就活中の学生から聞かれる質問で多いのが、
「自分は番組制作をしたいのだが、そういう学科で勉強もしていないし、撮影もしたことがない。編集ソフトも触ったことがない。それでもできるんでしょうか」というもの。
テレビ、ないしは映像の事を少しでも勉強していなければテレビ業界に就職する事が出来ないと思っている就活生が多いのです。
では、実際テレビ業界の経験無し・映像編集経験無しでもテレビ業界に就職出来るのでしょうか?
テレビ制作業界は経験がなくても就職できる
答えはもちろん、
できます!
自分自身、就職活動をし始めて、テレビ制作に興味を持って入ったくちです。
テレビ局の局員も、映像やメディアについて学んできた人は実は少数派です。
今まで出会ったディレクターやプロデューサーたちもほとんどが経済や法学や語学、文学、歴史などテレビとは関係のない大学の卒業です。
撮影も編集も機材やソフトが進化していて、軽量化かつ、扱いやすくなっています。
触っていけば使い慣れていくものです。
そのため、テレビ業界に就職する時点においては映像に関する技術がなくても就職後に身につける事が出来るのです。
では、どんなスキルが必要なんだろうか、と日々考えています。
昨年までは、
「コミュニケーション力」
と言っていたのですが、はた、と「コミュニケーション」ってなんだ?と思ってしまいました。
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テレビ制作への就職で必要なコミュニケーション能力
コミュニケーション能力とは
一言でいうと双方向の会話であり、どんな世代の人、どんな立場の人とも、会話のやりとりができる能力だと認識していました。
面接に訪れる学生たちも、そこは心得たもので、長所はなにか尋ねると、
「自分はコミュニケーション能力にたけていて・・・」
とそのあとエピソードが続いたりします。しかし、本当にコミュニケーション能力にたけている人というのは、大学生レベルではなかなかいないものです。
大学では、自分と世代が同じであり、学んでいることや関心事も似ている集団です。
自分で気の合う集団を形成したり、関わったりしており、自分とは遠い集団は敬遠することもできるのです。
大学までの集団というのは、自分で選んでできているので、どこかしら共通点があるので、会話もスムーズなのです。
なので
- 会話も弾む
- 自分は友人知人も多い
- 話題が多い
と思っており、
コミュニケーションは得意だと感じるのでしょう。
しかし、仕事の集団は、自分で形成することができません。
今まで敬遠してきた人たちも中にはいます。
年代もいろいろ。
住んでいる場所も、
生まれ育った環境も、
趣味も、興味関心も
自分とは接点がないことが多いのです。
共通項がない集団のなかで、
今までのやり方でコミュニケーションを図ろうとしてもうまくいかないことは当然起こるでしょう。
また、そもそも自分から集団に踏み込むことが得意じゃない人も多くいます。
そこで失敗してしまうと、なんだかうまくいかないと感じてしまうようです。
小さな違和感は、毎日積み重なっていって、大きなストレスになってしまうようです。
では、そもそもコミュニケーション能力はそれほど高くない学生を、どうしたら、周りの人とコミュニケーションがとれるようになるんだろうか、と考えるようになりました。
着目したのは、周囲と自分との接点は「仕事」だということです。
テレビの仕事は、
情報を集め、社会に合うように編集し、正しく分かりやすく楽しく伝えるもの
だと思います。
話がそれますが、今、映像制作の場所は増えています。
テレビだけではなくて、ネットでもチャンネルが増えています。
というと、電波か通信かということもありますが、
テレビから発信される情報は「正しい」そして「わかりやすい」ことが必要です。
テレビはそこから発信された映像について責任があります。
間違っていたり、紛らわしい演出や難しい表現が入っていると、視聴者が誤解するかもしれません。
正しいことであっても捻じ曲げられて受け取られる可能性があります。
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それは起こってはならないことです。「正しく」「わかりやすい」というのは、簡単そうで、たいへん、難しい。
情報を集めること、それを正しく、わかりやすく伝えること。
それがきちんとできれば、つまり
情報収集のやり方や、
正しく読み取る方法や、
伝え方の抑えどころを知っていれば、
周囲とのコミュニケーションの糸口が分かるんじゃないか、と思ったのです。
そういうことを指導するのはどうしたらいいか、というのが課題となってきました。
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