「好きなアイドルが宣伝をしている商品だから買おう!」
「あのCMって言えば、あの芸能人!」
といったように、CM(商品)イメージをタレントが担っていることも多いですよね。
今回はCMに有名タレントが起用される理由について考えてみたいと思います。
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日本ではCMに有名タレントが起用されやすい?
日本のCMは、欧米諸国のCMに比べるととても有名タレント起用率が高くなっています。
というのも、日本はかなり文化が統一されている国ですので、日本に住んでいる人の好きなもの・好きなイメージというのも画一化されている側面があるのです。
同じ国に異なる人種の方が多く住んでいたり、宗教が異なったり、ということが日本だとあまりありませんよね。
そういった背景もあって、有名なタレントをCMに起用しやすいのです。
多様性が求められる欧米諸国では逆にタレントが持つイメージがネガティブキャンペーンになってしまう消費者が一定層いることが多い、ということです。
商品・サービスのイメージをタレントと紐付け
タレントを起用したCMを作ることによって、商品やサービスのイメージをタレントと紐付けすることができます。
例えばマクドナルドと言えば木村拓哉さん。その独特なハンバーガーの持ち方が話題になりましたよね。
P&Gプレステージ合同会社のSK-Ⅱは、長く綾瀬はるかさんが起用されていました。
みなさんも、「あのCMといえば誰々」と思い浮かべることができるCMがいくつかあるのではないかと思います。
このように「誰々がやっているCM」という記憶になることは多く、
有名タレントを起用したCMでは、商品やサービスのイメージとタレントのイメージと紐づけることができます。
知名度がまだ低いような商品・サービスの場合は、タレントの知名度に便乗して知名度を上げることができますよね。
また「こういうイメージを持って欲しい」という具体的なイメージに近づけてキャスティングをすれば、印象もプラスされます。
渋い男性がターゲットなのであれば、渋い俳優さんに出演してもらう。
青春っぽい雰囲気にしたいなら、若くてフレッシュな10代のタレントさんに出演してもらう。
このように、有名タレントは商品やサービスの顔となる存在なのです。
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信用の獲得
有名タレントを起用することができるということは、それだけ資金力がある、きちんとした会社である、ということです。
こういったことをテレビCMを見ながら意識的に感じている人は少ないと思いますが、無意識でも、あのタレントがあの会社のCMをやっているのか、と思うことで、信頼が生まれるでしょう。
テレビCMというのは実はどんな企業でもできるものではありません。
CMを放送する時は登記簿情報などを提出して、企業がきちんとした企業かどうかが審査される業態考査というものがテレビ局ごとに必ず入ります。
また、テレビCMを放送することができない商品やサービスなどもあります。
科学的根拠の証明をすることが難しいものや、射幸心を煽るようなものはテレビCMでは取り扱うことができません。
テレビというのはマスメディアであり、
老若男女、広く多くの人に情報を届けることができます。
逆を言えば、テレビをつけてしまえば、誰でも受動的に情報を受け取らざるを得ません。
だからこそ、その情報が正しいものであるように、常に細心の注意が払われているのです。
そのため、テレビCMを放送する、というだけでも大きな信用を得ることができます。
さらに有名タレントを起用することができれば、「それだけの力がある会社」として認めてもらうことができるでしょう。
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有名タレントの起用をする時に注意したいこと
有名タレントがCMに起用される理由について解説してきましたが、
タレントを起用する時に注意したいこともあわせてご紹介しておきます。
タレント起用で予算は跳ね上がる
有名タレントを起用する場合は、タレント起用にかかる費用が莫大になります。
CM制作費用のほとんどがそこに割かれると言っても過言ではありません。
タレントさんの影響力は本当に強いものがありますが、予算との兼ね合いを見ながら…という形になるかと思います。
タレント起用にはリスクもある
有名タレントをCMで起用すれば、タレントさんに商品やサービスのイメージを牽引していただくことが可能ですが、
タレントさんに全てを預ける形になるリスクもある、ということは理解しておきたいところです。
タレントさんの不祥事によってCMの出稿が取りやめになるケースも近年は多くなってきました。
キャスティングはよくよく考えて行う必要があります。
タレント起用は一定期間での契約となる
タレントさんに出演をお願いする場合は、ほとんどが半年や一年間といった一定期間で契約を交わすことになります。
その後継続してCM映像を利用する場合は、再契約という形になるんですね。
そのため、一度CMを制作すれば、ずっとそのCMを放送することができるわけではありません。
予算がそこまで潤沢ではない場合は、契約がフリーのタレントさんにお願いしたり、
タレントなしで制作をするのがおすすめです。