テレビを見ていて
特にバラエティなんかで気になるのがスタジオセットなのではないでしょうか。
作り込んである番組は本当にセットをかなり作りこんでいて
バラエティ番組もスタジオのセットに注目してみると結構面白いものです。
番組ロゴが再現してあったり、
司会者を模した人形が飾られていたりと、番組によってそれぞれ独特な作り方をしてあります。
このスタジオのセットがどのように作られているのか、ということ気になりませんか?
今回はテレビ番組制作に携わる弊社ライズプランニングがスタジオのセットが作られる裏側についてお話してみたいと思います。
セットが生まれるまで
新しい番組が始まる時は、当然ですがスタジオで組むセットも一から作り始めます。
このセットにはデザイナーさんがいて、
番組の演出家が「こんなイメージで作って欲しい」というのを口頭で伝え、それを元にラフ画を描いていきます。
そのラフ画を元に、さらに打ち合わせを重ねて、セットのイメージが出来上がっていくんですね。
ただ、このセットを作るにもお金がかかります。
材料も必要ですし、デザイナーさんにデザインをお願いするわけですから、そのデザイン料も必要になってきます。
そしてできたデザイン案を元にセットを作り込んでいくのは当たり前ですがデザイナーさんではありません。
床はアクリル会社が担当し、スタジオセットの全体を手がける大道具の会社が入り、
さらに、セットに電飾などの飾りが必要な場合は、専門業者に依頼します。
一つの番組のセットを作るのに多くの会社と人が関わっているんですね。
つまりかなり資金が必要になってくるわけです。
たくさんの出演者がすごすスタジオセットですから、
スケールもかなり大きいですし、お金がかかるのは一目でわかると思います。
なので、どれくらい番組に予算があるのか、ということも考慮しつつセットを作っていく必要性があります。
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セットは何度もバラして組み立てる
テレビ番組のセットは実は作ったらそれでおしまい。
毎度その場所に行って収録をすればいいか、というとそうではありません。
テレビ収録に使うことができるスタジオというのは限られています。
なので、スタジオでは毎回毎回セットを組み立てて、バラして、という作業が行われています。
スタジオのセットは一見金属でできているような部分もあるかと思いますが
それは金属に見えるような加工がしてあるだけで、基本的な大枠は全て木材で作られているんです。
そしてセットを作っていく時も、セットを簡単にバラすことができるように、パズルのようにできているものなんですね。
もちろんバラして組み立てて、というふうに使っていますから、組み立てるのも短時間でできるような仕組みになっています。
こういった仕事は美術さんや大道具さんの仕事になります。
もしテレビ番組のセットを作ったりする仕事をしたいのであれば、そういった方面の勉強をしてみる良いでしょう。
たまにテレビの番組内でセットの裏側などが映っていることがあると思いますが
よく見てみると木材でできていることがわかると思います。
間近で見てみたいなら、一度好きなバラエティ番組のスタジオ観覧なんかに行ってみても面白いかもしれません。
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セットの役割
セットの役割は色々ありますが、
なんといっても番組を盛り上げるのがセットの一番の役割だと思います。
セットをバラした後のスタジオというのは本当に殺風景なもので、ただの白い巨大な箱、という感じなんですね。
セットを組んでいないスタジオでは収録しても寂しい画が撮れるだけです。
演者さんももちろん華がある方ばかりですが、
演者さんのバックが真っ白だったらやはりテレビ番組としては映えないでしょう。
バラエティ番組なんかは特に、背景というのはかなり重要で、
テレビ番組はチャンネルのザッピングをしている視聴者に、ザッピングの一瞬で「これ面白そう」と思ってもらわなければいけないものです。
視聴率を獲得するためには、その番組の第一印象というのがとても大切なんですね。
ザッピングをしていると、パッと見ただけでその番組がバラエティなのかドラマなのか情報番組なのか、ということはだいたいわかりますよね。
さらに、ある程度知名度がある番組の場合は、セットを見ただけで「この番組だ」と思ってもらえます。
セットが番組を認識するための装置として働いているわけです。
セットの中に番組ロゴが入っている場合もありますしね。
普段なんとなくテレビ番組を見ていると思いますが、
番組のセットにもかなり意味があって、セットも仕事をしているんです。
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今回はテレビ番組のスタジオセットについて話してみました。
テレビ業界に関わる仕事がしたい、という人は、
ぜひ番組の普段注目しないポイントに目を向けてテレビ番組を楽しんでみてください。
必ず何か新しい発見があるはずです。
では今日はこのあたりで。