テレビ業界を目指して就活中の方から面接について相談を受けます。
いちばんの悩みどころは、自己アピール。
今回は、面接と自己アピールについて考えていきます。
大学時代にどんな活動をしたのか。
例えば、一生懸命取り組んだものがあったとしても、成績として残っていない。
コンテストや競技会で入賞したり、成績を残しているわけではないし、ボランティア活動や社会活動に精を出したわけでもない。
特筆すべきことが見つからない。
何を言えばいいか、わからない。
このような方はとっても多いんです。
でも実際のところは、むしろ入賞や成績というのは面接ではあまりヒキがないように思います。
テレビ業界で働くにあたって面接では、
- その人が一緒に働けるか
- チームの一員としてやっていけるのか
- これからのテレビ業界で新しい番組や事業を考えられそうな人か
- どんなことに長けているのか
などを知りたいのです。
制作の仕事はクリエイティブじゃない面も多くあります。
自分の中でクリエイティブ性に不安があっても、それを補う力や可能性を企業側が好意的にみてくれれば、可能性はおおいにあります。
大学や専門学校で映像制作について学んでいないけど、テレビ制作の仕事に就けますか?と問われますが、
専門的な知識がなくてもテレビ制作の現場で働けるのは、そうした点にあります。
テレビ制作では、どんな人を求めているか…をイメージしてみましょう。
見出し
テレビ制作現場で求められるもの
①仲間や先輩、取材先との距離感を自分から縮められる積極性
どの業界でもそうなのですが、社会の上位にある企業が欲している人材は、積極性のある人物です。
指示されるのを待っている人、教えてくれるのを待っている人は、チームのお荷物になる可能性があります。
自分からチームに入って行ける人、人と関わることを苦と思わない人、わからないことがあれば自分で調べたり考えたりしたうえで、周りに意見を聞き、指示を仰げる人。
そういう積極性というのは、評価されます。
②過酷な現場や状況であっても、前向きでいられる
テレビ番組制作の現場は、一つ一つの作業に締め切りがあり、常に時間に追われています。
突発的な事件や事故などによって、急遽内容を変更しなくてはならない事態も起こります。
テレビというのは「旬」や「タイミング」が一番。
それを逃すと視聴者は見てくれません。
それなのに、オンエアするまでにたくさんのチェック事項があります。
そのチェックに間に合うようにするために、現場や状況は過酷になります。
そんなときでも、常に前向きでいられるかどうか。
テレビ業界に入りたい人は「大丈夫です!平気です!」と答えるでしょうが、裏付けがなくては、面接官は納得しません。
なので自分の経験の中から「こんなに大変な境遇にあっても、やり遂げることができた。平常心でこなした。」というストーリーがあるといいです。
③臨機応変に考えられる柔軟性
テレビ制作というのは「できない」ことだらけ。「制約」だらけの世界です。
あれもできる!ここにも行ける!ではなく、あれもできない、あそこも行けない、これは使えない…の連続です。
制約があるなかで粘り強く交渉をするか、それとも、代替え案を考えることができるかが重要です。
人は「こうであるべき」という概念にとらわれているものですが、そうした概念にとらわれずに自由な発想ができるかどうか、がクリエイティブ性に繋がっていきます。
④知らないことを自分で調べる探求心
テレビ制作は自分が好きなことや関心のあることだけをやっていけばいい、というわけではありません。
自分が苦手な分野や関心のないことにも、携わらなければいけない時があります。
経済や医療について全く興味もないのに、大企業の社長にインタビューに行くこともあれば、最先端医療について特集をすることになったりします。
そんなことになっても、「自分は興味ないから、やりたくない。」とは言えません。
知らない分野に直面したら「これはチャンスだ!」と思って、自分で資料を読み、学ぶ探求心が必要です。
そういう探求心があるかどうか、具体的な経験をふまえて話してみましょう。
⑤周りの求めていることを察知して応えられる適応力
テレビ番組制作は組織やチームで制作にあたります。
同じ年齢層のアシスタントディレクター以外にも
先輩のディレクター、親ほど年齢の離れたプロデューサー、職人気質のカメラマン、近寄りがたい大御所のタレント、つねに辛辣な批評をするMC…
本当に色々な人がいますが、周りが何を欲しているのか、自分に何を求めているのかを感じ取って、それに応えていくことができるかどうかが重要です。
学生時代の経験でいうと、同級生との交流よりもあらゆる年代やいろんな職業の人と、異文化の人とどれだけ交流したか、の体験を物語るといいでしょう。
⑥自分に関わる人たちを楽しませる、エンターテイメント性
自分がテレビを見て元気をもらえたから、とテレビに感謝してテレビ業界を志望する人がとても多いです。
でもテレビ業界に入ったら、今度はその役目は自分になります。
