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バラエティ番組のADに、仕事内容とオンエアまでのスケジュールについて聞いてみた

バラエティ番組のアシスタントディレクターに、自身の仕事とそのスケジュールについて聞いてみました。

 

彼が担当しているのは、毎週土曜日深夜に放送している30分のレギュラー番組。

スタジオトークとVTRで構成されています。

 

町で見つけた素朴な疑問を番組で検証したり、実験したり、専門家に解説してもらう、という内容です。

 

スタジオ収録は、隔週で2本撮りが基本。

つまり、二週間ごとに2回分のオンエアの収録をしています。

スタジオ収録に合わせてスケジュールが動いていくんです。

 

オンエアまでの流れは

  1. 企画会議
  2. VTR部分のロケ
  3. スタジオ収録
  4. 仕上げ

アシスタントディレクターが大きく関わるところや、デキルADはどんなことを意識しているのか、を重点的に話していただきました。

 

 

スタジオ収録は2本撮りですが、オンエア1本ごとに番組チームが構成されています。

番組チームごとに、週に一度、企画・構成会議が行われます。

 

会議に集まるメンバーは、

  • プロデューサー
  • 総合演出
  • 放送作家
  • ディレクター
  • AD

など番組制作に携わる人たち。だいたい、15人から20人くらいです。

 

この会議のためにADは、

  • 会議室をキープ
  • 会議のセッティング
  • 議事録作成
  • バラシ

をします。

 

「バラシ」とは、業界用語で「片付け」などの意味ですが、この詳しい説明は、バラシの項目でしていきます。

 

会議室をキープする!

 

番組プロデューサーと相談しながら、テレビ局内の会議室をキープします。

局内では、今現在オンエアされている番組や、次の時期に始まる新番組の準備、BSやCSの番組など、常時たくさんの番組が動いているので、希望の時間や人数が収容できる会議室を探すのはけっこう大変。

 

ただ、会議や収録は「曜日」でフィックス(固定)されているので、番組の定例会議ということで、毎週○曜日のこの会議室は、この番組でキープしてある、ということを周知させておきます。

 

チーフADは、会議に出席する関係者たちに、会議室の場所、開始時間、議題などを全体メールで共有します。

 

会議のセッティング!

 

会議が円滑に進むかどうかは、ADの手腕次第。

ADはプロデューサー・ディレクターよりも早く会場に入り、机や椅子の配置を整えます。

 

近年、パソコンやタブレットによるペーパーレス化が進んでいるので延長コードなどを各机に張っておくことも必要です。

 

逆にペーパー会議の場合は、会場のセッティングと資料印刷で、複数のADで仕事を分担し、時間厳守で会議がスタートできるように動かなければなりません。

会議が始まる時間には、各机に資料が置いてあるといいですね。

 

会議室の入口に色ペンを数十本置いておくと”デキルAD”と思われるかもしれません。(ディレクターは筆記用具を持ってないことがあるので…)

 

参加スタッフの構成によって、何が必要だろうか?と考えて、用意しておくことがデキルADと言えそうです。

 

議事録の作成!

 

「議事録作成」は会議で話し合われた内容をまとめる作業です。

番組によって既存のフォーマットがある場合もあり、それに沿ってまとめる形です。

 

会議中は議事録のためにゆっくり会話をするようなことはありません。

思い付いたことを激しく論議します。

 

綺麗に書くというより、とりあえず漏れがないようにしっかり書き留め、会議が終わってすぐまとめる。

 

ここで意識すべきことは”会議に参加していない人が見ても会議内容が理解できること”です。

そのためにはネットのリンクを貼ったり画像資料などがあるといいかもしれません。

 

記憶が新しいうちにまとめます。完成したら、制作関係者に全体メールで共有します。

 

あとでやろう、落ち着いたらやろう、明日つくろう、ではなくて「すぐ書く!すぐ送る!」が鉄則です。

 

会議の締めの「バラシ」って?

 

「バラシ」とは「片付けのこと」です。

会議に限らず、ロケの片付け・編集所の片付けなども業界ではバラシと言います。

「〜をバラシといて」とは〜を片付けとくことを指します。

 

会議室は、原状復帰が基本。

使う前の状態にもどしておかねばなりません。

 

ADは、スタッフが退出するのを見計らって、残っている資料やゴミを片付けます。

 

資料には個人情報が書かれていたりしますので、ゴミ箱に捨てるのではなく、シュレッダーにかけるなどしておきます。

 

ちなみに、タレントさんやレポーターさんが入るロケの場合、彼らの撮影が終わることも、バラシといいます。

「○○さん、バラシです!」「○○さん、バレです!お疲れ様です。」と言います。

 

また、キャンセルすることもバラシといいます。

ロケや収録でおさえていた日程が、いろいろな条件でロケや収録ができなくなることもあります。

そういう日は「ロケをバラシてくれる?」とか「この日の収録はバレだから。」と言います。

関連記事:テレビ制作の仕事に関する面白い専門用語

 

収録にむけて、ADは何をする?

