今回は新しくテレビCMの放送の仕方として追加されたSASという広告枠について、広告代理店である弊社が解説してみたいと思います。
SASとは
今までテレビCMは大きく分けて
- タイムCM
- スポットCM
の2種類しかやり方がありませんでした。
特定の番組のスポンサーとなってその番組の中でCMを放送するのがタイムCM。
それに対して、ある程度時間帯を指定して、その中で番組はランダムにCMを放送していくやり方がスポットCMです。
SAS(Smart Ad Sales)ではこのどちらのやり方でもなく、ではこのどちらのやり方でもなくてではこのどちらのやり方でもなくテレビCMの放送枠をひと枠から購入することができるというやり方です。
タイムCMとスポットCMだとどちらかというとスポットCMに近いのですが、スポットCMはひと枠から購入するというのがなかなか難しかったため、SASの登場は画期的だと言えます。
それではSASのメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
メリット
少額でも出稿できる
SASの一番のメリットはやはり少額でもテレビCMを出稿することができるということです。
特に東京キー局なんかは、タイムCMを出稿するとなると数千万円単位で予算が必要になってきますし、スポットCMにしても最低でも500万円は出稿が必要になります。
それに対してSASの枠を使えば10万円以下の金額で購入することができる枠もあります。
もちろん視聴率や時間帯なども関係してきますので一番安い枠をとなると効果を期待するのは難しいですが、それなりに視聴率がある番組でも100万円程度で15秒CMを一本流すことができます。
SASが登場したことによって純粋にCMの最低出稿金額のハードルが下がったと言えます。
少額でCM放映実績が作れる
CMを放送するハードルが金額的に下がったことによって、比較的少額でもCMの放送実績を作ることができるようになったというのもSASのメリットの一つでしょう。
例えば一本テレビCMを放送するだけでも、それはテレビCM放送実績ということになります。
テレビCMは誰でもが簡単に放送することができるものではなく、CMの内容が視聴者に誤解を与えるものになっていないかということを確かめる表現考査と、
企業がしっかりとした業態であるかどうかということを調べる業態考査の二つの考査があります。
テレビCMを放送する場合はたとえ放送の本数が一本であっても、この考査をしっかりと通過した企業でないと放送をすることはできません。
つまりたとえ一本のCMだとしてもCMを放送できているということは考査を通過しているということですので、CM実績も大々的に掲げていただくことができます。
関連記事:広告を出す時に注意したい、考査について
番組を指定できる
スポットCMでCMを放送する場合はある程度時間帯の指定をすることはできますが、特定の番組のスポンサーになるわけではないのでどの番組の中でCMを放送するかということは選ぶことができません。
基本的には細かい時間帯に関してはテレビ局側にお任せするという形になります。
ですが、SASの場合は番組を選んでCMの放送枠を購入することができますので、どの番組の中でCMが放送するかあらかじめ指定することができます。
短期間のCM放送が可能
スポットでテレビCMを放送する場合は大体の場合が2週間からとなります。
タイムCMの場合は最低でも半年以上の出稿が必要という条件がほとんどです。(枠に空きがある場合は3ヶ月からだったり単月から出稿できる場合もありますが)
そのためSASで出稿をすれば1週間だとか3日間といった短い期間でもCMを放送することができるというのもまたメリットでしょう。
デメリット
単価的には割高
SASはCM枠を1本1本をバラで買うような形になるので、どうしても単価的には割高になってしまいます。
例えば毎週同じ番組のSAS枠を購入したとして、実はタイムCMで放送をした場合の単月の金額の方が安くなるということもあるわけです。
タイムCMの場合はCMの放送尺も30秒なので、SASだとそれが15秒になってしまい、もったいない部分もあります。
何かを購入する時は、まとめて購入した方が安くなる、というのはCM枠を購入する時も同じですね。
効果を狙うのは難しい
SASで放送するとなると1回きりの放送だったり多くても5本〜6本程度であることが多いと思います。
それ以上の本数を放送する場合はスポットでCMを放送した方が本数的には流せるからです。
つまり5〜6回しか放送されないCMになってしまうので、どうしてもそれくらいの回数で効果をあげるというのは難しいかなと思います。
効果を上げるには相当インパクトがあるCM内容にするか、テレビCMと同時にインターネットの配信やSNSの動画広告などを使ってメディアミックスをしていくなどのプランニングが必要になってくるでしょう。