テレビ業界の裏話

街ブラロケって事前許可は取っているの?

普段テレビ番組を見ていて、タレントさんが街を歩いて偶然見つけた風にお店に入って行き、お店を紹介する、というような番組をみなさんも見かけたことがあると思います。

こういった番組は通称街ブラ番組と言われ、そのロケは街ブラロケと呼ばれます。

テレビで見る分には、本当にその時偶然お店を見つけて入っていくように見えますし、最近はタレントさん自身に交渉をしてもらう、というような企画になっている番組もありますよね。

テレビ業界に興味がある方や、これから番組制作に携わりたいと思っている方からすると「許可取りはどうなっているんだろう?」と不思議に思われると思います。

今回は街ブラロケの事前許可についてお話してみたいと思います。

許可がないと撮影・放送はできない

基本的に、どんなものを撮影するにしても許可がないと撮影や放送はできないと思った方が良いです。

許可取りは必ずしなくてはいけないもので、それがないままに放送することでトラブルになってしまうこともありますから、ここは徹底して行います。

最近よく見るドローンでの撮影も、実は撮影禁止となっている区域は多く、許可を申請しないと撮影できないところがほとんどです。

テレビ番組の撮影だから、といって特別に許可をいただいて、一般では撮影できないエリアも撮影させていただいたりすることができます。

こういった許可取りの仕事は大体ADの仕事になります。

どこに許可を申請すれば良いのか調べて、自分でコンタクトを取って許可を取らなくてはいけません。

これは街ブラのロケでも同じです。

突然お店を訪れて「撮影しても良いですか?」と言って撮影ができることはほぼありません。

飲食店などで働いた経験がある方はわかると思いますが、常に責任がとれる人がお店にいるとは限らないですよね。

オーナーに確認をしないとテレビの撮影をしていいかどうかはわからないでしょう。

本当に街ブラロケを行き当たりばったりでやっていたら、全てのお店でオーナーの確認が必要なり、ロケが全く進まなくなってしまいます。

なのでほぼ全ての街ブラロケが事前に許可を得ています。

最近は特にコロナの影響などもありますから、事前許可をとらないということは難しいですね。

お店へロケに行く際も、お店の営業を邪魔しないような時間帯、他のお客様にご迷惑をかけない時間帯を選ばなくてはいけません。

なるべく密にならないよう、最近はお店の休憩時間を撮影のために割いていただくことも多いです。

関連記事:撮影許可ってどうやってとってるの?

リアルを撮影するコツ

さて、事前許可が必ず必要なのに、テレビ番組は「今見つけたお店に入ってみましょう」という体裁で進んでいくことが多いです。

これは茶番のように感じるかもしれませんが、ほとんどの視聴者の方がその構図を見慣れていますし、そういうやり方の方がワクワク感もあるのではないでしょうか。

予定調和ではないですが、そこに目くじらを立てる人はいないでしょう。

えいぞーさん

視聴者目線でも、「テレビのあるある」として捉えている方が多いと思います!

演者さんはそういった体裁で番組を進めていくことにも慣れていますが、問題は取材先となるお店側の方達です。

初めてテレビカメラで取材を受けるとなると緊張してしまう人がほとんど。

しかし「今見つけたこのお店に入ってみましょう」といって入っていくと、お店の人は事前許可を取っていても「〇〇さんだ!」と演者さんにびっくりしたり、突然の取材に驚いた、というようなリアクションをとっていることがあると思います。

あのような自然なリアクションはどうやって撮っているのでしょうか?

可能性があるところに全部許可取りをする

取材に行く可能性があるところは全て許可取りをしておいて、実際に行くかどうかはわからない、という流れにしてあったり、

行く場所は決まっているけれど、それをお店側には「決定事項」としては伝えず、「うかがうかもしれません」という内容で伝えておく、などの方法があります。

そうすることで、お店側の方の自然なリアクションも撮ることができるわけです。

サプライズ要素を残しておく

「撮影にはうかがうけれど、タレントは誰が来るのか内緒です」という伝え方をしておくこともあります。

誰が来るのかがわからないままに大物のタレントが来てくれたら、お店の方の自然なリアクションを撮ることができるでしょう。

このように、街ブラロケでは必ず事前許可は取っていますが、それでも自然なリアクションをうまく撮影するために、色々スタッフ側も考えて仕掛けをしているのです。

事前に電話をして撮影の趣旨を伝えて許可をいただくためには、その時のコミュニケーションの取り方が肝になってきます。

ADとして働き始めて最初に求められるスキルかもしれません。

電話に慣れていない場合は、電話をする前に何を言うのか、メモでまとめておくと良いでしょう。

関連記事:番組制作会社に入って新人ADがびっくりすること

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長倉 さやか
テレビの広告代理店「ライズアドバート」の長倉です。テレビでCMを打つ、となると身構えてしまう人がたくさんいると思います。でも実はテレビ広告はやり方によっては手軽に、そして楽しく挑戦してみることのできる広告です。テレビの楽しさを多くの人に知ってもらえるように執筆していきます。 番組制作を行うライズプランニングではサポートも行っています。


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