番組がどれだけ見られているか、という指標に視聴率というものが使われます。
テレビCMの出稿をする企業さまからすると、これはとても重要な指標ですよね。
なるべく視聴率の高いところでCMが放送されれば、それだけ多くの人にテレビCMを見てもらうことができます。
ただ、視聴率というのが一体何を指している数字なのか、普段広告業界に携わることのない企業さまからするとよく分からないと思います。
今回はテレビCMをメインに取り扱う広告代理店ライズアドバートが、「視聴率1%」というのが一体何人を指すのか、ということを解説してみたいと思います。
視聴率1%の意味は放送エリアによって違う
視聴率1%の意味は放送エリアによって異なります。
テレビ番組は全ての番組が日本全国で放送されているわけではなく、関東エリアのみでしか放送されていない番組もあれば、さらに特定の県でしか放送されていない番組もあります。
放送エリアについてはざっくり、
- 広域圏…複数の都道府県にまたがってテレビが放送されるエリア
- 狭域圏…単一の道府県のみにまたがってテレビが放送されるエリア
となっています。
広域圏は以下の通りです。
- 関東広域圏…(関東全域である、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木)
- 近畿広域圏…(大阪、京都、滋賀、兵庫、奈良、和歌山)
- 中京広域圏…(愛知、岐阜、三重)
これ以外の地域は単一の道府県のみに放送される狭域圏となります。
広域圏である関東ローカル(関東エリアのみに放送される)は、関東に住んでいるテレビを持っている人が約4050万人で、
このエリアでの視聴率1%は40.5万人という計算になります。
それに対して全国放送の場合は、日本全国のテレビを見ることができる人(視聴可能人口)が1億1850万人ですので、視聴率1%は118.5万人ということになります。
このように、分母をどこでとるかによって「視聴率1%」の意味は変わってきます。
どうにも「視聴率20%」と「視聴率5%」が並んでいると視聴率20%の方が良い印象になると思いますが、
場合によっては視聴率5%の方が多くの人に見られていることがある、ということです。
視聴率が表しているのはあくまで割合になりますので、注意が必要です。
視聴率が低くても効果の高いテレビ局
視聴率が低いので、どうしても効果も薄いのではないか、と考えられがちなテレビ局があります。
それがBSやCSといった衛星放送。
それからTOKYO MXなどの独立局です。
BSやCSといった衛星放送はその名の通り衛星を使った放送になるので、
地上波とは違って放送エリアの概念がなく、全て全国放送となります。
衛星放送が見られる環境のある方のみになりますが、それでも全国放送。分母は大きいのです。
また、広域圏の中の限定的な地域でのみテレビCMを放送したいと思ったときに使えるのが独立局です。
例えばTOKYO MXであれば、関東エリア全域ではなく東京のみにCMを放送したい、といった時に利用されることが多く、
関東エリアよりも放送域が狭まりますのでかなり金額的には安くなります。
ですが実際には放送域は関東エリアの約8割をカバーしており、視聴可能人口も多いんですよね。
こういったテレビ局は、他のテレビ局に比べるととてもコスパが良い良いに思います。
もちろんテレビCMを放送する目的やターゲット層にもよりますが、そこが合致するのであればぜひ使ってみていただきたいテレビ局です。
視聴率には世帯視聴率と個人視聴率がある
視聴率の考え方には、
- 世帯視聴率
- 個人視聴率
の2つの考え方があります。
例えば、次の10世帯を見てみましょう。(人の下に書いてあるのは年齢です)
赤く光っている人がテレビを見ていたとします。
この場合、10世帯中4世帯でテレビがついているので、世帯視聴率では40%という数字が出ます。
それに対して個人視聴率は個人がテレビを見ている・見ていないで判断するので、全体を20人とし、そのうちの4人がテレビを見ていることになります。
すると個人視聴率では20%という数字が出てくるんですね。
今まではテレビは一家に一台で、家族揃って同じチャンネルを見る、というのが一般的でした。
家族内でチャンネル戦争が起こる、なんていうこともありました笑
ですが、スマホやタブレットなどでもテレビを見られるようになった今、家族がそれぞれの居場所で別の番組を見るという状況が多くなり、
最近は世帯視聴率ではなく個人視聴率が測られるようになってきています。
視聴率のことを考える時は、こういった視聴率のカウントの仕方も知っておくと良いでしょう。
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