 

会議で収録の企画/ネタが決まると収録に向けて動きます。

ここからの作業は

  • 「リサーチ」
  • 「仕込み」
  • 「ロケ」
  • 「サブ出し編集」

 

ロケ

 

収録に向けての時系列的には上記ですが、軸となるのは「ロケ」でそこからの逆算になりますので「ロケ」から説明します。

 

「ロケーション」の略語で番組制作においてメインの業務です。

カメラを持って、芸能人などの出演者がいて、撮影の会場があります。

 

リサーチ

 

ロケを成功させるために、撮影場所を”探す”「リサーチ」。

 

撮影の場所を”抑える・発注する。芸能人や専門家などに出演交渉をする”「仕込み」。

 

このリサーチと仕込が、ADのメインの仕事。

 

「リサーチ」はインターネット・書籍、いままでの経験などを駆使して企画に沿った場所や、実験、芸能人の方、専門家を探す作業です。

ディレクターが作りたいVTRを実現するため、”どれだけイメージに近い物を見つけ出せるか”が重要です。

 

ディレクターの感性をどれくらい感じとれるか、ディレクターとどのくらいコミュニケーションがとれるか、がADの能力が問われるところです。

 

仕込み

 

「仕込み」とはリサーチで上がった候補をディレクターに確認の上、先方に連絡しロケ・出演をしてもらう作業です。

 

リサーチの”どれだけイメージに近い物を見つけ出せるか”に加え、”それを実際にロケできるように交渉すること”もアシスタントディレクターの腕の見せ所です。

 

仕込みの際には電話のマナーなどが必要になるので学んでおくと良いでしょう。(基本的にこの業界に研修のようなものはないです…)

 

20代はじめのADさんだと、電話をする経験が少なく、電話をかけるのがストレス、という方も多いんです。

 

大事なのは、番組の趣旨、相手に求めること、収録の日程や拘束する時間、放送予定日などを伝えることです。

電話は場数をふむことで慣れます。

 

ロケ準備

 

「ロケ」は番組制作においてメインの業務です。ADのやることは多岐にわたり、ロケ準備だけでも

  • 「スケジュールの作成」
  • 「機材の発注」
  • 「備品・必要書類の整理」

などがあります。

 

「スケジュール作成」はそのロケの流れ、撮影内容などをA4一枚にまとめて一目で情報共有ができるための資料を作ります。

 

時間の経過や先方の住所・電話番号などわかりやすくまとめられると良いですが、その分機密書類になるので取り扱いは厳重注意です。

 

「機材の発注」は、撮影機材(カメラ、照明、音声)など必要なものを担当部署などに発注します。

 

発注して5分10分で手元に来るものではないので準備期間を確認の上、最低でも2〜3日余裕を持って発注しなくてはいけません。

 

特殊なカメラや照明機材で撮影したい場合は、在庫がない場合もあります。

カメラマンやテクニカルディレクターと事前に相談して、用意してもらうことが必要です。

 

機材は日に日に技術が進んでいっていますから、常に新しい情報を技術スタッフと共有するのも、ADには必要なこと。

 

何をどういう風に撮りたいのか、というのはディレクターの範疇ですが、ゆくゆくはADもディレクターになるので、撮影機材を知っておくことは大切です。

 

「備品・必要書類の整理」はそのロケで必要な収録メディア・文房具類・台本・カンペ・小道具などの必要備品の整理です。

 

数分で準備は終わるものなので後回しにしがちですが、直前のバタバタ緩和のためにもロケ前日の準備をお勧めします。

上記の準備が終われば、実際のロケ開始です。

関連記事:番組リサーチの仕事ってどんなことしてる?どんな働き方?

 

制作のメイン、「ロケ」でのAD心得!

 

「ロケ」において心掛けるべきことは

  • ”円滑に進めること”
  • ”ディレクターの負担は0に”

です。

 

「円滑に進める」には、時には先輩であるディレクターにでも指示を出すことも必要になります。

 

お店の営業時間や施設の利用時間が決まった中で行なうことなので、言い方を工夫してディレクターを操作しなければいけません。

 

キツキツなスケジュールのロケで予定よりも捲いて(早く)終わることができた時の気持ち良さはたまりません。

 

「ディレクターの負担は0に」というのは、ディレクターは自分の考えたVTR構成のパズルを埋めるようにロケをします。

 

放送されている番組は、アウトプットの結果であって、放送されている流れの通りに撮影しているわけではありません。

 

効率よくロケしていくことが必要なのですが、ときにはアクシデントでその通りにいかないこともあります。

アクシデントと言っても必ずしも悪いとは限りません。

 

それによって、奇跡的な瞬間が撮影できたり、笑いになったり、事前の構成では予定していなかったものが撮れることもあります。

要素として面白ければ、それが生きる形にして、パズルに入れ込まなければなりません。

 

どこを削ってどういう風に入れ込むか瞬時に考えて、より良いVTRを作るために、ADがロケの遂行を一任されて、ディレクターは構成・演出に集中させてあげれると良いロケだと思われます。

 

ロケが終わると、今度は、スタジオ収録に備えてディレクターの指示に沿って準備をします。

関連記事:テレビ業界の仕事を実際にしてみて感じたギャップを現役ADにインタビュー!

 

スタジオ収録でのADの仕事

 

「スタジオ収録」に関してもADの主な作業は「準備」と「バラシ」。

 

スタジオ収録の場合、準備とは、「スタジオのなかに制作ブースを作成」するのです。

収録台本の作成、ペンやガムテープなどの文具・カンペの用意、インカム・収録メディアの置き場となるようなブースを作ります。

 

ブースに置くものの準備もADの業務です。

同様に「収録後のバラシ」は制作の用意した物を片付けます。

 

スタジオも、原状復帰が鉄則です。元通りに戻しておくことがADの仕事です。

 

そして数週間後に迎えるであろうオンエアに向けて「本編作業」へとつながります。

本編作業しながら次の収録の動きが同時並行にあるようなスケジュールを繰り返しています。

 

ADの仕事って、「準備」と「バラシ」なんですね。

関連記事:地方出身者がADとして東京に上京してきて働く苦悩と乗り越え方

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テレビ制作歴25年。テレビの業界の内側と、テレビ番組の裏側をわかりやすく発信していきます。

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