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放送倫理を守るためのBPOって何?番組制作者が知っておくべき知識

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テレビ番組というのはおもしろおかしく作られているように見えますが、「これを放送して本当に大丈夫か」ということを常に制作側は真摯に考えて作っています。

 

例えばバラエティ番組を見ていてよく耳にするピー音

放送禁止用語に引っかかるような言葉にはきちんと効果音が被せられた上で放送されていますよね。

 

他にも、見えてはいけないものにはちゃんとモザイク処理をして放送していますが、

実はモザイク処理は1フレームごとにモザイクをわざわざつけています。

 

とても大変な仕事なんですね。

 

今回は放送倫理について、番組制作をしていく人が知っておかなくてはいけない知識について書いていきたいと思います。

 

テレビ番組を制作する目的

 

テレビ番組を制作する目的とはなんでしょうか?

番組制作をすでにしている人にとってはもしかしたら番組制作の目的が「視聴率」になってしまっているかもしれません。

 

もちろん視聴率を獲得することは、番組を継続するためにとても重要なことなのです。

でももっと大切なのは「公共の福祉を増進すること」。

これは放送法にも明記されています。

 

つまり社会をより良くするための放送であること。

 

テレビ番組はたくさんの視聴者に見てもらって初めて成り立つものであり、視聴者の人権を侵害しない番組作りを心がけなくてはいけません。

 

テレビを面白くすることは大切です。

しかしそれによって、誰かの人権が侵害されるようなことがあってはいけません。

 

特に「面白さ」を追求しすぎるあまり、差別的な表現をしてしまうことがよくあります。

どうしても人によって「面白い」の基準は違うものですし、差別的な表現、というのもまた受け取り手の感じ方に依るところが大きいので、非常に曖昧なものです。

 

番組制作は、「いろいろな受け取り方をする人がいるのだ」ということを意識しながら、行うことが大切です。

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放送倫理・番組向上機構(BPO)とは

 

実はこの放送倫理をしっかりと守っていくための第三者機関というものが存在します。

それが放送倫理・番組向上機構(BPO)と呼ばれるものです。

 

どんなに細心の注意を払って番組制作を行っていたとしても、受け取り手によっては

  • 「この番組は差別的な表現を含んでいるのではないか?」
  • 「いじめにつながるような内容なのではないか?」
  • 「子供に見せると教育上良くない番組なのではないか?」

と思われてしまうこともあります。

 

それは制作側も人間ですから仕方ないことです。

 

現に放送禁止用語というのは年々増えてきており、

昔は使えた言葉や使えた表現が、今は使えない、というケースもたくさんあります。

 

議論を重ねて、テレビ制作業界も常に変化しているんですね。

 

そしてそういった「制作側の意図」と「視聴者の受け取り方」に大きなズレが生じた時に、

それをどのように解消していけばいいのか、ということを第三者の立場で判断するのが放送倫理・番組向上機構(BPO)なのです。

 

放送倫理・番組向上機構(BPO)はNHKと民放連によって設置された第三者機関であり、

視聴者側の人権を犯さない範囲でテレビ制作側の表現・言論の自由を守れるように、奔走しています。

 

非営利、非政府組織であり、放送倫理検証委員会、放送人権委員会、放送と青少年に関する委員会という三つの委員会が軸となって構成されています。

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放送倫理・番組向上機構(BPO)の仕事

 

では実際に放送倫理・番組向上機構(BPO)がどのような仕事をしているのかというと

放送倫理・番組向上機構(BPO)では視聴者からの意見やクレームなどに真摯に向き合って、対応をしています。

 

視聴者からの意見を聞いた上で、問題があると判断した場合は、該当する番組を検証し、

その上で問題があると判断された場合には、特定の放送局や番組に対して意見を伝え、指導をしていきます。

 

放送上大きな問題があった場合は、特定の放送局、テレビ番組だけでなく、放送業界全体に注意喚起を行うこともあります。

そうして情報を共有し、放送業界の倫理観を常にアップデートしていっているんですね。

 

ただ、放送倫理・番組向上機構(BPO)でできるのはあくまで、注意喚起、指導です。

強制力のある権限を持っているわけではない、というのがポイントです。

 

放送倫理に違反するのではないか、と感じた視聴者は無料で申し立てをすることができるような仕組みになっています。

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視聴率も大事だけど…

 

テレビ制作の現場においては視聴率がもっとも大切な指標となってくるでしょう。

しかし本当に大切なのは常に「いろいろな人がいろいろな立場から番組を見る可能性がある」ということを意識しつつ番組を制作していくことです。

 

受け取り手の数だけ、受け取り方がありますから

様々な国の文化背景を勉強することも大切でしょう。

 

そういった意識を持った上で、番組制作をしていけると良いですね。

 

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では今日はこのあたりで。

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長倉 さやか
ライズプランニング(広告部)」の長倉です。広告手段としてのテレビの使い方やテレビメディアの楽しさを多くの人に知ってもらえるように執筆しております。


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