弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
今回はロケ地として公園を使用したい場合、撮影許可をどのように取ればいいのか、ということについて解説してみたいと思います。
公共の施設だからといって、撮影にいつでも使って良いというわけではありません!
許可を取らないままに撮影をしていると注意を受け、最悪の場合、今後その場所で撮影ができなくなることもあります。
たとえ規模としては小さな撮影だったとしても、商用利用する場合は原則として申請が必要になりますので、必ず許可取りをするようにしましょう。
公園の管理者を検索し、申請書の提出を行う
今回は例として、井の頭恩賜公園で撮影をする場合のことを考えてみたいと思います。
恩賜公園は「おんしこうえん」と読みます…!私は最初「おんちょうこうえん」と読んでました(恥ずかしい笑)
ネットで「井の頭恩賜公園 撮影」と検索してみると、
2024年5月現在、一番上に「東京都建設局」の「井の頭恩賜公園での撮影について」というページが表示されます。
管理者を探してみると、東京都西部公園緑地事務所管理課となっています。
ページには撮影許可の手続き方法が記載されています。
撮影の条件についても以下のような記載があります。
公園内における記念撮影や風景写真を撮影する場合は、申請は不要です。撮影目的が営利・非営利に関わらず、次の二つの要件を満たす場合は占用許可が必要です。
公園本来の目的以外の使用
撮影の被写体になるモデル等公園の排他的・独占的使用
撮影用小道具・機材(簡易な三脚等は該当しません)
例えば、レフ版や撮影用機材を持ち込んでモデル撮影会を行うとき、テレビや映画等の撮影で、公園の一定の場所を一定の時間、排他的、独占的に使用するときは、西部公園緑地事務所管理課(以下「管理課」へ申請し、占用許可を受けてください。井の頭恩賜公園ではカメラマン、モデル、スタッフ等合計20人以上の撮影はできません。
【ご注意】 井の頭恩賜公園では、桜花期(3月中旬~4月中旬)については、報道取材等を除き、原則として撮影許可を行っていません。
詳しい条件についてもPDFがダウンロードできるようになっています。
これらの条件を確認した上で、申請書類に必要事項を記入し、撮影の一週間前までには提出するよう記載されていますね。
また、FAXかメールでの送付となっていますが、その上で必ず電話をするように記載されています。
井の頭恩賜公園の場合はFAXかメールの送付だけでは許可が取れないと記載がありますので、電話を必ずしなければなりません。
撮影料金の支払い
PDFに記載がありましたが、撮影を行うためには撮影料金がかかります。
【占用料(1時間あたりの額)】
「井の頭恩賜公園での撮影等について」より
写真撮影・ラジオの録音
30 ㎡以下 100 円
30 ㎡を超えて 100 ㎡以下 400 円
100 ㎡を超えるもの 800 円
映画・テレビ・ビデオ
1500 ㎡以下 6,400 円
1500 ㎡を超えて 3000 ㎡以下 12,800 円
3000 ㎡を超えるもの 19,200 円
料金の支払いを行う時に公園占用許可申請書に記入をし、
これが受理されれば申請は完了となります。
このあとはルールを守って撮影をします。
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その他の場所で撮影をする場合
公園に関しては東京都や市などが管理していることが多く、
比較的管理者が見つけやすくて、撮影の申請もしやすいです。
そういったところで撮影をする人は多いですしね。
ですが、公園以外の場所では、
- 場所の管理をしているのがどこなのか分からない
- 撮影をするのに複数の団体に許可をもらう必要がある
- 撮影に使いたい場所のイメージはあるけど、具体的にどこがいいか決まってない
といったことがあります。
そういった時に映像制作スタッフが利用するのはフィルムコミッションと呼ばれるところです。
フィルムコミッションとは、映画やテレビドラマ、CMなどのロケーションを誘致し、撮影あスムーズに進行するようサポートする非営利団体のこと。多くは自治体が中心となって組織化している。ロケーションされた映画やドラマを通じて、地域の知名度や地域愛着度を向上させ、観光客の増加に繋げようとするもの。直接的・間接的な経済効果が見込め、地域活性化策の一つとして注目されている。
金銭の収受を伴うことなく無償で制作支援を行うこと、窓口を一本化しロケーション情報の提供や、公的施設などを利用する際の許認可調整を行うこと、作品内容を問わないことの三つが要諦。近年は人気ドラマのロケ地を訪れる訪日外国人旅行者も多い。
株式会社JTB総合研究所 観光用語集より
報道や情報番組でこういったサービスを利用することは少ないかもしれませんが、
こういうものも利用できるんだ、ということを知っておくだけで、いつか何かの役に立つかもしれませんね。