CM・広告の仕組み PR

オリンピック中のCM放送ってどうなの?

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

東京オリンピック・パラリンピックの開催が迫っていますが、オリンピック期間中にテレビCMを放送するというのは実際効果的にどうなのでしょうか?

どのような目的でテレビCMをするかにもよるのですが、商品やサービスをPRするためのCMの場合はオリンピック期間中の放送だとあまり効果がないように思います。

今回は広告代理店の目線でオリンピック期間中のテレビCMの放送についてお話ししてみたいと思います。

オリンピック期間中は視聴率が読めない

オリンピック期間中は視聴率がどのような数字になるかというのがなかなか読めないというのが難しいところです。

一般的ににテレビCMを放送する目的として商品やサービスのPRというのがあると思いますが、通常時に比べて視聴率が読みきれないので、こういった目的のためにテレビCMをするのはあまりお勧めできません。

というのも、オリンピック期間中でも通常通り放送している番組の中でテレビCMを放送した場合、同エリア・同時間帯で他局でオリンピックの生中継をしているというような場合は、そちらに視聴率が集まってしまう傾向があります。

テレビCMの放送を決める段階ではどの局が生放送することができるかということが決まっていない場合も多く、裏番組の様子も探ることができなかったりする場合があるんですね。

特に日本代表が出場する試合の生放送をしている場合はそちらに視聴率が集まってしまいます。

そのため商品やサービスのPRのためにテレビCMをするのであれば、オリンピック期間中は外した方が良いのではないかと思います。

これはテレビ局の方もおっしゃっていたお話です。

テレビCMを放送する場合、通常であればできるだけ視聴率が高いところでCMを放送したいと考えるものですよね。

だからこそオリンピック期間中にCMをするのはリスクが高いということなのです。

オリンピックの試合の生放送があるのであれば、その生放送番組の中でCMを放送したいと考える企業の方もいらっしゃるかと思いますが、その場合は出稿金額がかなり高くなってしまったり、すでにオリンピック関連の企業として協賛に入っている企業だったりすることもありますので、新規参入が難しい枠でもあります。

関連記事:テレビCMの費用は全国放送の場合どれくらいかかる?

オリンピック期間中は番組放送時間が読めない

スポーツ中継などをよく見られる方はご存じだと思いますが、生放送で中継を行っていると番組の予定を変更して放送されるということが多々あります。

テレビ局側の都合で番組の放送予定が変更になり、それに伴ってCMの放送にも変更があった場合でも、基本的に返金対応などはありません。

これは災害時でも同じで、緊急速報などが入って、予定とは違う内容の放送になった場合でも原則返金対応はしない、ということになっています。

広告代理店側からもCMを出稿される企業様には必ずお伝えしている部分です。

特に災害時は放送枠自体はあったとしてもその放送枠でテレビCMを放送してしまうのが逆にネガティブキャンペーンになってしまうということでAC(公共広告機構)に差し替える、ということが多くあります。

東日本大震災の時はそのパターンが多く、通常のCM枠がほぼ全てACになるという事象がありました。

さすがに東日本大震災の規模の時は、あまりにも規模が大きかったこともあり、CM出稿料金の返金について企業ごとに協議が行われました。

関連記事:テレビCMを出稿するときに知っておきたい業界ルール

オリンピックバージョンのCM制作をする企業も

商品やサービスのPRのためのCMではなく、企業のブランド力を高めるためにオリンピック期間中にCMを放送するという企業もあります。

こういったCM目的の場合はオリンピック期間中にCMを放送するのはとても効果的で良いと思います。

「〇〇<企業名>はオリンピックを応援しています」というような文言をCMの中に入れることによって、企業のイメージをアップさせることができるでしょう。

オリンピックバージョンのCMを改めて制作しなくてはいけなくなりますので費用はかかってしまいますが、オリンピックに向けても取り組みのある企業だということをアピールすることができます。

ただ残念なことに2021年の東京オリンピックに関しては、そもそも開催自体に賛否両論があり、オリンピック開催に対して否定的な意見も多いため、オリンピックを応援していますというCMを放送すること自体がネガティブキャンペーンになってしまう可能性があり、特に2021年はオリンピック関連のCMが少なくなってしまっているのが現状です。

2020年にオリンピックを開催する予定でしたが、それに向けたCMは結構あったんですけどね。

社会情勢も鑑みながら広告を打っていかなくてはいけないところがあると思います。

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長倉 さやか
ライズプランニング(広告部)」の長倉です。広告手段としてのテレビの使い方やテレビメディアの楽しさを多くの人に知ってもらえるように執筆しております。

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