これからテレビ業界へ入りたいと思っている人の中には、「テレビ業界はやっぱり男性社会」と考えている人も少なくないのではないかなと思います。
特にディレクター職に関しては、男性の方が多いです。
最近はディレクターが番組の中で映されることが増えましたが、テレビに出演しているディレクターは女性ばかりですよね。
これからテレビ業界に入って、番組作りをしていきたいと思っている女性の方に、仕事の中で男女の差がどれくらいあるのか、女性にとってどういうところが大変なのか、ということを解説してみたいと思います。
入社時は男女比は同じくらい
実は入社時は男女比は同じくらいです。
体感だと女性の方が多い時もあるくらいですね。
入社の時点で男性の方が多いのではないかと思っている人もいるかもしれませんが、最近はかなり傾向が変わって、女性が本当に増えました。
社会で働く女性が増えたというのもあって、テレビ番組でも女性が注目するテーマを扱うことが増え、そういった番組ではやはり女性の視点が必要になるので、自ずと制作スタッフにも女性が入ることが多くなります。
やはり女性をターゲットにした番組というのは女性のディレクターが担当した方が良いでしょうし、女性ならではの視点が求められることだってあるんですね。
数は確かに少ないのですが、ディレクターとしてバリバリ活躍している女性もいるんです。
未経験でテレビ業界に入ると、最初はアシスタントディレクターとして働き始めることになります。
この時点では男女比はほぼ5:5くらいで、女性もたくさんいるんですね。
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結婚出産で辞めてしまう人が多い
そんな中でやはり女性ディレクターが少ない原因として挙げられるのが、結婚出産によって業界を辞めてしまう人が多い、というところでしょう。
産休制度が取り入れられている会社もありますが、まだまだ数が少ないというのもありますし、何より、ディレクターとして一番頑張らなくてはいけない時が結婚や出産を考える年齢と同じくらいである、というのが大きいのではないかと思います。
例えば新卒で22歳で番組制作スタッフとして働き始めたら、3年〜5年ほどアシスタントディレクターとして経験を積んで、その後新人ディレクターとしてデビューします。
最初から番組全てを任されるわけではなく、まずはコーナーを担当したり、先輩ディレクターに一緒についてもらってディレクター業をしたり…いわゆる修業期間となります。
この期間が25歳〜28歳くらいにあたってしまうわけです。
とにかくこの期間は仕事を選ばず「なんでもやります!」という勢いで頑張って自分のキャリアを確立させていかなくてはいけない期間になります。
そういう期間と結婚・出産の時期が重なってしまうと、どちらかを選ばなくてはいけない、というようなことになりがちです。
もちろん結婚・出産・子育てをしながらディレクター業もこなす女性がいないわけではありません。
しかし周りの協力は必須になりますし、ご家族の相当な理解がないと難しいというのはあると思います。
特にディレクターになったばかりの頃は編集が終わらず、泊まり込みで作業をするということも珍しくないですからね。
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AP、Pに進む人も多い
アシスタントディレクターののちにディレクターにはならず、(もしくはディレクターも経験した上で)アシスタントプロデューサー(AP)やプロデューサー(P)になる、という方も多いです。
プロデューサー業の場合はずっと現場についていなくてはいけないわけではないので、結婚・出産などと両立しやすいというのもあり、女性の場合はこちらの道に進む人が多いですね。
特にAPはプロデューサーとディレクターとアシスタントディレクター、全てのスタッフの橋渡し的な立ち位置になるので、コミュニケーション能力が高い人が多い女性には最適な役職なのではないかと思います。
女性がサポートしてくれることで雰囲気が和みやすいというところもあります。
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サポート気質の人も多い
ディレクターは制作現場では総指揮をとるリーダーであり、決断を迫られる機会が非常の多いです。
そういったことを考えると、「どちらかというと先頭に立って人をまとめるというよりは、みんなのサポートをしていく役割の方が自分には合っている」と考える人が、女性の場合は多いと思います。
もちろん男女を一括りにしてしまうのは少し主語が大きすぎるとは思いますが、傾向としてはそういった傾向が強いように感じますね。
できればアシスタントディレクター時代に色々な番組を経験し、自分が本当にやりたいこと、自分に合っている立ち位置はどこなのか、ということを模索して欲しいです。
