弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
アシスタントディレクターやディレクターとしてテレビ局の中で番組制作に関わるスタッフが所属する会社です。
今年も多くの新卒さんが新しい現場で働き始めてくださっているところですが、
もちろんほとんどの方がテレビ業界未経験。
多くの方が心配するのが、
このまま、全く業界のことを知らずに現場に入って大丈夫なのかな?
ということです。
弊社では就業前にしっかりとした研修を行っていますのでご安心ください。

そしてまさに今読んでいただいているメディア『ぺんくり』も、ぜひ就業前に参考にしていただきたいと思っております。
研修はきちんと行いますが、事前に少しでも現場のことを学んでいただけるよう、記事を更新しております。

今回は、テレビ業界で使われるカメラワークに関する用語をまとめてご紹介してみたいと思います。
FIX(フィックス)
カメラを固定して動かさずに撮影することをFIXと言います。
三脚に載せても、手持ちで撮影しても、被写体を決めたサイズでそのまま撮影する場合はFIXと言い、
これはカメラで撮影を行う時の基本の撮影の仕方です。
同じFIX表現でも、どこにフォーカスを持ってくるかによって受け手の印象が異なるので、何を表現したいのか、ということを意識して撮影すると良いでしょう。
FIX撮影は画面に落ち着きがあり、客観的な画面となります。
- インタビュー
- 講演会やセミナー
- 商品紹介
などでFIXが使われることが多いです。
関連記事:ディレクターが信頼するカメラマンの特徴
ZOOM(ズーム)
カメラ自体は動かさず、ズームボタンを押してレンズで被写体に寄ったりひいたりする動きをZOOMと言います。
- 被写体に寄る(大きく映す)ように撮影する動きをズームイン(ズームアップ
- 被写体から引く(離れる、小さく映す)ように撮影することをズームアウト(ズームバック)
と言います。
ズームインは被写体の細かいところを撮影する効果や、1つの被写体に注目させる効果のあるカメラワークです。
それに対してズームアウトは視点を散らす効果や、被写体と周囲の位置関係や状況を伝える効果があります。
注目させたい時はズームイン、全体的に見せたい場合はズームアウトがおすすめです。
リポーターが人気スポットなどを紹介するオープニングで、
私は今、じゃーん!〇〇に来ています!
といったコメントで、リポーターの顔から背後の看板やその施設がわかる広い画を見せるようにカメラを引いてズームバックするなどといった使われ方があります。
TRACK(トラック)
TRACKはカメラを横に移動させたり、被写体の動きをカメラで追って撮影したりするカメラワークのことです。
動きとともに迫力が出る映像となり、被写体が移動するシチュエーションでは多く用いられます。
被写体を素早く追いかけると興奮、ゆっくり追いかけると緊張感を表現できます。
被写体との距離感やスピード調節にも技術が必要で、難しい撮影方法です。
PAN(パン)
カメラ自体を横や縦に動かす(振る)動きをPANと言います。
同じ立ち位置(カメラ位置)で
- 目の前を歩く人を追うように横に振るのが横パン
- 右に振る場合は右パン
- 左に振る場合は左パン(逆パンと言うことも)
- 目の前に立っている人の足元から顔を撮る動きを上パン(パンアップ/パンナップとも)
- 顔から足元へ、など下に振る動きは下パン
と言います。
- 広い風景などの広大さを表現したい時
- 横長の被写体を撮影したい時
- 複数の被写体の位置関係を表現したい時
- 視点の横移動を表現したい時
- 水平移動する被写体を追いたい時
などにパンが使われます。
例えば、実際の撮影現場だと
国道○号線沿いにあるこちらのお店…
〇〇駅のすぐ目の前の…
というようなナレーションとともに、混じるしになるものから目的のものまでカメラを振り込んでパンする、というような使われ方があります。
DOLLY(ドリー)
DOLLYは台車や車輪付きの三脚を使って、カメラを水平移動させて撮影するカメラワークで、スライダーショットと言われることもあります。
また、カメラマンがカメラを持ったまま被写体に寄っていくなどの動きもDOLLYと呼ばれます。
例えばマイクを持ったリポーターが取材相手に「よろしくお願いします!」と言いながら歩いて近づくのをカメラマンが撮影しながら一緒に動く、といったような撮り方です。
- 被写体にカメラ自体が近づく動きをドリーイン
- 逆に離れることをドリーアウト
と言います。
弊社が制作に携わる情報・報道系の番組ではあまりドリーアウトは使わないかもしれません。
撮影で動きをつける時は、動きの頭と終わりに必ずFIX止めをつけます。
これを忘れないようにしましょう。
