テレビCMの放送の仕方に「段積み(だんづみ)」というやり方があります。
より効果的にCMを放送するための手法の一つですが、言葉だけでは意味がわからない方も多いと思いますので、広告代理店である弊社ライズアドバートが、その意味と効果、実際に放送するときにどのような料金形態になるのか、ということについて解説したいと思います。
段積みCMとは
段積みCMは2段積みから来ている言葉で、その言葉通り、同じCMを2段積む、つまり2回続けて放送する放送方法のことを指します。
テレビCMを見ていて「同じCMが2回流れた!」と思ったことがあるのではないでしょうか。
あれが段積みです。
以前は全く同じ内容のCMを段積みにして放送するというパターンも見かけましたが、
現在の放送基準では同一のCMを段積みにすることは基本的にはできません。(『民放連 放送基準解説書2014』(日本民間放送連名)より)
別パターンのCM素材を制作し、段積みにして放送することになります。
15秒CMの素材を2回流して30秒にすることが多いです。
タイムCMの場合は30秒枠が基本になるので、15秒素材を段積みにして30秒尺にするということもありますね。
ただこれらのルールはテレビ局によっても違ったりしますので、広告代理店を通じてどのようなパターンで段積みをすることができるのか、ということは一度確認した方が良いと思います。
テレビ局は実は局ごとに違う会社という扱いになっているので、局によって料金も違いますし、ルールも異なる部分が多いのです。
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段積みの効果
同じ企業のCMが続けて流れることによってCMを覚えやすくなる、視聴者に大きなインパクトを残すことができる、というメリットがあります。
最初から段積みで放送することを想定しているのであれば、段積みにするからこそ面白くなるような演出が入ったCMを作るとより効果的でしょう。
シリーズものにしてストーリーを持たせたり、全く同じ内容のCMを実写とイラストといった別の切り口で制作するという方法もあります。
テレビCMを制作の段階から考えているのであれば、段積みをする旨を制作サイドに伝え、その想定で制作していった方が面白いものができるでしょう。
以前は同一内容のCMが段積みになっていることもよくありました。
同一内容は確かにインパクトがあるのですが、場合によっては視聴者に不快感を感じさせてしまうこともあります。
素材を2パターン用意するなら、内容がガラリと変わっているものの方がそういった不快感をもたれにくいと思います。
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段積みをした場合の費用
段積みでテレビCMを放送した場合、費用はどのように変わってくるのでしょうか?
タイムCMの場合はそもそも枠が30秒なので、その中に15秒のCMを2パターン入れる、という考え方が一般的になります。
スポットCMの場合は15秒尺から放送をすることができるのですが、中に30秒尺のCMを混ぜる、ということができます。
その場合は局によって値段が変わってきますが、15秒CMの値段の2倍よりも少し割増料金になることが多いです。
こちらは局ごとに料金設定が変わってくる部分になりますので広告代理店を通じて放送予定の局に確認した方が良い部分です。
2パターンCMを作る場合の制作費用
では段積み放送をする前提でテレビCMを2パターン作る場合、制作費用はどれくらいかかるのでしょうか?
これはどのような内容でパターンを作るかによって大きく変わってくる部分でもあります。
例えば新規に撮影をしなくて良いテレビCMの場合、スチール画像やチラシデータのご用意をいただき、それにナレーションをつけるような形でCMを制作することも可能です。
この場合は1本あたり20万円前後で制作をすることができます。
ナレーションだけを変えたり、少しだけ差異のある2パターンCMを作るのであれば2本で倍額はかかりません。
ただスチール画像の内容が大きく変わったり、編集の内容が変わる場合は2本分の値段がかかってしまうこともあります。
新規で撮影が必要な場合は、最低でも100万円ほどは撮影費用がかかってきます。
撮影をするにあたってスタッフが必要になりますので、これは最低限かかってくる費用だと思っていただければと思います。
CMの撮影はだいたい1日で終わることが多く、その素材を組み合わせてCMを作っていくような形になりますので、
2パターン作る場合でも倍額費用がかかってくる、ということはあまりありません。
ただ先ほどご紹介したような、実写バージョンとイラストバージョンを制作する、というような場合はそれぞれ制作手法が変わるので全く別の作り方をすることになり、費用がそれぞれかかってきます。
どのような内容を作りたいかによっても制作費用が変わりますので、広告代理店と相談しつつ決めていくと良いと思います。