弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
主に情報・報道番組の制作に携わっています。
今回は、テレビ番組制作現場で考えられているショットサイズについて、事例を用いて解説してみたいと思います。
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ショットサイズとは
ショットサイズとは、撮影において、カメラと被写体(人物や風景など)をどの距離感で映すかということを表すものです。
例えば下図のようなショットサイズは、フルショットと言われます。
人物の頭からつま先まで、全てが映っている状態で、どんな姿勢なのか、どんな服装なのか、といったことが分かりやすいですよね。
それに対して、下図のようなショットサイズは、バストショットと言われます。
こちらのバストショットの場合は、表情の変化が分かりやすいショットとなります。
このように、人物を撮影する時も、どのようなサイズ感でカメラに納めるかということで、映像の見え方が変わってきます。
状況に合わせたショットサイズで撮影を行っていかなくてはいけません。
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それでは、各ショットサイズについて、事例を交えながら紹介していきましょう。
ファッションなどを見せるならフルショット
まずはフルショットから。
フルショットは全身が映りますので、どのような服装をしているのか、ということが分かりやすく、情報番組のファッションコーナーなどでよく見るショットサイズです。
あとは、ダイエット関連のビフォーアフターなんかでもよく見るショットサイズですね。
さらに、姿勢を見せるにも効果的なショットになります。
情報番組には通販コーナーもありますが、姿勢の矯正グッズなどの紹介ではフルショットを見るかもしれません。
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ロケオープニングでよく見るニーショット
ニーショットは膝下あたりのサイズ感で切るショットです。
ニーショットの「ニー」は膝、という意味ですね。
別名ミディアムロングショットとも言います。
基本的に人物をフレーミングする時は関節で画面を切ることはしません。
動きが曖昧になりますし、試しにやってみると気持ち悪いな、と感じると思います。
なのでニーショットで撮る時は膝下あたりで切ります。
このニーショットは、ロケのオープニングで複数の出演者がいるような時によく見るショットサイズだと思います。
複数の出演者がいる場合はある程度引きの画じゃないとおさまらないですし、広く画角をとることが多いですね。
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2〜3人の絡みを見せられるウエストショット
ウエストショットはそのまま、ウエストから上を映すようなショットサイズです。
このサイズだと2〜3人を映すのにちょうどよく、
特にコンビやトリオのお笑い芸人さんではこういったショットサイズで映されることが多いのではないかなと思います。
こちらも2〜3人でロケに行く時のオープニングなんかではよく使われるショットサイズですね。
インタビューでよく見かけるバストショット
バストショットは胸から上を全て映したショットサイズです。
このサイズになると表情の変化がよくわかる、というのもあり、インタビュー映像ではこのサイズで撮影することが多いです。
バストショットで複数人を映すのはちょっと難しくなってきますね。かなりぎゅうぎゅうに詰めて貰えば入りますが、基本的には一人の人をクローズアップする時に使われるショットサイズです。
アシスタントディレクターとして働くことになったら、街録(がいろく)と言われる街頭インタビューのロケにもたびたび出かけることになります。
こういったインタビュー撮影の時は、スタッフが足りず、アシスタントディレクターがリポーターをやったり、カメラマンとして入ることもありますので、ぜひショットサイズのことについては知っておいていただければと思います。
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ショットサイズは他ある
実はショットサイズには、今回ご紹介したショットサイズ以外にも色々なものがあります。
被写体からものすごく離れて撮影するエクストリームロングショットというのもあれば、逆に目だけが映るレベルまで人物に近づいたマクロショットと呼ばれるようなショットもあります。
ですが、基本的にこういったショットはドラマや映画などで使われることが多く、情報番組で使われることはあまりないかなという印象です。
上記にまとめたショットサイズは情報番組で使われている王道のショットサイズですので、ぜひこれから情報番組に関わるかもしれない、という方には知っておいていただきたいですね。