冷凍食品のCMについ現状と効果的なCMはどんなものがあるのかについて書いてみたいと思います。
冷凍食品のターゲット層など
最近冷凍食品の品質や味がよくなったという声はよく聞かれるところですがコロナ禍においてさらに需要は伸びているようです。
まず冷凍食品のターゲット層についてですが、若い年代ほど利用する頻度が高く、最も多いのは25歳~34才という世代で一週間に2回強の利用と言われます。
次は35才~44才で一週間に2回弱のように
年齢が上がるほど利用回数は減っていき、65才以上になると週に1回程度といわれます。
また年齢を問わずお弁当を作っている人については冷凍食品の利用度が高く、週に3回程度の利用。
これを男女で見ると、男性でお弁当を作る人の方が同じく女性でお弁当を作る人よりも冷凍食品を頻繁に利用しているようです。
また月に一度あるいは全く冷凍食品を使わないという人は約4割弱もいることから、まだまだ売り方次第で利用する層を伸ばす可能性がある分野であることもわかります。
では冷凍食品を購入する際は何をみているのかというと、
- 賞味期限
- 原材料・原産国
- メーカー名
- 値段
- 量
のようになっており、中でも原材料、原産国については国産品なのか輸入品なのかを気にする人が多く、たとえ大手メーカーの冷凍食品であっても自身で確認してから購入する人が多くなっています。
また名もないメーカーより大手のメーカーの方が安心という人が多い一方で、前述の原産国を気にすることからわかるように、何が入っているのか、保存料は使われているのかなどより厳しい目で消費者が見ているようです。
生の野菜や果物と異なり、冷凍技術を始め味付けなど、冷凍食品は必ず加工が加えられているため、安心な食品かどうかがやはり気になるところの様です。
これは逆に考えれば、安全でおいしければ大手メーカーかそうでないかは実はあまり関係ないとも考えらるのでやり方次第でどちらにも可能性があるように思います。
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冷凍食品を購入する場所や用途について
新型コロナウィルスの影響で在宅生活が増えたことは冷凍食品の需要が増える要因にもなっていったようです。家庭で食事する機会が多くなるほど手軽な冷凍食品の需要が増えるのは当然のことでしょう。
その購入場所については最も多いのはスーパーマーケットで約90%。
2番目に多いのは生協での購入で約10%となっています。
最近の大きな傾向としてはネットでの購入が必ず上位を占めてくるのですが、
こと冷凍食品については約9割がスーパーで購入という数字はかなり特徴的だと言えると思います。
これは冷凍食品をネットで購入すると受け取りが面倒、家にいなければならないという手間がハードルになっているのではないかと思われ、
よほど大量に購入する場合、どうしても購入したい、あるいは贈答品として送る場合などを除き、手っ取り早いスーパーあるいは生協で購入となってしまうわけです。
また、冷凍食品購入の際は「割引で買う」「安売りで買う」と答えた人が約7割もいることからスーパーの冷凍食品の割引セールはかなり効果があるということもわかります。
さて、冷凍食品を購入する人はそれをどうやって利用するのかについてですが、これについては
夕食に使う人が約半数、昼食に使う人も同じく約半数程度、お弁当が約25%、朝食に使うという人は少なく約8%となっています。
そして実際に人気の商品としては
- 唐揚げ
- 餃子
- 冷凍野菜
- うどん
- チャーハン
などになっています。
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冷凍食品を買う理由と買わない理由について
では冷凍食品をなぜ買うのかあるいは買わない人はなぜ買わないのかについて、まず買う理由としては
- 簡単
- 買い置きができる
- お弁当に使える
- 一品足りないときに便利
- 付け合わせが欲しい時に使える
- メインで食べる
- おいしいから
- 使いたい分だけ使える
など。一方で買わない理由としては
- 味が落ちる
- 高くつく
- 罪悪感
- 添加物・保存料が心配
- 味が濃い、塩分が多い
- 油っぽい
など。さらにどんな冷凍食品を買いたいかという希望については
- 専門店の味のようなもの
- 糖質オフのもの
- 塩分少な目
- カロリー控えめ
- 安全なもの
となっており安全性や健康を意識した回答になっています。
冷凍食品の味については若い人ほどおいしいと感じている傾向があり、高齢になると味よりも買い置きできるという利便性から買っている傾向もあるようです。
高齢者ほどストックが多いことがそれを物語っています。
体調など様々な理由でフットワークが重くなる高齢者にとっては、買い置きができることは便利だということでしょう。
男女で見ると女性の方が若干ストックが多く平均約5パック。男性は4パックとなっています。
また、罪悪感を感じるのも高齢者ほど多く、世代による感じ方の違いもあります。
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これからの冷凍食品のCM戦略として
これらを踏まえて冷凍食品のCM戦略としてはどのようなやり方があるのかですが、
考えられるポイントとしては
- 安全性・原産国を強調したCMにする
- 朝食用として冷凍食品を推してみる
- 油控えめ、塩分控えめ、糖質オフなどの健康面を強調する
- ネットで買いやすくするために24時間保冷パック付き、置き配
など。
現在冷凍食品はおいしさを前面に出したCMが目立っており、これが功を奏した形で25-34才の若い層の利用が多くなっているようですが、ほとんど冷凍食品を利用しない約4割の層に響くためにはより製法や安全性がわかりやすいCMにしていくことも重要だと思われます。
そのためには手軽、早い、さっとできるという現状よく使われる文言から
身体に良いものを食べよう、子供の成長を助ける、高齢者にも安心、国産品使用などの文言を盛り込んでいくのも良いでしょう。
また現在冷凍食品を朝食用に利用している人が約8%とかなり少ない事から、朝食に食べようをキャッチフレーズにしていくのもよいと思います。
そのために予算があれば朝食向けの冷凍食品を新たに開発していくのも良いですし、
今ある冷凍食品を朝食用にアレンジしてCMするのも効果的だと思います。
時間の無い朝食こそ手軽に簡単に且つ安全なものを食べたいという思いを持つ人は多いはずだからです。
たとえばですが、アレンジした冷凍のトーストやハンバーグ入りのおにぎり、具だくさんのスープなどは栄養がある簡単な朝食として魅力的ではないでしょうか。
朝食に冷凍食品を活用する分野はまだまだ開発の余地があると思います。
また全体として利用者が少ない高齢者にとって冷凍食品は味付けの濃さや、塩分、油が気になるところのようですが、一方で多めに買ってストックできる利便性は代えがたい魅力になるはずなので高齢者向けのCMも意識すると良いでしょう。
とはいえ、CMで高齢者向けと銘打つとかならずおいしく見えず、結果として高齢者からも敬遠されることになりかねないため、
塩分控えめ、油控えめ、お子様にも安全、これからの冷凍食品、体に優しいなどプラスのイメージが浮かび買いやすくなる文言をCMで使っていくと良いのではないでしょうか。
さらに現状では少ないネットでの販売を進めるためには、24時間保冷付きで宅配ボックスで受け取り可能など、利便性を強調するCMを打っていく方法もあると思います。
おいしいだけではなく、安全で体にも良いとわかれば冷凍食品はまだまだ伸びる可能性があると思います。
なお冷凍食品のCMを制作する場合は、通常の食品に比べ、解凍のタイミングや解凍方法など若干面倒な部分があるため、必ずフードコーディネーターをいれて撮影していくのがおすすめです。
いずれにしても他社と何かしらの差別化が見えるようなCMを作っていくことが重要だと思います。
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