好きなタレントや憧れの人に会いたい!というのは、何かのアクションを起こすときの原動力になります。
だから、テレビに出ているタレントさんや役者さんに会うために、テレビのなかの人になればいいんじゃないか?と思うのは自然な考え。
あのアイドルに会いたい!芸人さんに会いたい!がために、アシスタントディレクターになった、という人はたくさんいるんです。
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どうやってアシスタントディレクターになる?
アシスタントディレクターになるには、テレビ局かテレビ番組制作会社に就職しなくてはなりません。
憧れているタレントさんが出演している番組を制作している会社に就職するのが、最短ルートかつ、会える確率が高いです。
就活サイトや転職サイトで「テレビ番組 制作」や「アシスタントディレクター」で検索すると、番組制作の会社にヒットします。
会社概要の欄を見てみると、制作しているテレビ番組がいくつか載っていますから、そこを見てみましょう。
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憧れのタレントと実際に会えるの?
制作会社に入社して、希望の番組に配属されても、すぐにタレントまわりの仕事に割り振られることは、ありません。
まずは、社会人としての振る舞い、例えば、
- 挨拶をする
- 目上の人をたてる
- 敬語をつかって話す
などができるかどうか、そしてADの仕事ができる、担当番組のルールを理解している、撮影に使う専門用語(例えば、右・左、はカミ、シモと言います。カミシモが分からないと逆方向に動かしてしまい、事故になりかねません)がわかる、といったADとしての基本がこなせるまでは、会社の中の仕事か、サブ的な撮影の補助などが主な仕事場となります。
タレントがらみの撮影は番組制作の主戦場で、経験のないADではまだその場所で戦力にはなりませんが、頑張り次第ですが半年程度でチャンスは巡ってきます。
実際に会えたら、どうなる?
仕事場で実際に会えた!としても、何も起こりません。
タレントさんにとっては、自分の役割を確実にこなすことに集中しています。プロの意識が高い人ほど、集中力が高く、目の前のことしか見ていません。
周囲を見回したり観察したり、スタッフと軽口をたたく余裕はほとんどないのです。挨拶を返してくれる、くらいでしょうか。
もし町なかで、有名人にあったら、握手を求めたり、写真を撮らせてほしいと声をかけるかもしれませんね。そして、お友達に写真を見せたり、グループラインに写真をのせたりするかも。
これは仕事場では、絶対にしてはいけない行為です。
もし、ADが握手を求めたり無断で写真を撮ってしまったら、番組プロデューサーがタレント及びマネジャーや所属会社に謝罪するレベルです。
もちろん、撮影したADは番組から遠ざけられるでしょうし、会社の規則に、禁止行為として書かれていれば、罰則を受けることになります。
好きなタレントに会いたいからADになった人のその後…
憧れのタレントさんに、台本や飲み物を手渡すことができた!生で見ることができた!で満足する人もいますし、挨拶に返事すらしてくれなかった。とガッカリする人もいます。
タレントさんに会う目的を達成したら、その後はみんなどうしているのでしょうか。目的達成したからもういいや、と仕事を辞める人はほとんどいません。制作という仕事をしていくうちに、番組作りのおもしろさや達成感、共に働く同僚やディレクターに認められたい、と思うようになっていきます。
普段見ている番組から、その裏側を知ることは全くできません。見た目とのギャップが激しい仕事のひとつです。テレビって、外観が突拍子もない派手な人の内面がものすごい努力家で性格も内向的で人見知り、みたいなもの。
ふだん見ている番組は、放送されるまでに何十人もの人が関わっていて、何日も準備されていることを知り、その一端を自分も担っている、と感じたら責任が芽生えてきます。浮ついた気持ちでいてはだめなんだな、と感じた瞬間から自身も成長していきます。
次の収録では、もっと読みやすいカンペを用意しよう、ドリンクは好みのものにしておこう、など、相手の身にたったアイデアが湧いてきます。相手を思いやる気持ちが成長を促して、もっと番組を面白くしよう、こういうネタが好きなんじゃないか、こんなことをやってもらったら意外かも、と、もっと広い視野でテレビ制作という仕事を見れるようになっていきます。
そもそも、メディアを通じて知ったタレントさんたち。直に見たり、接したりすることで、彼らがいかにプロなのか、を知ることができます。
彼らがプロなのですから、ADさんたちも制作のプロにならなければ、タレントさんたちにとっては、いつまでたってもアシスタントさん。制作のプロになったときに、初めて、タレントさんたちと対等にやりとりができます。
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好きなタレントに会いたい、それを志望動機に書いてもOK?
もし、履歴書の志望動機に「●●さん(好きなタレント名)に会いたいから」と書かれていたら、採用担当者は、そのタレントに会いたいなら、テレビじゃなくてもいいんじゃない?って思います。
テレビ以外にも
- マネジメント会社
- ライブやコンサートスタッフ
- 雑誌出版社
- 広告代理店
- CM制作会社
- ヘアメイクスタッフ
- スタイリスト
など、タレントに関わる仕事はテレビでなくてもたくさんありますから。
あえて、あなたがテレビに目をつけたのは、何かしらきっかけがあるはず。
テレビというメディアで自分がどんな仕事をしたり、どう成長していきたいのか、を書かかれたほうが、選考される方に履歴書を読んでくれると思います。
面接のときに、話の流れで好きなタレントについて話すのはかまいませんが、聞かれない限りは言わない方がいいでしょうね。面接で、タレントの話で盛り上がって採用の手ごたえがあった、と感じても、実は採用担当はあなたの話を聞いて、本心を知ろうとしただけかもしれません。
ベテランのディレクターやプロデューサーだって、好きなタレントや芸人がいますし、そんな人と仕事ができるのはこの業界ならでは。もし仕事でご一緒すれば、テンションもあがるし、気分もよくなります。タレントと仕事ができる、おもしろい番組づくりを共にするっていうのは、モチベーションのひとつなんです。
好きなタレントに会ってみたい!が、この仕事への入り口でもいいのですが、ぜひ、仕事自体の面白さを見出して、ディレクタープロデューサーになってほしいな、と思います。