テレビ業界の裏話

BPOが「痛みを伴う笑い」を審議、バラエティ番組はどう変わる?どういう意味なの?

先日、笑ってはいけないシリーズの休止がツイッターでトレンドになっていました。

概要はYahooニュースのものをご覧ください→「日本テレビ、大みそか15年放送の「笑ってはいけないシリーズ」休止 新コンセプト6時間生放送お笑い特番に」

毎年日テレで大晦日にやっている笑ってはいけないシリーズは15年続いている名物番組ですが、今年はこの放送の代わりに6時間生放送のお笑い特番「絶対笑って年越したい!笑う大晦日」(仮)を放送するとのことです。

私も好きでよく見ていたので、これはかなり衝撃的でした。

このようなことが起こった背景にBPOが「痛みを伴う笑い」を審議することになるかもしれない、というものがあります。

テレビ業界に身を置いている人なら、これがどれだけ大変なことなのか、ということがわかると思いますが、今回はこの内容について、詳しく解説していきたいと思います。

BPOとは?

BPOとは放送倫理・番組向上機構のことで、BPO公式HPには以下のような記載があります。

放送における言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対応する、第三者の機関です。
主に、視聴者などから問題があると指摘された番組・放送を検証して、放送界全体、あるいは特定の局に意見や見解を伝え、一般にも公表し、放送界の自律と放送の質の向上を促します。
※BPOはNHKと民放連によって設置された第三者機関です。

BPO公式より

テレビ番組は編集を入れて放送をするものですし、制作者の意図でどのようにでも表現ができてしまうものです。

だからこそ、第三者機関としてテレビを監督するような立場のBPOができました。

テレビ制作の現場ではBPOからのお達しは絶対、というような、かなり強い権限を持った機関でもあります。

普段からBPOの審議というのは色々な番組に入っていて、審議が入った場合「問題なし」という結果になることもありますが、

  • 検証番組を放送することになる
  • 番組への改善命令が出る
  • 番組が打ち切りになる
  • 審議の結果、テレビ業界全体のルールが変更になる

といった影響が出ることもあります。

関連記事:テレビ番組制作過程を解説します!

「痛みを伴う笑い」を審議、とはどういう意味?

今までのBPOの審議入りというのは、大体の場合が何か番組で問題があった上で審議が入る、というパターンが多かったのですが、

今回の「痛みを伴う笑い」を審議するというのは、特に何か大きな問題があったり特定の番組で何かが起こったわけでもなく、突然BPOがバラエティ番組全般に向けて問題提起をした形になりました。(発端は青少年委員会というBPOの中の中高生会員から「いじめを助長する可能性がある」という意見が続いたことにより、問題提起に至ったということなのだそうです。)

「痛みを伴う笑い」というのがどういったものを指すのかというと以下のようなものです。

  • 笑ってはいけないシリーズのように笑ってしまうと叩かれる、といったもの
  • 落とし穴系
  • ドッキリ企画など
  • 罰ゲーム(苦い飲み物、くさいものなどなど)
  • 激辛料理系

バラエティはよく見る構図ですから、これがどれだけバラエティ番組に影響を及ぼす可能性のあるものか、ということがよくわかると思います。

また、物理的な痛みだけでなく精神的な痛みも含むのであれば、将来に対して悪いことを言って脅すような形になってしまう占い系の番組や、無人島で生活したり脱出したり、といった番組も難しくなってくるかもしれません。

痛みの定義も幅広いですから、判断が難しいですよね。

まだ審議結果が出た状態というわけではなく、そういった話し合いがされましたという段階ですので、今後いきなりバラエティで痛みを伴う笑いが禁止される、というわけではありません。

ただ笑ってはいけないシリーズが休止となったことにより、確実に影響は出ているのかな、と思います。

関連記事:バラエティ番組のディレクターってどんな人?何が求められる?

時代とともに変わるテレビ番組制作

笑いというのは本当に難しくて、長く芸能界で活躍をされている方も、最近のテレビ番組の見せ方に戸惑いを感じているように思います。

例えばとあるバラエティ番組で、キャリアの長い女性芸人さんが「最近ブスって言われなくなってしまった」というお話をされていました。

当人としては「ブス」と呼ばれることは「おいしい」と感じているのに、容姿いじりをすることが番組の表現としてできなくなったので、プロレスができなくなってしまったというお話です。

似たような話は色々なところで聞きますね。

テレビ制作の現場において、最近はコア視聴率が重要視されてきており、それによってまた若い人たちをターゲットにした面白い番組が増えてきていると感じていたのですが、多くの人に見てもらうことができるテレビは、それゆえに影響力も大きく、さまざまな面で配慮をして制作を行わなくてはいけない大変さがあると思います。

関連記事:コア視聴率とは?変わる視聴率計測と番組作りの方針

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長倉 さやか
テレビの広告代理店「ライズアドバート」の長倉です。テレビでCMを打つ、となると身構えてしまう人がたくさんいると思います。でも実はテレビ広告はやり方によっては手軽に、そして楽しく挑戦してみることのできる広告です。テレビの楽しさを多くの人に知ってもらえるように執筆していきます。 番組制作を行うライズプランニングではサポートも行っています。


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