テレビ番組制作の現場ではプロデューサーという言葉をよく聞きますが、CM制作の現場にもCMプロデューサーという仕事があります。
今回はこのCMプロデューサーについて、仕事内容やどうやってなるのかを解説してみたいと思います。
CMプロデューサーの仕事内容
CMプロデューサーはクライアントとCMを実際に制作する映像スタッフたちの間に立ち、クライアントが希望するCM内容が希望の予算やスケジュールで制作できるかなどをアドバイスし、実際の映像スタッフなどを集めて指揮し、制作進行を管理していく仕事です。
実際に映像を制作するのは制作スタッフなのですが、制作スタッフとクライアントが直接やり取りをするのではなくその間に立つのがCMプロデューサーです。
もしくは広告代理店と制作スタッフの間にCMプロデューサーが入ることもあります。
クライアントや広告代理店が「こういうCMにしたい」とイメージする内容は、しばしば制作サイドから考えると「伝わる内容のCMではない」ということがあるんですね。
制作スタッフは映像を制作するプロフェッショナルですから、人の心に響きやすい映像がどのような映像なのかということを熟知しています。
それは映像の技術的なところも含めてです。
それに対してクライアント企業というのはほとんどの場合がテレビCMを制作するのが初めてだったりあまり経験がないことだったりするものです。
作りたいCMと心に響くCMにキャップがある可能性があります。
それらの溝をうまく埋めるための着地点を模索するのがCMプロデューサーだと言えるでしょう。
内容はもちろんは実際にCMを作るスケジュールなどの進行も行います。
イメージするようなCMを制作するまでに具体的にどれくらいの時間がかかるのかということは制作の工程や、技術的に必要なことがどのような事なのかということが分かっていないと導き出すことができません。
実際に映像を制作するのは映像制作スタッフですが、CMプロデューサーも制作の内容を理解しておく必要があります。
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CMプロデューサーになるまで
CMプロデューサーとしての仕事をに特に必要な資格があるわけではありません。
基本的には広告代理店や広告制作会社へ就職し、初めはアシスタントのような役職からスタートして経験を積み、CMプロデューサーになっていきます。
特に専門学校に通っている必要はなく、大学でも「この学部に入るべき」というような学部があるわけではありません。
もちろんメディア関係の勉強をできる大学や専門学校であれば、就職してから良いスタートダッシュを切ることができるかもしれませんが、ほとんどの人が未経験のまま現場に入って、そこで初めて現場に触れ経験を積んでいきます。
企業によっては営業部やデザイナー、コピーライターなどの仕事をしながらCM制作の仕事に関する経験を積んで行く場合があります。
実際に自分が制作に携わることによってCM制作の流れやスケジュール感を把握するためです。
テレビ番組制作の現場で言うアシスタントディレクターのような位置の仕事をすることもあるでしょう。
実際にテレビ番組の制作の現場からCM制作の現場に移っていく人もいます。
番組とCMだと作っているものが違うので多少の勝手の違いはありますが、映像を作るという根本的なところが共通しているので、かなり転職もスムーズなようです。
CMプロデューサーが関わる人
前述したようにCMプロデューサーはクライアントと制作スタッフの間に立って、CMのスケジュール管理や進行管理をしていきます。
また編集スタジオとのやり取りなども請け負うため関わる人が必然的に多くなります。
CMを制作するにあたって色々な人の意見を取りまとめてマネジメントしていくような仕事になりますので、それぞれの希望を汲み取った上で現実的に制作をしていくことができるかどうかということを考える力が必要になります。
多くの人と円滑なコミュニケーションを取ることができる人でなくてはいけません。
さらにその多くの人たちの意見を皆が納得する形で導いていかなくてはいけないのです。
人が思い描いていることに寄り添って、意見を汲み取り形にしていくことができる人でないとCMプロデューサーはできません。
特に資格が必要な仕事というわけではないのですが、経験はもちろん周りの人に認めてもらう力が必要になります。
この人であればCMプロデューサーとしての仕事を任せても大丈夫だろうと思ってもらえる人でなくてはいけないのです。
そのために映像を作るにはどのような技術やスタッフが必要なのか、そのためにどれぐらいの労力が必要なのか、ということも学んでおかなくてはいけません。
大学や専門学校を卒業した後は広告代理店か映像制作会社に就職すると良いでしょう。
