カンペの作り方!誰が作って誰が出すの?
弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
主に情報・報道番組の制作に携わっています。
深夜のバラエティ番組で、たまにカメラのそばに座っている制作スタッフがスケッチブックを持っている姿が見切れるときがあります。

よく見られるのは、「しゃべくり007」「月曜から夜ふかし」など、バラエティ番組でスタジオ部分が多いもの。
スケッチブックに、黒マジックで演出家の指示や、「○○が登場します」「VTRあります」とか、MCのコメントが書かれています。
かつては、こうした制作の裏側は、絶対に画面に出してはならないものでしたが、バラエティでは演出としていじるようになりました。
これは「カンペ」と呼ばれるもの。
今回は「カンペ」について解説します!
カンペって何?
「カンペ」とは、カンニングペーパーの略です。
番組の進行役であるMCのコメントを書いてあるもの。
演出家の指示を書いてあるものです。多くの場合、スケッチブックに黒の油性ペンで書かれています。カンペの作成について、決まりはありません。
とはいえどの番組どの現場をみても、カンペは同じような型があります。
カンペに使われているのは「マルマンの図案スケッチブックA3」が多いようです。
私がアシスタントディレクターをしていたのは、20年以上前ですが、その当時からカンペはこのスケッチブックでした。
理由は、
- 繋ぎがリングでめくりやすい
- 紙がほどほどに厚く、油性ペンで書いたときに、裏うつりしづらい
- 紙が適度な厚さと柔らかさで、めくりやすく、めくり音がしない
- 価格がほかのスケッチブックに比べると安い
などが考えられます。
ちなみにこの写真は弊社グループのスタッフが実際の制作現場でカンペを出している写真です。

放送では、音楽やSE、観客の笑い声や拍手などのノイズ音が入っているので賑やかですが、収録中は、かなり静か。
そしてマイクの性能もあがっているため、些細な音も拾ってしまいます。
紙をめくるときに出る音は、意外と大きいんですね。
例えば、模造紙と呼ばれる大判の紙(小学校時代に夏休みの自由研究発表に使っていた紙)を使ったこともありますが、この紙だと、めくるときに音が出てしまいますし、大きいため扱いづらい、という難点がありました。
1枚にたくさんの文字数が書けるので、めくる回数が少なくてすむ、紙の値段も手ごろ、という利点はあります。しかし、大きいので、カンペを持つ人とめくる人の2人必要なので、人の手がかかりすぎるのも難点です。
原稿をワードなどで作成して、A3サイズでプリントアウトしたものをクリップで留めて作成したこともあります。これも、めくるときに音が出るので却下になりました。
それぞれの現場では、歴代のアシスタントディレクターたちが、ああしてはどうだろうか?これなら?といろいろ試してきた経緯があるはず。でも、いまだに残っている方法は、スケッチブックに黒ペンで書くという極めてアナログなやりかた。
カンペは誰が作る?
番組MCのコメント用のカンペづくりは、いちばん経験が浅いアシスタントディレクターの仕事です。
ディレクターや先輩ADからどの部分のコメントをカンペにするか指示がされますので、先輩から教わって作成します。
フォーマットがあるわけではありませんが、字の大きさに注意せねばなりません。
カンペを見るのはMCですから、MCの立ち位置からカンペを出すところまで何メートルくらい、MCの視力などから字の大きさを決めます。

先輩ADから、以前作成したカンペを見本として渡されますから、それに沿って作ります。A3サイズの紙なら、4~5行、1行8文字~10文字ほど。
字のウマいヘタよりも、字の並びや大きさが揃っているかどうか。書くときは、厚紙などでガイドになるスケールを作って、紙の下に置いて書きます。
カンペを作るのは、スタジオ台本の決定稿が出てからです。決定稿が出るのは、スタジオ収録の前日が多いので、収録前日のADさんはカンペ書きで費やされます。
カンペを出すのは誰?
スタジオでカンペを出すのは、フロアディレクターという、スタジオを仕切るディレクターか、アシスタントディレクターのなかでも、経験が豊富なチーフクラス。
スタジオ収録では、総合演出(チーフディレクター)はスタジオの中にいません。
副調整室と呼ばれる別室で、スタジオに設置された複数台のカメラが撮影しているそれぞれの映像を見ながら、スタジオに指示を出します。

その指示はスタジオにいるフロアディレクターが受け取り、フロアディレクターが出演者に伝えます。
その指示の伝え方のひとつに、スケッチブックに書いて出演者に見せる、というカンペの使い方があります。撮影の流れを止めたくないときにカンペを使います。
カンペを出すタイミングを間違えてしまっては、スタジオの流れを止めたり、撮影も止めてしまいかねません。
MCの動きやスタジオ収録に慣れたディレクターやADがカンペを出します。
観客や見物客に対して使うときもある

ときには、スタジオの観客や外のロケのときの見物している人に向けてもカンペを使うことがあります。
例えば、
- 「撮影しています。お静かにお願いします」
- 「ただいま、「(番組名)」の撮影中」
- 「拍手!!」
など。
カンペも演出
カンペの出し方も演出のひとつです。
MCがスタジオ台本を手元に置いて堂々と見ながら進行している番組もありますし、プロンプターという、モニターに原稿を出してキャスターが読む方法もあります。
プロンプターはニュース番組で多く、スタジオのシステムとして組み入れられています。
プロンプターはキャスターがカメラ目線でニュースを読むときに、なるべく目線を動かさずに読むことができます。
カンペも演出のひとつ。原稿を読んでいるのを視聴者に見せるのか見せないのか、で視聴者の印象も違いますし、カンペきっかけで展開していく演出もあります。
出演者に一番近い場所にいるのが、カンペを持っているスタッフなのです。



