女性の社会進出が進み、さまざまなライフスタイルが生まれ、働き方・生き方の多様性がますます広がっています。
女性をターゲットとするマーケティングを行う時に知っておきたいのがDINKs(ディンクス)とDEWKs(デュークス)という言葉です。
似た言葉であるDINKsとDEWKsですが、どちらに属する女性かで消費傾向が大きく変わるとされています。
今回はこのDINKsとDEWKsについて解説するとともに、
女性ターゲットの商品やサービスをどのように売り出すか、ということを考えていきたいと思います。
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DINKsは子供を持たない共働き夫婦/DEWKsは共働きをしながら子育てをしている夫婦
DINKs(ディンクス)とは「Double Income(共働き) No Kids(子供を持たない)」という言葉の略で、
意図的に子供を作らない、持たないと決めた夫婦、またはその生活観のことを指します。
選択的子なしと呼ばれることもあります。
「意図的に子供を持たない」というのがDINKsなので、
結婚して間もない夫婦や、子供が欲しいと思っているけれど未だ子供がいない夫婦はDINKsには含まれません。
そしてこれに対してDEWKs(デュークス)は「Double Employed With Kids」の略で、子供を持つ共働き夫婦、という言葉になります。
DINKs、つまり子供の意図的に作らない夫婦には
- 子供が好きではない
- 仕事に身を投じたい
- 経済的に子供を持つのは不安
- 生活スタイルを変えるのが嫌だ
- 時間的に余裕がない
- 自分の親子関係にネガティブイメージがある
- 肉体的・精神的に疾患がある
というような理由があります。
子供を一人育てるのに20歳までで2000万円〜3000万円ほどの費用がかかると言われています。
夫婦共働きの家庭にとって、子育てというのは経済的にも時間的にも難しくなってきているのが今の日本でしょう。
DINKs女性か、DEWKs女性かによって、消費傾向にも差が出ると言われています。
子供がいるか・いないかで消費の優先順位が大きく変わる
子供がいるか、いないかで消費の優先順位や何にお金をかけるか、ということが変わる、ということがわかっています。
日経ウーマンで既婚・子あり女性と既婚・子なし女性を対象にした「結婚後に出費が増えた項目は?」というアンケート調査を実施しており、
その結果では以下のような数字が出ていました。
【既婚・子供あり】
1.子供の服飾費…85%
2.子供の保育園代…74%
3.食費…73%
4.水道・光熱費…70%
5.子供の塾や習い事代…63%【既婚・子供なし】
1.食費…59%
(引用:日経ウーマン3月号,2016)
2.水道・光熱費…40%
3.住居費…37%
4.貯蓄&投資額…36%
子供がいる夫婦に関しては、消費の主役が子供になっていることがよくわかります。
自分のためにお金を使うよりも、子供を優先する。
これがDEWKs夫婦の消費傾向の特徴ですね。
関連記事:男性脳と女性脳を考慮したCMの作り方
食費が少しかさみやすいのがDINKs
夫婦共働きの場合、子供がいなければ金銭的余裕が生まれやすいです。
その場合食費や住居に関する消費が活発になり、特に食費はDEWKsに比べるとDINKsの方がかさみやすい傾向にあります。
子供がいると子供中心の食事になるので、
- 子供でも食べられるものがある場所
- 子供が騒いでも大丈夫な場所
- 子供が起きていられる時間帯での食事(あまり遅くはなれない)
でしか外食をすることができません。
ですが子供がいない夫婦に関しては時間や場所、食事メニューに制限がありませんので、食費にかけるお金も多くなりやすい、ということですね。
つまり食品関連やプチ贅沢を謳う商品なんかはDINKsをメインターゲットとして広告を打ってみるのも良いかと思います。
美容や健康もDINKsが狙い目
DINKsがお金をかけるジャンルとして、食費以外に
- 美容
- 健康
などの自己投資ジャンルもあります。
- 美容家電
- 大人向けの習い事
- エステ・脱毛などの美容サロン
- ヘルスケア商品
など。
特に最近はコロナの影響もあり、「健康」という言葉が広告業界ではキーワードとされています。
こういった商品やサービスの広告を行う時に、あえてDINKsという狭いターゲット層にターゲットを絞り込んでみるのも良いかもしれません。
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ターゲットを絞り込む大切さ
DINKsやDEWKsといった層は、ターゲット層としてはとても狭い層となります。
ですが、広告を打つ時はターゲットを極力絞り込むということがとても大切です。
というのも、世の中には広告が溢れており、
テレビCMもたくさん流れているCMのうちの一つとして放送されますので、
視聴者からみると「多く流れているうちの一つ」にしかならないんですね。
ほとんどのCMが視聴者の記憶に残らないまま流し見されてしまいます。
そんな中で記憶に残る広告になるためには、やはりターゲットを絞り込んだ印象的なCMである必要があるのです。
テレビCMは特に多くの人に見ていただける広告ですので、つい「たくさんの人に刺さるように」を考えてしまいがちですが、
多くの人に見られる広告だからこそ、狙う層は狭い方が良いのではないかと思います。
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