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「ワークショップ」について考える②

子ども向けワークショップにおいて、練習した三脚を使わず「手持ち」での撮影に挑戦したA太郎。それに対し「手持ちはそれなりに意味がある時以外やらない方がいい、三脚を使いなさい」と言い放った「有名監督」。
「ワークショップ」について考える①

映画に「禁止事項」をつくって、しかもそれを子どもに課すことにどんな「意味」があるのでしょうか?

「禁止事項を破るところから映画ははじまる」のではないでしょうか?

 

映画の〝原則〟を守らない監督・小津安二郎

例えば、日本を代表する映画監督のひとりである小津安二郎は、

〝イマジナリラインの原則〟と呼ばれる「映画のなかで向かい合うふたりの目線が変(ふたりとも同じ方向を向いているように見えてしまう、など)にならないようにするためのルール」を平気で無視しています。

小津という監督は画面に異様なこだわりを持つ監督でもあったので、「三次元の位置関係」より「二次元の画の美しさ」にこだわった結果だとも言われています。

それで、じゃあ、〝イマジナリラインの原則〟を破っているからといって小津映画が見るに耐えないものになっているかというと、全くそんなことはありませんね。
寧ろどの作品も後世に語り継がれるほどの名作になっています。

この事実は、映画に於ける〝禁止事項〟というものが実は瑣末なことであることを私たちに教えてくれています。

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http://quampaney.exblog.jp/13178008より)

※映画『彼岸花』(小津安二郎監督)より

ツーショットのカットでは田中絹代の「肩」と「顔」の角度は真っすぐ佐分利信を向いた姿勢だが、切り返しのカットでは顔をかなり左に向けて真正面を向く。ツーショットでの姿勢とは変わり、ほとんどカメラを見つめる「視線」の先には誰もいない。」

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http://quampaney.exblog.jp/13178008より

それと同じようなことを、誰からも教わらずに、自分でやってのけた12歳の男の子を、

褒めてあげるどころか再びルールという檻のなかに閉じ込めてどうするのでしょうか。

想像力という名の〝枝〟

子どもの想像力とは、一本の木から伸びる枝みたいなものだと考えています。

見栄えが悪いから、道にはみ出ると迷惑だからと大人はすぐにそれを伐採しようとしますが、
子どもとは良くも悪くもそれを伸び放題にしておける生き物です。

そして、そんな枝の部分にこそ「映画」は宿っていたりします。

プロになって、その木を高いお金で買って貰おうとするならまた少し話は別で、ただ伸び放題にするのではなく、剪定技術も必要になってくるのでしょうが、、、

大人が子どもの木の枝を折るなど、あってはならないことです。

「ワークショップ」において、、、特に子ども向けのWSにおいて、

「ファシリテーター」と呼ばれる立場の人間ができることといえば、

その枝が重みに耐えきれず折れてしまいそうになった時だけ、

そっと添え木をあててやることくらいではないかと私は考えています。

 

C彦の場合 〜たったひとりの声を聞くということ〜

打ち上げの席で、「有名監督」が私を呼び出して言いました。

お前は子どもに干渉しすぎる。
いい人ぶっている。
好かれればいいと思ってる。

この人の言いそうなことだ、と私は特に驚きませんでした。

多分、C彦のことを言いたかったのだと思います。

演技するとは思っていなくて、カメラとPCに触れるからとワークショップに参加したのに、「有名監督」に半ば無理矢理主役にキャスティングされて一時は参加を取り止めようとまでしたC彦。

私は、彼が心配で頻繁に声をかけるなどしてコミュニケーションをとっていました。

その甲斐あって、、、などと言う気はありません。

彼は、自分自身の力で最後までWSをやり遂げました。

でも、私を好いてくれていたのは多分事実で、いつもコンビニ弁当持参だった私のためにお母さんに頼んでおにぎりを持ってきてくれたりしました。

最初はひとりで端っこの方に座っていたのに、最終日の上映会では率先して舞台挨拶の練習などをしていたのが印象的でした。

それは彼の成長の証でした。

 

「有名監督」に私は伝えました。

 

「ワークショップ」において、
私は誰ひとり最後まで欠けることなくやり切ることが大切だと考えている。

ファシリテーターとは「いい作品」を残すために技術的なアドバイスをする者ではなく、多数の人間を導ける者でもなく、

はぐれかけたたったひとりの声を聞く者だと思っている、と。

「有名監督」が頷くことはありませんでした。

そのかわり私も、決して頷きませんでした。

 

たくさん「ワークショップ」がある分、それに対する考え方も様々でしょう。

皆さんは「ワークショップ」についてどう思いますか?

 

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