自分は周りの人たちをどんなときにどんな風にして楽しませてきたか、どんな工夫をしたのか。
大きなサプライズでなくてもいいんです。
常に人を笑顔にしたいと思って行動している人というのは、常に楽しいことを考えているもの。
おのずとそんな人の周りには、人が集まっているものです。
そんなエンターテイメント性も必要でしょう。
⑦チームをまとめて目的を達成させる、リーダー性
「自分にはリーダーシップがある」と自信をもって言える人というのは、多くありません。
また、今求められているリーダー像というのは、「強い言葉を使ってカリスマ性のある人」というわけではなさそうです。
周りから「この人はリーダーだな」と認められなければ、真のリーダーとは言えません。
なかなか難しいですよね。
弊社ライズプランニングにも大学生アルバイトが100名近くいます。
リーダーをお願いしている学生がいますが、彼らはみんながみんな、特別に仕事ができる人、というわけでもありません。
本人が仕事ができるかどうか、よりも仲間をまとめることができる人にお願いしてます。
学業とアルバイトの両立させることは大変で、テストや旅行やイベントや病気や留学などで頓挫することがあります。
時にはアルバイトしたくないという気分と戦わなくてはいけない時もあるでしょう。
アルバイトをしながら、いかにシフトを埋めていくか、いかに仲間に協力してもらうか、気分や病気とどう戦うか、テストや旅行もこなして学生生活と両立させるか、といったことを考え、こなしていくのは
実はリーダーとしての技量でもあります。
リーダーをしたことがあるなら、どういうことで苦労して、どう乗り切ったのか、というのは面接官は興味をもって聞いてくれると思います。
自分の得意をアピールする
ここまで紹介してきた内容全てを網羅していなくてもいいのです。
どれか一つか二つを自分の特長とし、その特長が生かされる経験をつんで、自分の言葉で語れば大丈夫。
学校生活ではたくさんの経験や人との交わりがありますよね。
そのなかで、自分の特長を生かす役割を担っていきます。
自分の特長と得意なこと、やるのが苦じゃないこと、が一致しているのがベスト。
苦手なことや不得意なことをするのではないので、自然と好きなコトや得意なコトに集中できますから、続けられるのではないでしょうか。
関連記事:将来テレビの仕事がしたいという学生は今、何をするべき?
自己アピールの仕方
面接での振る舞い
服装や身だしなみについて問われることがあります。
企業によっては、服装は平服、カジュアルでOK、と明記しているところもありますね。
そう書かれているとますます混乱する人も多いです。
「なんでもいい」と言われると正解は何かがわからなくなります。
正解を導くヒントは一つ。
面接官とは初めて会いますよね。
そして面接官は年上であり、未来の上司かもしれません。
であれば、面接官を立てる、面接官を尊重する服装と身だしなみを考えればいいのです。
会社はプライベート空間ではなく、オフィシャルな空間です。
初対面の年配の方と、オフィシャルな場で、自分のことを知ってもらうために会う。
それに適した服装を考えれば、おのずと正解が導かれるはず。
TPOを想像する力が備わっているかどうかというのは、社会性のある人物かどうかを推し量る選考材料の一つです。
最初の自己アピールは、自分を知ってもらうヘッドラインと考える
テレビ的に言うと、「アバン」です。
自分について一番知ってほしいことを、1分程度で面白く、関心をもって聞いてもらうつもりで編集しましょう。
面接官に記憶に残らないと、振るい落とされてしまいます。
まず、記憶にとどめてほしいのは、
- 名前
- 大学名
- 自分はどんな人なのか
です。
説明しているうちに何を言いたいか、とっちらかってしまう人もいます。
また履歴書に書かれていることを繰り返す人もいます。
冗長にならず端的に、関心をもってもらうようなキャッチーなアバンにしましょう。
興味を持ってもらえれば面接官から質問してくれます。
他の学生と同じような内容だと落とされてしまいます。
唯一無二のオリジナリティのある自分を知ってもらうことを目指しましょう。
「質問はありますか?」に質問しよう
最後に必ず「質問はありますか?」と聞かれます。
このときに何も質問しないのはNGです。
質問したことによって、より印象にも残りやすくなるでしょうしね。
仕事の内容的なことや、希望の番組や分野があるなら、どうやったらそういう部署につけるのか、
面接や説明会で聞いたことで分からなかった言葉について聞くとか、
事業の広がりや可能性について質問するなど、
あらかじめいくつか考えておきつつ、面接を通して疑問に感じたことを聞くといいかと思います。
まだまだ準備する時間はあります。行き当たりばったりではなく、しっかり準備して挑みましょう。
話を盛りすぎると面接官にバレてしまいますので、なるべく自分の経験を自分の言葉で話す、ということを意識すると良いかもしれませんね。
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