弊社ライズプランニング[広告部]はテレビCMをメインに取り扱う広告代理店です。
今回はテレビCMの歴史について解説してみたいと思います。
実はテレビCMが始まった頃は、今では考えられない放送の仕方をしていたり、
ルールがきちんと整備された今からは想像できない内容が放送されていた時期もあったんですよ〜!
テレビCMが初めて放送されたのはアメリカ
テレビCMが初めて放送されたのは日本ではなくアメリカでした。
最古のCMが放送されたのは1941年7月1日で、Bulovaというニューヨークの時計宝飾店のCMだったそうです。内容はアメリカ地図の中央に「Bulova WATCH TIME」と書かれたアナログ時計があり、その時計が8時を指している、というもので、たった10秒間の静止画CMでした。
ナレーションでは「America runs on Bulova time.」という文言が流れました。
YouTubeにもこちらのCMがありました。
実は全米初のラジオCMもBulovaが提供したと言われています。
ちなみにこちらのBulovaですが、2008年にシチズンに288億円で買収されています。
日本で最初に放送されたテレビCM
日本で最初に放送されたテレビCMは日本テレビ開局日の1953年8月28日正午直前に放映された精工舎(現セイコーホールディングス株式会社)の時報CMでした。
こちらのCMはあらかじめフィルムに録画したアニメーションと実写の組み合わせのCMだったのですが、
なんと当時のスタッフが放送機材の操作に慣れていなかったため、フィルムを裏返しにした状態で放送してしまったのだそうです。
そんなことあるんですね〜!なんだかこの話を聞くとこちらがドキドキしてしまいます笑
フィルムが裏返だったため、時計の画像は左右逆になり、映像の左側に音を再生するためのサウンドトラックがあって、フィルムが逆向きになると音が再生されなかったので、音無しの状態で放送されたそうです。
時報を兼ねたCMだったので、12時前から放送され、最後に「精工舎の時計が12時をお知らせいたします」というナレーションで終わる予定だったのですが、音無しで放送されてしまいました。
このCMは同日19時に無事再放映され、現存する日本最古のテレビCM映像とされています。
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テレビCMが生み出した流行語
1950年代の終わりから60年代の高度成長期に「三種の神器」といわれたテレビ、洗濯機、冷蔵庫。
そしてそれに続く3C「カラーテレビ、クーラー、自家用車」が一般的に普及していき、
それらの製品はテレビCMを通じて豊かさの象徴として憧れられました。
テレビの普及に伴い、CMから流行語が増えていくことも。
- 1955年「ゴホンといえば龍角散」(龍角散)
- ヱスビー食品の「インド人もびっくり!」
- 「あたり前田のクラッカー」(前田製菓)
- 「日本の夏、金鳥の夏」(金鳥蚊取り線香・大日本除虫菊)
- 「私はコレで会社を辞めました」(禁煙パイポ・マルマン)
- 「亭主元気で留守がいい」(金鳥ゴン・大日本除虫菊)
- 「24時間戦えますか」(リゲイン・三共)
- 「きれいなおねえさんは、好きですか。」(松下電工)
- 「歌手の小金沢くん」(フィニッシュコーワ・興和)
- 「イチロニッサン」(日産自動車)
- 「モノより思い出」(セレナ・日産自動車)
- 「いっぱい聴けて、いっぱいしゃべれる」(NOVA)
- 「たーらこー たーらこー」(キユーピーあえるパスタソース・キューピー)
こうして見てみると、テレビCMというのはその年代の世相をよく表しているなと思います。
近年ではテレビCMを見て興味を持ってくれた視聴者をネットに誘導するために「続きはWebで」というナレーションを最後に入れるようなCMも多くなりましたね。
これは「インターネットの普及」という世相をよく表しています。
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実は生CMも多かった
日本最古のテレビCMはフィルムでしたが、
実はテレビ放送が開始された当初は生コマーシャルも多くありました。
テレビCMが生放送だったのです。
番組本編の延長として、ドラマなどの番組本編に出演している俳優やタレントがそのまま商品の紹介をするというような内容のCMが多く見られました。
今ではテレビCMが生放送、というのはなかなか考えられないですが、たまに情報番組の中で商品をスタジオで試す、というようなものも見受けられますね。