今回は家庭教師や個別指導のCMについて、最近はZoom等によるオンライン家庭教師も増えてきているので、
様々の形態を視野にいれつつ効果的なCMのやり方はどうなのか考えてみたいと思います。
最近の家庭教師事情
かつて家庭教師と塾のすみわけとしては、塾は誰でも行く一般的な場所なのに対し、家庭教師はどちらかというと勉強に不安がある人が個別で利用するというイメージがありました。
それほど不安が無い場合は基本的に集団塾の方が金額的にも安価になるので、使いやすいということもあり、集団塾に通う子供の方が圧倒的に多数でした。
ところが最近学校外教育の中で集団塾のシェアが落ちていていることがわかっています。
今から約20年前、集団塾と家庭教師または個別指導の割合は、集団塾が約70%、個別が約30%というシェアを占めていました。
ところが最近は集団塾が約60%程度、家庭教師または個別指導が約40%になってきており、この変化は更に進むのではないかと思われます。
また、学校外教育のマーケットは約9000億以上とも言われていますが、そのうち約半分は家庭教師や個別指導が占めており、売り上げ的にも個別型が大きいことがわかります。
学校外教育の分野は子供の減少で危ぶまれた業界の一つだったのですが、大手学習塾の売り上げを見る限り売り上げは伸び続けています。
家庭教師や個別指導が伸びている理由としては
- 少子化の一方一人にかける教育費は増えている傾向がある
- 学校教育をはじめとして集団で同じように教えることの弊害が言われている
- その結果オーダーメイド式の組み立てをする家庭教師型の個別指導が人気がある
- オンライン教育の導入が可能になり、オーダーメイドによる家庭教師型の勉強が取り入れやすくなった
- オンライン教育により行かなくてももよい、時間を自分の自由に選べる利便性が高い
- オンラインにより予備校などが無い地方からの需要が高い
オンラインの利用については集団塾の講義も家庭教師型も同様に使えますが、家で受けられることで個別のカリキュラムをオーダーメイドする傾向が増えたのは確実でしょう。
オンライン授業により家庭教師や個別指導は伸びているということです。
さらに新型コロナウィルスの影響で、リモートが一般化しつつあり、オンラインを使った教育、中でもオンライン家庭教師は更に増えていくと思われます。
実際、2020年4月以降一時期オンライン塾は約5倍にも需要が膨らんだといいます。
他分野への拡大、大人需要の増加
最近では大手学習塾をはじめとして、子供の学校外教育以外の他分野教育への進出も目立ちます。なかでも
- プログラミング教室
- 英語の他、他言語のレッスン
- 大人向けのカルチャー授業
など。
プログラミング教育については当初IT系の企業が中心でしたが、必要性が親世代に共有されるようになるとともに、大手学習塾でもプログラミング授業を取り入れはじめそれが子供に限らず大人にまで需要を広げているようです。
またある企業が大学受験用のオンライン家庭教師を設けたところ、意外に大人の申し込みが多く、大人の学びなおし需要も大きいことがわかっています。
あるコースでは1/4が社会人受講生だったという調べもあります。
オンラインで個別に家庭教師をつけることができるようになって、
これまでより学ぶことへのハードルが低くなったこと、全国津々浦々需要が広がったので今後もやり方次第で家庭教師は伸びていくと思われます。
大人向けのカルチャー系授業もこれまでは現地に足を運んで学ぶ方式でしたが、オンライン形式の伸びで、家にいて様々な授業を受けられるようになっていますが、
これについてはまだまだ知らない人も多く、認知してもらう余地がかなりあるともいえます。
現在はほとんどの世代がインターネットに精通してきたので、今後家庭教師は、子供に限らず、大人も学べますし、学校の勉強以外の社会勉強の分野もさらに広がりを見せるはずです。
地方がねらい目・家庭教師の効果的なCM方法について
では今後家庭教師のCMを効果的に投下していくにはどのようにしていけば良いのでしょうか。
予備校や塾が少ない地方において家庭教師の需要が高まっていることからわかるように、
オンラインでもできる家庭教師は、従来の家庭教師に比べて値段的に安く、どこにいても個別に受けられるという気軽さが魅力です。
全国でCMを行うことはもちろん効果的ですが、オンラインでもできる家庭教師の場合は都心部より逆に地方が有効であるともいえます。
人口的には都市部の方が多いので、多くの顧客を取り込める可能性がありますが、塾や予備校が無い地方ではオンライン家庭教師等は地方だからこそ需要が見込めますので、いきなり全国や都市部でCMを投下するよりも、地方局数局でCMを投下してみて効果を見るのもよいでしょう。
かつて学習塾のCMと言えば全国チェーン展開している塾の本部がCMをするというケースが多く、
そうではない場合は、基本的に塾に通える範囲に対するCMというのが原則でした。
もし直に通うタイプの家庭教師であればその地域に限定したCMになりますが、
インターネットを利用した家庭教師であれば全国のどこからでもCMできます。
最初のおすすめ場所としては比較的勉強に対する意識が強い地域、たとえば
- 長野
- 福井
- 新潟
などがよいでしょう。
全国的に塾に通う通塾率で見ると、やはり首都圏が高く
- 神奈川
- 東京
- 奈良
- 兵庫
- 和歌山
- 大阪
などが高くなっていますが、
逆に塾が少ない、予備校が少なく、通塾率が低い地域にオンライン家庭教師を広めてみるというのもありです。
現在通塾率が低いのは
- 岩手
- 秋田
- 青森
- 山形
と、東北が全体に低くなっていますが、
これらの地域が意外にねらい目と言えるでしょう。
またCMを制作するにあたってですが、視聴者はこの「誰に向けてのCMなのか」ということを短い15秒(または30秒)のなかで見極めようとします。
大学受験用の家庭教師なのか小学生向け、中学生向けあるいは社会人向けなのか、映像や言葉でわかること。
また目的がはっきりしていることも重要です。
- 学力を向上したいのか
- 楽しく学びたいのか
- 大学に入りたいのか
- プログラミングを習得したいのか
- 言語を学びたい人向けなのか
などは、CM一つですべてをまかなうのは基本的に難しいので、もしターゲットが複数ある場合は、ターゲットに向けて複数の素材を制作するのがベストでしょう。
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