バラエティ番組が大好きだから、バラエティ番組で働きたい!という方、たくさんいらっしゃいます。
ですが、「バラエティ番組のおもしろさ = バラエティ番組の制作のおもしろさ」と、イコールではないんです。
バラエティ番組をやりたいけど、「バラエティの現場はキツイ」と聞いたことがあると思いますが、それはなぜなのか、考察してみました。
バラエティ番組とは
バラエティ番組は、どういう位置づけかというと…テレビ番組表を見ますと、毎日、放送されている、番組がありますよね。
各局、朝から昼にかけて、スタジオから生放送されているワイド番組、夕方や夜のニュース番組。
このニュース番組もスタジオから生放送されています。
こうした番組は、
- 「報道」
- 「情報」
- 「ワイド」
と言われます。
そういう番組以外の時間帯は、ゴールデンタイムや深夜になりますが、そこで放送されている番組のなかで、ドラマ以外は、ほぼバラエティ番組です。
タレントや芸人が多数登場していて、スタジオでトークを繰り広げたり、VTRのロケものだったり。
バラエティ番組は、生放送のない「収録もの」という特徴があります。
完パケもの、ということが多いですね。
もちろん、生放送のバラエティ番組もありますが、きわめて少なくなりました。
番組制作には2通りある
番組制作会社には二通りあります。
一つは、「出向」「派遣」スタイル。
これは、一つの番組で組織を組んで制作していきます。
だいたいこのスタイルの場合は生放送のある番組で多いです。
ディレクターやADは、テレビ局員ではありません。
あるひとつの制作会社の人たちだけ、というわけもありません。
複数の制作会社から、スタッフが集められて、一つの番組を日々制作していきます。
上記でいうと
- 「報道」
- 「情報」
- 「ワイド」
は、出向・派遣が多いです。
こちらのスタイルですと、仕事をする場所は、テレビ局内のスタッフルームで、働き方や勤務時間の調整は局に準ずることが増えています。
もう一つのスタイルが、「番組請負型」
番組制作会社が、企画をテレビ局に通して、自社制作していきます。
番組制作のスタッフは自社の中でチームを組む場合もありますし、ほかの制作会社とタッグを組む場合もあります。
そのチーム編成は番組制作会社に任されます。
ディレクターはフリーランスの方に入ってもらい、プロデューサーとADは自社のスタッフ、というチームが多いかと思います。
番組制作会社で仕事をする場合は、働き方や勤務時間の調整はそれぞれの番組チームに任されていることが多いようです。
関連記事:番組制作会社の種類は大きく分けて2つある?就職する時どっちを選べばいいの?
バラエティ番組のスタッフの構造
バラエティ番組の制作チームは、ディレクターはフリーランス、ということが多いのですが、そこにバラエティ番組のADがツライ原因、があるように思えます。
フリーランスのディレクターは、番組を掛け持ちしていることが多いのです。
効率よく複数の番組をこなしていくためには、自分がどうしても関わらなければならないロケや収録、プレビュー・V-V・MAを中心にスケジュールを組んでいきます。
ロケの準備や編集は、ほかの番組のロケと調整しながら空いたところでこなしていきます。
働き方改革で、制作の現場も変わりつつあり、早朝や深夜の作業はしない、させないルールが設定されているところも増えてきているのですが、
フリーランスのディレクターはこのルールを守ることが難しい時があります。
そうすると、時間外にADさんに連絡を取ったり、確認やリサーチ、編集の準備をADさんに頼む、ということが起こります。
一人のディレクターに、一人のADがついているのであれば、ADさんの負担もそれほど大きくないのですが、
番組によっては、ディレクターの方が多い、ということもありますし、ADさんは先行して、先々のオンエアのリサーチを進めて準備しておかなくてはならない、ということもあるのです。
つまり、ADさんは、複数のディレクターから指示を受ける、
先々のオンエアの準備をする、
など、一つの番組に従事していても、掛け持ち状態になっているのです。
バラエティ番組のADさんが、仕事がキツイ、と思うのは、
自分が処理できる仕事の容量よりも、ふられた仕事の量が多いときが多いようです。
関連記事:ADの仕事のイメージと実際の違い。実は結構地味です。
仕事がキツイなあ、と思ったらどうすればいい?
仕事の処理の仕方、仕事の進め方は「方法」があるのですが、
新人のADさんがそれを実践できるのか、というと難しいものがあります。
仕事の優先順位を立てられるのは、仕事の流れや重要度が自分で分かる2年目3年目くらいになってからでしょう。
なので、キツイ!と思ったら、声をあげて「キツイんです!」と言うことが必要です。
黙っていれば周りは「大丈夫だな」と思います。
なにがどうキツイのか説明できなくていいのです。
今日は仕事に行きたくないな、起きるのがつらいな、と思ったら、正直にそう言ってみること。
ディレクターや先輩には言いづらいなら、プロデューサーでも構いません。
プロデューサーは雲の上の人かと思っているかもしれませんが、一番現場を俯瞰して見ている人ですし、
距離があるから言えるということもあります。
どんなに経験をつんだディレクターやプロデューサーであっても、新人時代にツライ思いをしてきました。
だから、その思いは分かってくれるはずなんです。
仕事が溜まったら、どうすればいい?
ディレクターから仕事を振られて、いっぱいいっぱいになってしまった、
どうすればいいのかわからない、という状況はよくあります。
そういうときに、どうすればいいのか。
まずは「頼まれた仕事」や「やらなければならない仕事」をノートに書き出していきます。
仕事を振られてそれが溜まってしまうと、あれもこれもやらなきゃいけないのにどうしよう…と焦りが大きくなってしまいますが
書き出すことで、「何をしなくてはならないのか」が明確になります。
書き出したら、それぞれを「いつまで」にしなければならないのか、スケジュールを組み立てていきます。
そして「自分で」やらなければならないこと、「自分以外の人」でもできることを振り分けていきます。
自分に頼まれたのだから「自分で全てやらなければならない」と思い込みがちですが、そんなことはありません。
もっと周りの人に頼っていいのです。
周りが一番困るのは、頼りにしていたADさんがある日突然来なくなる、という事態です。
仲間がいなくなるのは、哀しいですし、心配です。
そんなにキツかったのなら、そうなる前に、言ってくれればよかったのに、相談してくれればいいのに、頼りにしてくれればよかったのに、と思うものなんです。
仕事を頼まれたのに、自分ができなかったからといって、それで「アイツはできないAD」だ、なんて思われません。
それにAD時代の評価なんてディレクターになってしまえば、何の役にも立ちませんし、失敗が多ければ多いほど、笑える持ちネタになるものです。
今ツライことなんて、振り返ってみればただの思い出になってしまうものです。
関連記事:新人ADがきついと言われるのはなぜ?普通の仕事と違うポイント
では今日はこのあたりで。
