テレビ業界の裏話 PR

女性のディレクターが増えてきたわけ

女性ディレクター
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

テレビの現場は重労働で、男性が多い、というイメージがある方は多いかと思います。

関連記事:テレビ業界は過酷なところなのか?

 

しかし最近、テレビのディレクターに女性が増えてきています。

番組によっては、女性のほうが多い制作現場も見受けられるようになりました。

 

ではなぜ女性のディレクターが増えてきたのか、その理由について話してみたいと思います。

 

女性ディレクターが働きやすくなった理由

 

 

理由① 機材が扱いやすくなった

 

以前はカメラマンがカメラを担いでいましたが、そのころのカメラは、7,8キロはあったんではないでしょうか。

肩に担いで、ずーーっとほぼ1日立ちっぱなしの過酷な仕事でした。

ほとんどのカメラマンは、腰痛かヘルニアかぎっくり腰が持病で、体を痛めて引退する人が多かったものです。

 

今はかなりカメラがコンパクトになり、力のない女性でもずいぶん扱いやすくなっています。

とはいえ、一つのカメラにカメラマイクを付け、照明も付け、レンズを付け、三脚も取り付けると、あっという間に7,8キロになってしまうのですが。

 

理由② 編集ソフトが使いやすくなった

 

編集ソフトも扱いやすくなり、以前と比べて感覚的に編集ができるようになったことは大きいと思います。

 

仕事の内容も、女性ディレクター特有の能力が発揮できることが多いです。
調べものをしたり、リサーチのために電話でお話しを伺ったり、お会いして話を聞くということもあります。

 

許可申請をとるために、細かくて、複雑な手続きが必要だったり、

外でロケするときに見学されている方々に声をかけたり、

というのは、女性の方が適応力があるでしょうし、声をかけられる側も女性の方が話しやすいという点もあるでしょう。

関連記事:テレビの街頭インタビューのコツ

 

もちろん、人それぞれですから、女性でもそういう作業が苦手な人もいれば、男性でも得意とする人は多くいます。

 

ただ、一般的には知らない人にでもすぐに仲良くなれる能力は、女性のほうがあるかと思います。

視聴者層が女性という番組も多いので、女性のディレクターの感覚が大事にされる現場も多くあります。

 

女性ディレクターの働き方

 

女性ディレクターが増えてきたとはいえ、

女性には妊娠、出産といった人生のイベントもありますし、結婚して家庭をもってからも仕事と家庭を両立することはできるのでしょうか?

 

この問題は、一昔前までは、難しいとされてきました。

必ず深夜作業はありますし、休日にロケや編集作業をすることもあります。

ある女性ディレクターは、子育てが始まると同時に、会社を辞めて、フリーランスになることで家庭とディレクターの仕事を両立させていました。

 

ロケハンやロケで地方に行くときは、パートナーもしくは、ご両親に協力してもらって、子供の面倒をみてもらうか、保育サービスを使うかします。

編集作業は、尺を調整する編集までは、自宅でやらせてもらうことで、育児隙間の時間を縫えばなんとかなります。

スタジオにこもっての編集作業のときは、周りのスタッフに事情を説明して、子供を連れて行っていたそうです。

 

両立するのは大変だったようですが、子供を産むまでにフリーランスとしてできるレベルにまで自分を成長させたから、できたことだと話していました。

 

子育てで大変でも、その女性ディレクターが仕事を辞めなかったのは、女性ディレクターの仕事をずっと続けたかったからだと言います。

子育ての期間は子供が手を離れればある程度落ち着きます。

子育てが落ち着いて、また元どおりのディレクターの仕事スタイルに戻りたかったから、子育ての間少し収入が減っても、ディレクターの仕事を続けていることに意味があったのでしょう。

関連記事:テレビディレクターには、いつなれるの?

 

フリーランス以外にも働き方はある

 

先述した女性ディレクターは子育ての間、フリーランスでディレクターの仕事をする、という道を選びましたが他の選択肢ももちろんあります。

 

現役のディレクターやプロデューサーで子育て中の方はたくさんいます。

テレビ番組は、多くのスタッフで成り立っている仕事です。

報道や、毎日放送されている生放送の番組であれば、50人、60人ものスタッフが関わって制作されています。

 

子育ては、お子さんの性格や体力にもよりますが、数年間で区切りが見えるものなので、お子さんの協力や理解が得られ、スタッフの理解も得られれば、両立は可能なのです。

 

ただし、自分が協力をお願いしたら、今度は、周りのスタッフの協力を引き受ける番が必ず巡ってきます。
子育てもそうですが、家族の介護、という場合もあります。

子育て、介護は、順番にめぐってくるものであり、長い目でみれば平等に訪れる機会なのです。

 

子育てや介護をしながらのディレクター業、プロデューサー業というのはやはりスキルアップ、レベルアップは難しいですが、

仕事をし続けることで感覚を失わずにすみますし、能力をキープさせることはできます。

女性ディレクターも、子育て、介護で仕事をあきらめずに、続けていってもらいたいと思います。

関連記事:アシスタントディレクターの志望動機はどうやって書けばいい?

 

女性でもディレクターの世界へ

 

女性ディレクターがテレビの仕事をしやすくなった理由について話してみました。

 

ディレクターの仕事は機材やソフトが女性でも扱いやすくなっている事や、ディレクターの仕事現場が決して一人ではない、

などの理由から女性でも十分人生を通してやり続ける事ができる仕事になっています。

 

むしろ女性の方が向いている仕事の内容もあるので、

女性だからといって「テレビディレクターの仕事は難しいんじゃないか?」と思わず、ぜひ飛び込んでみてください。

 

こちらの記事もどうぞ:女性ディレクターが求められていた現場での話

ABOUT ME
imacharin
テレビ制作歴25年。テレビの業界の内側と、テレビ番組の裏側をわかりやすく発信していきます。


LINE@」からテレビ業界に関する質問を受け付けています。

友だち追加







    テレビ業界への転職を検討している新卒でテレビ業界へ就職したいテレビ業界に関するご質問全般