弊社ライズプランニング[広告部]はテレビCMをメインに取り扱う広告代理店です。
今回はテレビCMの中でも、放送をするのに制限がある業種について解説してみたいと思います。
そんなのあるの!?
と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、テレビCMはなんでもかんでも放送してOKというものではないのです。
現に、テレビCMとネット上の動画プラットフォームなどで見るCMとは趣が違うと思います。
テレビメディアは信頼を落とさないために努力している
テレビCMを放送する時は、
- CM映像の中で視聴者に誤解を与える表現が使われていないかを審査する表現考査
- CM放送をする企業がきちんとした企業かどうかを審査する業態考査
という2つの考査がCMを放送する各テレビ局で必ず行われ、基準に満たない場合はCMを放送することができないようになっています。
一度に多くの人に見られる、というのがテレビメディアの特性ですから、こういった作業が必ず行われ、安心してテレビを見てもらえるように、テレビ局も日々努力をしているんですね。
では、そんな中で、テレビCMを放送するのに制限がある業種というのはどういったものなのでしょうか?
消費者金融
消費者金融のCMは以前は禁止されていたのですが、1983年の民放連放送基準改正以降に解禁されました。
消費者金融のCMでは最後に音声とともに「ご利用・ご返済は計画的に」と必ず表示されるようになっており、
これは日本民間放送連盟の「消費者金融CMの取り扱いに関する放送基準審議会見解」の中の「啓発文言を一定以上の文字の大きさと秒数(1.5秒程度)で表示する」という箇所によります。
また、放送時間帯については、
2003年10月から、17時〜21時、
2006年4月から上記に加えて、7時〜9時、21時〜22時は、テレビCM放送を禁止しています。
さらに22時〜24時の間についても各社のCMを月間100本に制限するようにしています。
さらに、CM内容においても、「計画的な利用」を意識させる演出でなければ放送できないように規制されています。
関連記事:テレビCMで使われている注意表現
結婚相談所
結婚相談所・興信所は、民放連放送基準の旧109条に基づいて、2014年11月の改正まで禁止されていました。
現在は少子化対策を掲げている政府からCM解禁を求める要請があり、業界ガイドラインに基づく認証を取得した結婚情報サービス事業者のCMに限り取り扱いが解禁となっています。
さらに2023年9月にはマッチングアプリのCMも解禁されています。
現在はマッチングアプリのCMをよく見かけるようになっているので、昔は禁止されていた、と聞くと驚いてしまいますよね。
関連記事:テレビの放送禁止用語の秘密。実はリストがあるわけではない!?
パチンコ・パチスロ
パチンコ、パチスロ機種、およびそれら関連施設のCMは2009年の4月より、
5時〜9時と17時〜21時はCM自粛時間となっています。
2011年4月頃から東日本大震災による影響もあり、
業界団体の日本遊技機工業組合(日工組)が終日パチンコ、パチスロマシン本体のCM放映を自粛(禁止ではなく自主規制)していましたが、
震災発生から10年後の2021年4月からCM自粛時間を除いてパチンコ、パチスロマシン本体のCM放映を解禁しました。
関連記事:CMの表現考査とは?放送する映像を作る時に知っておきたいこと
葬儀業
人の死に関連する葬儀業については、
民放連放送基準112条で、「取り扱いに注意する」と定められています。
こういったものはやたらめったら放送するとネガティブキャンペーンになりかねないので注意が必要ですよね。
放送時間帯や放送時期はかなり慎重になった方が良いと思います。
関連記事:CMを流す時間帯は何時ごろが良い?内容・ターゲットからの決め方
酒類
酒類に関しては大手ビールメーカー各社が加盟しているビール酒造組合の自主基準で、
「5時〜18時まで酒類のテレビ広告を自粛する」としています。
こちらはテレビ業界ではなく、ビール酒造組合の方で自粛している、ということですね。
また、飲酒運転による交通事故が多発しているため、2006年10月から、酒類のCMの最後に、
「飲酒運転は法律で禁止されています」といった文言が表示されるようになっています。
また、酒類のCMには25歳未満のタレントは起用することができません。
関連記事:CMにタレントが起用される理由って?広告代理店が解説します!
CMの放送ができないもの
CM放送が禁止されている業種もあります。
以下のようなスポンサーに関しては、原則取り扱いはありません。
- スポンサーの名が伏せられているもの(民放連放送基準96条)
- 契約した以外のスポンサーの宣伝になっているもの(民放連放送基準99条)
- 迷信を肯定したり科学を否定したりする商品やサービス(民放連放送基準108条)
- 人権を侵害する目的で個人情報を調査・収集・利用する意図を持った商品やサービス(民放連放送基準109条)
- 風紀上好ましくなく、家庭内の話題として不適当な商品やサービス(民放連放送基準110・111条)
- 個人的な売名(民放連放送基準115条)
- 報道事実を否定する目的を持ったもの(民放連放送基準125条)
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