ひとつの番組にプロデューサーは最低でも二人います。
1時間以上の番組だと複数人いることもあります。
プロデューサーは、テレビ局と制作会社のそれぞれにいます。
今回はテレビ局のプロデューサーと、制作会社のプロデューサーの違いや関わりあいについて解説します。
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プロデューサーはひとつの番組に何人いる?
番組の最後に流れる名前の羅列。
それはエンドロールともスタッフロールとも呼ばれます。
ここには番組に関わったスタッフの名前が並んでいます。
ここを見ると、1つのテレビ番組にはたくさんの職種があって、大人数のスタッフが関わってることがわかります。
ゴールデンタイムの1時間のバラエティ番組や午前中に放送している情報ワイド番組、ドラマなどは、100人以上の名前を確認することができます。
スタッフロールの並び順にルールはないのですが、一番最後の職種はプロデューサー、そして、「制作著作」で放送局名と制作会社名が並んでいて、終了です。
それは、どの局、どの番組でも共通しています。
番組のすべての責任はプロデューサーにありますよ、という意味もあって、いちばん最後にクレジットされてます。
さて、そのプロデューサー欄に2名から4名ほどの名前がのっていて、最後の最後にチーフプロデューサーとしてひとりかふたりの名前が見られます。
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テレビ局Pと番組制作会社P、どうクレジットされている?
たいていの場合、チーフプロデューサーはテレビ局員。
プロデューサーは制作会社に所属している人です。
両方載っている場合もあります。
所属先は名前の後ろにカッコで掲載されているので、その人が局員なのか、制作会社の人なのか、知ることができます。
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なぜ双方にプロデューサーがいるの?
なぜ、両方にプロデューサーがいるのでしょうか。
それは、そもそものテレビ局と番組制作会社の担う役割が違うためです。
番組制作会社はテレビ番組の制作を担っています。テレビ局が担っているのは、放送というプラットフォームの運営なのです。
テレビ局のプロデューサーは、このプラットフォーム、いうなれば番組表でしょうか。
そこに載せられる番組になっているかどうか、を常に意識しています。
その日の番組の流れではどうか、同時間帯のライバル局との並びで勝てそうか、局の品位やルールが保たれているか、視聴者を裏切らない内容になっているかを総合的に、そして俯瞰で見ています。
かたや制作会社のプロデューサーは、番組制作が想定されている企画のレベルをクリアしているか、制作スケジュール通りに進んでいるか、出演者や取材先やスタッフに問題が生じていないか、など、制作の中身を意識しています。
テレビ局のプロデューサーは放送する番組の品質を守り、影響力を及ぼすことへの対処をします。
制作会社のプロデューサーは番組の内容を詳細に理解し、スタッフ間、取材先との関係を潤滑にします。
番組制作は複雑
どうして、プロデューサーは複数いるのでしょうか。
それは、スタッフロールをみて分かる通り、テレビ制作は分業専業化されているゆえに職種が多く、スタッフが大所帯になっていることと、制作工程の複雑さにあります。
人数が多いほど、情報を共有することが難しく、それぞれのスケジュールを管理し、番組の統一感をもたせなくてはなりません。
また、テレビ番組は映像と音声とテロップと、扱う情報量が多いため、その確認作業もせねばなりません。
正しい情報なのかどうか確認するのは、制作会社のプロデューサーの仕事なのですが、もし、間違った情報を放送してしまった場合、その対処をするのはテレビ局のプロデューサーになります。
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テレビ局と番組制作会社のプロデューサーの間に溝があってはならない
プロデューサーには、テレビ局サイドと制作会社サイドの双方にいて、複数います。
プロデューサー間で、テレビ局、つまりプラットフォームサイドの情報と、制作過程で起きたこと、例えば想定していた取材がどの程度できているか、もしくはできなかったのか、取材先やスタッフ間のトラブルなどについて、頻繁に情報交換をします。
とくに、最近では撮影方法が多様化しているため、どんな機材を使ってどう撮影するのか、や、取材先とどういうやりとりをしたのか、など、詳細にテレビ局に報告しなくてはなりません。
双方のプロデューサー間で、やりとりしづらい関係になってしまうと、いい番組はできませんし、放送にたどり着けるかどうかも危うくなります。
関係性がよくないと、大事な情報が共有できない状況になるかもしれません。肝心なことを言わない、出さない、ことで、内容に不備が出たり、放送基準がクリアできない可能性が出ます。
コロナ渦にある今、日々、状況は変化していますが、変化のなかで予防対策をして撮影する必要があります。
その対策については、テレビ局がルールをつくり、そのルールを制作サイドは守らなくてはなりません。ルールを決めるのはテレビ局のプロデューサーで、ルールを守らせるのはテレビ番組制作会社のプロデューサーなのです。
今回は、テレビ局のプロデューサーと制作会社のプロデューサーについて書きました。どちらのプロデューサーも重責があります。番組の中心となって、支えているのがプロデューサーなのです。
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