと、忘れ物がないか確認するのもADの役割。
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2.ペン
メモを取るためのボールペンと、油性のマジックは必須アイテム。
マジックは1本の両頭にペン先があり、異なる太さの線が描けるタイプ。
ゼブラから出ている「ハイマッキー」がよく使われています。
ウィキペディアによると、1976年に販売開始。ロングセラー商品です。
3.スケッチブック
出演者への指示を出すために使ったり、カンペとして使ったりするスケッチブック。
よく使うのは、黄色と深い緑が特徴的なマルマンの「図案スケッチブック」B4かA3サイズのもの。
マルマンのホームページによると、1958年に量産スタート。
表紙のデザインは当時から変わっていないそうです。
累積販売数は9000万冊以上。
その売上、きっと歴代のADさんたちが貢献しているはず。
六本木にあるドン・キホーテでは、マルマンのスケッチブックが山積みに置いてあり、六本木店の売り上げナンバー1のときもあるんだとか。
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4.ガムテープ
ガムテープは粘着力の強いタイプと、粘着力の弱い養生用のガムテープの2種類を用意しておくのがベスト。
ミニカメラやワイヤレスマイクなどを仕込むときや、光の反射を遮るために幕を張るときに使用します。
そのほか、何かを隠したり、まとめたりするときに活躍。店舗や一般のお宅にお邪魔するときは、貼った後が残らないように、養生テープを活用します。
5.ドラフティングテープ
ドラフティングテープは粘着力が弱くて、貼ったりはがしたりしやすい、肌色のテープのこと。
製図用として販売されています。
よく使われているのは、3Mスコッチのもの。黄色いパッケージが特徴です。
ガムテープはガムテ、ドラフティングテープはドラテと呼ばれています。
ドラテを使うのは、出演者の立ち位置に印をつけるとき。
かつては収録用にテープを使用していたので、収録済みのテープにナンバーを振ったり、ちょっとしたメモを書いて貼っていました。
今は収録するのはSDメモリーカードになり、1日の撮影で1枚使いきれるかどうか。
メモを貼るスペースもありませんから、ドラテの出番が減りました。
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6.レジ袋
スーパーでもらえていたレジ袋。
外ロケのときは、自動販売機で飲み物をよく買います。スタッフの人数分を購入すると手で持ちきれないので、レジ袋は重宝していました。
撤収の際にはゴミ袋として使います。
ときには大事なものを入れたり、仕分けに使ったり。
バッグに2、3枚忍ばせておくと何かと役に立ってくれます。
7.スマホ・仮払い・腕時計
スマホは連絡をとったり調べものをするのに必須ですが、お店のロケの時に、映り込みNGの人を記録しておくために写真を撮ったり、撮影した料理の正式名称を記録するため、メニューを写真で撮ったりと、メモ代わりに使います。
番組へのクレームで多いのは、撮影のときに映りたくないと言ったのに、映っていた!というもの。
映像処理をし忘れることもあるし、ADがディレクターに伝えるのを忘れていた、ということもあります。
うっかりミスを防ぐために写真を撮らせていただくことがあります。それもダメ、という方は、特徴や衣服の色をメモしておきます。
仮払いは、ロケに関わる支払いをするため番組から預かっているお金です。

自分のお金と混じらないように、仮払い専用の財布か封筒にいれて管理をします。
仮払いで支払ったら、必ずレシートか領収書をもらって、仮払いと同じ場所に入れておきます。
残った仮払いとレシートの合計が、預かった金額と同額になっていなければなりません。仮払いの管理もADの手腕です。
ADさんは時間管理も大事な仕事。撮影に集中しているディレクターに時間を伝えるために腕時計は必ずつけておきます。
今回はADさんの7つ道具について解説してみました。
ロケの現場は番組や収録内容によって様々。内容によってADさんは持ち物をカスタマイズしたり、自分に合うものを探したり。
道具を入れるバッグにこだわったり、とひとりひとりが工夫しています。
テレビでADさんが映り込んだら、持っている道具にも注目してみてください。
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