たびたび話題になるNHKの受信料ですが、
なんで他のテレビ番組は無料で見られるのに、NHKだけ受信料を払わなきゃいけないんだろう?
と疑問に思割れる方も多いと思います。
チャンネルを回せばNHKもその他の民放番組も同じように見られるのに、NHKだけ受信料が必要な理由を今回は解説してみたいと思います。
NHKと民放の違い
具体的にNHKと民放がどのように違うのか、ということを見ていきましょう。
運営が違う
まず大きく違うのは運営元です。
民放は民間企業が運営しているので民間放送という呼ばれ方をしています。
それに対してNHKは政府から独立した公共放送。
運営をしているのは日本放送協会で、これの頭文字をとってNHKと呼ばれています。
よく国営放送と間違われますが、一応公共放送を名乗っており、国営放送は正しくないとされています。
国の激しい統制を受けて放送をしているのではなく、あくまで国民にとって公平・公正である放送を心がけているのが公共放送です。
放送エリアが違う
民間のテレビ放送が、それぞれのローカルエリアで放送を行っているのに対して、
NHKはNHKという一つの組織だけで全国放送を行なっています。
民放でも全国放送枠はありますが、これは一つのテレビ局が行っているのではなく、
それぞれのローカルなテレビ局が協力して放送されているものです。
ほとんどはキー局や準キー局で製作された番組を、地方局が購入して放送しています。
財源が違う
民放のテレビ番組は番組を見ているとテレビCMがたくさん流れますね。
これはテレビでCMを放送したいスポンサー企業が、お金を払ってCM放送枠を獲得しているのです。
そのスポンサー料が財源となっているのが民放です。
それに対してNHKは国民が支払う受信料が財源。
なのでNHKでは番組宣伝は流れますが、企業のCMが放送されることはありません。
これがNHKに受信料を払う理由です。
関連記事:テレビ番組のスポンサー料ってどれくらい?どんな仕組みなの?
NHKの良いところ
NHKには安定した財源がある、というところが一番の強みだと思います。
それによって、メリットもたくさんあります。
公平公正な番組作りができる
通常の民放だと、どうしてもスポンサー料を企業さまからいただいて番組作りをするので、スポンサーに喜んでもらえるような番組作りをしていく必要があります。
具体的に言えば、やはり視聴率の高い番組を作る、ということが最大のミッションなのです。
ですがNHKの場合は受信料という自立した財源があります。
そのため、視聴率やスポンサーのことを考えずに番組制作を追求することができます。
受信料制度があるからこそ、NHKは視聴率や特定の勢力の影響にとらわれることなく、視聴者の要望にこたえることを唯一の指針とした番組作りができるのです。
NHK受信料の窓口より引用
とはいえ、視聴率をとるということは「人気の高い番組を作る」ということなので、これもまたこれで大切なことだと私は思っています。
出資している企業のために、より良い番組を制作する。
とても理にかなっていると思います。
こうして改めて考えてみると、民放と公共放送のどちらもある、という今の日本の放送形態は、バランスが良いとも言えるのではないでしょうか。
壮大な番組作りができる
民放の場合はどうしても先の予算の見通しがつきにくいというデメリットがあります。
今CMを出稿してくれている企業が半永久的にずっと出稿し続けてくれるとは限りません。
民放企業は半年に一回大きな番組の改編時期があります。
番組がなくなってしまうことも多いですね。
それに対してNHKは数年単位のプロジェクトも多いです。
財源の見通しがつきやすいからこそ、何年も密着したり、ロケをしたり、ということができるので、壮大な番組作りをしやすいというメリットがあるのです。
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支払った受信料は何に使われている?
支払った受信料は番組制作費としても使われていますが、
NHKのホームページを見ると下記のような記載があります。
例えば、次代を担うこどもたちの教育のための学校放送、人々の心や暮らしを豊かにする質の高い番組、障害のある方や高齢者の方に向けたきめ細かな放送サービスなど、視聴率や採算に縛られない放送を実施しています。また、大規模地震や台風など緊急時をはじめとした信頼性の高いニュースや、海外にいるときも24時間情報を確保できる「NHKワールド」など、みなさまの生活を支える放送を日夜出しつづけています。全国どこでも“きれいな映り”を実現するため、送信所の建設や維持管理など、良好な受信環境の維持にも努めています。
受信料は、NHKが事業を行っていくため、テレビをお持ちの皆さまに公平にご負担いただく、公的負担金なのです。
NHK受信料の窓口より引用
私も海外にいるときに日本の番組が恋しくなるとNHKワールドをよく点けています笑
ネット番組は海外からはアクセスできないものが多いですが、NHKワールドはすぐに見ることができますし、外国人向けに日本を紹介するような番組も多く面白いです。
「安全だ」「NHKなら信頼できる」というブランドを守り続けていくためにも、受信料を支払うということが大切なわけですね。
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