「面白くないテレビ番組が多い」という言葉をよく聞きますが、実は世界的に見ると日本人はものすごくテレビを見ている人種なのです。
全体的に国民一人あたり平日は約3時間、週末は約4時間ほどのテレビ視聴をしている、という話もあります。
視聴時間は長いのにもかかわらず世間では「テレビが面白くない」と叫ばれているわけです。
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ではなぜ私たちは「面白くない」と言いながらもテレビを見てしまうのでしょうか?
今日はそんなことについて話してみたいと思います。
テレビは流れてくる
音としてのテレビ
暇つぶしランキングの中でもダントツの1位を誇るテレビ。
一人暮らしの人は特に「家に帰ったらまずテレビをつける」という人も多いとおもいます。
テレビをつけることによって無音だった空間に人のしゃべり声を生むことができるんですね。
これはラジオでも同じようなことが言えると思いますが、
ラジオは基本的にメインパーソナリティがいて、番組によってはゲストがいて、という構成が多いですから喋っている人数としては圧倒的にテレビの方が多いわけです。
そうするとテレビは点けているだけで賑やかになる便利なアイテムなわけです。
この場合はテレビを点けるときには「見る」というよりも「聞く」という要素が大きいかもしれません。
ですがテレビは「聞く」要素から「見る」要素に変わりやすい特徴を持っているエンターテイメントです。
なぜなら聞いているだけでもそこに映像があることを想像することができ、場合によっては映像でしか取り込むことのできない情報を扱っているシーンがよくあるからです。
なんとはなしに点けているテレビだったのになぜか気づいたらテレビの前に座ってじっくりテレビを見てしまっていた、なんてことはきっとみなさんも多々あることでしょう。
例えば食レポなんかはいい例で、耳で聞いているとそのお店の情報、立地や営業時間、扱っているメニューなどを知ることはできますが、実際にどんなお料理が出てくるのかはどうしたって視覚的な情報からしか取り入れることはできません。
そうするとついつい、お料理が出てくるシーンになると目を向けてしまうのです。
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流れてくるテレビの音にいつの間にか誘われて完全なる視聴体制に入ってしまう、このフローが実はしっかりと敷かれているのがテレビなんですね。
家族が見てるテレビ
テレビの最も視聴率が高い年齢層は高齢者層だと言われています。
これは高齢者の方がお家にいる時間が長いから、その時間の暇つぶしとしてテレビを見ている、ということなんだと思いますが、
これが2世帯、3世帯と一緒に暮している家族なら、家族はテレビが点いている家に帰ってくるような形になります。
テレビはリビングに置いてあることが多く、一つのテレビを家族で囲む、というのがテレビの一つの性質でもあるからでしょう。
そうすると、自らの意思をもってテレビを見ようとしなくても、生活の中で自然とテレビを観るような流れになってくるんですね。
そこで見ているテレビというのは面白い、面白くない、ということに関わらず、流れてくるテレビであり、つまりは見てしまう、というのがテレビなのです。
このように自分自身が見ようとしなくても家族が見ているテレビが流れてくる、ということもあります。
テレビは続きが気になるようにできている
テレビを見終わった後には「面白くないテレビだったな」と思うことはあってもなんだかんだと途中でやめられなくなってしまうことはよくありますよね。
テレビには続きを見てもらうための仕掛けがたくさんしてあります。
知りたい情報を番組の後半の方になるべく盛り込んで、前半ではそれを匂わせるような構成にしてあったり、
「きっと視聴者が見たいであろうもの」の直前にテレビコマーシャルを挟んだり。
そして大体のテレビ番組が30分、もしくは1時間という区切りの中で放送されているのが日本のテレビなので明確に番組の終わりが見えているわけです。
例えばそのテレビ番組が面白くないと感じていたとしても、結論を見ずにスッキリしないままテレビの視聴をやめてしまうよりも、
「あと10分したら終わるからそれまで見ちゃおう」という気持ちになることの方が多いわけです。
よっぽど何か急いでやらなきゃいけないことなどがない限りはテレビは基本的にながら見もできるものなので、「最後まで見たい」と思えるように制作されているんですね。
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好きなタレントが出ている
そもそもテレビ番組自体が面白い面白くないに限らず、出演しているタレントのことが好きだからそのテレビ番組を見ている、という視聴者の方もいると思います。
タレント一人が持っているだろう視聴率の計算もされてキャスティングが考えられたりもしていますからね。
でもこれは面白くないテレビかもしれませんが、好きなタレントが出ているだけで、そのタレントが好きな人には結果として面白いテレビ番組になり得るわけですから、最終的にその番組はある層からは面白いテレビになるわけです。
まとめ
今回は面白くないテレビがクセになってしまう理由を話してみました。
実はテレビの性質上、テレビ番組が面白くないと言いながらも見てしまう人を作る特徴があるんですね。
もちろんテレビ番組の内容が面白いことに越したことはないかもしれませんが、
ながら見が出来るような、一生懸命集中する番組とはまた違う番組、ゆるっと見られる番組というのも、それはそれで需要があるのじゃないかなと思っています。
現に私は疲れて帰ってきた時はなんとはなしに見られるテレビ番組の方がほっとしたりしますから。
面白くない番組もクセになってしまう理由が実はあるんですね。
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