テレビ業界の裏話 PR

テレビ放送におけるコンプライアンスって何?

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コンプライアンス。毎日、新聞やニュースで聞かれるようになった言葉です。

 

  • 企業や官公庁の顧客情報の漏洩
  • 飲酒運転の隠蔽
  • パワハラ
  • 産地偽造

などコンプライアンスに関わる事件が、

世間を賑わせることも多い昨今、テレビ業界も例外ではありません。

 

そもそもコンプラインアンスとは

 

まずは“コンプライアンス” (compliance)という言葉、

アメリカから日本に入ってきたのは2000年頃と言われていますが、どんな意味なのでしょうか?

 

もともとはcomply(命令に従う)が語源なので(従うこと)が意です。

 

complyは、complete(完全な)と supply(提供する)が合体した言葉で、

つまりcomplianceには“従うことで完全なものを提供する”という意味が含まれているそうです。

 

日本では上記を要約して「法令遵守」の意味ですが、

コンプライアンス=ルールを守る、ということでいいと思います。

 

でもルールにもいろいろあって…

  1.  自分の所属する会社のルール(社内で決められた規則)
  2.  日本で生活する中で守らなければいけないルール(法律)
  3.  道徳的に守らなければいけないルール(倫理)

法律に違反してなくても、人間としての“ルール”も守らなければいけないんですね。

 

なぜこんなにコンプライアンスが注目されるようになったのでしょう。

 

それはどんな大企業でもたった一人の社員のコンプライアンス違反で、信頼が失墜し、倒産に追い込まれることもあるからです。

 

当然テレビ業界もご多分にもれずコンプライアンスが厳しく求められています。

テレビの影響力の大きさ、SNSの広まりも厳しくなった一因だと思います。

関連記事:番組制作の仕事をしたい人必見!テレビ番組の種類とは?

 

テレビ業界のコンプラインアンス

 

業界内の不祥事(やらせ、未成年の飲酒…)も記憶に新しいですが、

番組責任者はもちろんのこと、ADや技術スタッフ、番組に携わった人だれか一人でもルール違反をすると

莫大なお金とたくさんの人が動いている番組がなくなってしまう危険性があるのです。

 

平成生まれの方はご存じないと思いますが、

昭和50年代にある番組が話題を呼びました。

 

若者たちが熱さにひたすら耐える、断食をする、爬虫類にどこまで顔を近づけられるかを競うなど、

今では到底考えられないショッキングな内容のものでした。

 

コンプライアンス的にはおそらくNG、

「過激=おもしろい」ではないのですが…記憶に残るのは確かです。

 

こうした番組は、健康や体に影響を及ぼす、などといった理由から

今では体をはるような番組は、専門家に入ってもらって、どんな影響があるか、どんな事故が起こり得るか検証してもらったり、その対策を講じておく、

もし、こういうことがあれば、こういう対処をする、という

事故やケガの可能性、起こりうることを書きだして、その対応策を練っておき、周知させ

スタッフやエキストラさんに来てもらい、本番さながらのリハーサルをくりかえすなど、念には念をいれて撮影しています。

 

今はコンプライアンス的にブラック&グレーなものは放送できないのがテレビ業界です。

 

そんなにハードな番組でなくても、情報系の番組を制作している弊社でも、かなり注意をしています。

関連記事:テレビ番組制作会社に入るなら、最初は報道か情報番組がいい理由

 

テレビのコンプライアンスへの配慮

 

コンプライアンス的な配慮の事例として、

  • あるお蕎麦屋さん。保健所の営業許可は当然とっているが、厨房とは別の場所にある“そば打ち部屋”の許可をとっていない。
  • 店の看板が敷地内ではなく、公道に置いてある。
  • イメージカットで道路を行きかう自動車を撮影。ナンバープレート(個人情報は映していません)のネジが外れている車が映り込み。

こういった場合は基本的には放送できません。すべて法律に反しているからです。

 

内容によりけりですが…

・取材対象者が過去にトラブルを起こしている。

という場合も難しいです。

 

番組の内容によりけりですし、トラブルの度合いにもよりますが

取材する側は、把握しておくことが求められています。

 

あとで露見して、知らなかったでは済まされなくなっています。

 

・定休日に行っている料理の仕込み。撮影のために、営業後にしてもらった。

これは、例えばバラエティ番組や情報バラエティ番組で、取材者が納得していれば、全くダメとも言えないと思います。

 

ドキュメンタリーでは、普段やっていないことをやってもらうのはNGですね。

 

定休日に撮影に行けばいいのですから。撮影のためにあえてしてもらうのは、避けています。

ただ、何かしらの事情があるなら、その断りをするようになっています。

 

・ドキュメンタリーでナレーションベースに必要な夜の画。

情緒たっぷりな月の画を入れたいが撮影日に月が出ていなかった。では、別の日に撮影した満月を映像にいれておこう。

 

これは…

ドキュメンタリーの場合は、避けるでしょうね。

月でなくともいいのですから。

 

視聴者はこういうことを求めているだろう、とか

次はこういうシーンが順当だろう、と

制作者には思い込みがあったと思うのです。

 

それがルールに反してるなら、そこまでやることはないんじゃないか。

という時代になってきました。

 

テレビはおもしろさや、わかりやすさが求められているメディアでしたから、一目でわかるインパクトが大事だったのです。

今までは面白さ、わかりやすさを求めるあまり、いきすぎた演出があった時代でした。

 

人はそもそも、目の前にいる人のことを考えて行動してしまう生きものだと思うのです。

目の前の人が喜んでくれる、笑ってくれる。

 

その一点を見て、行動していると、肝心なことがおざなりになってしまいます。

広い観点でみたときに、それはOKなのか?という点が疎かになってしまったのです。

関連記事:バラエティ番組のADの仕事

 

プロデューサー業務として考えるべきコンプラインアス

 

プロデューサー業務としてコンプライアンスの管理があります。

  • 「こういった営業形態は違法なのでは?」
  • 「撮影場所や撮影方法に問題はないか?」
  • 「現場で取材先の人や周囲の人が不快な思いをしていないか?」

 

放送を終えるまで、いくつもクリアしなければならないことが出てきます。

 

どんなに注意をしていても法律をすべて把握しているわけではありませんから、後でクライアントである局側から指摘されることも多々あります。

 

プロデューサーはテレビ以外のことでもなんでも知ってなければいけないの?と不安になりますよね。

 

以前言われたのは、「プロデューサーに一番大事な資質は常識人であること」。

一般的な常識とちょっと人の気持ちを考えることができれば、コンプライアンスにおびえることはありません。

 

  • 時間がない
  • 思い描いた映像があまり撮れていない
  • 想定外のことが起こってしまった。

現場では、どんなに想像していても、想像とずれることはよくあります。

ときには、全体を俯瞰してみることが大切なんです。

 

最後になりますが、テレビ業界におけるコンプライアンスとは…

『視聴者をだまさないこと』これに尽きるのではと思います。

関連記事:テレビプロデューサーのイメージと実際のギャップ

 

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こちらもぜひご活用ください。

関連記事:テレビ局の仕事で女性ができるのはどんな仕事?

 

では今日はこのあたりで。

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