テレビ番組制作の現場に欠かせないテレビカメラマンのお仕事。
昔はテレビ業界の技術の仕事は特に男性の仕事というイメージがありましたが、最近は機材がどんどんコンパクトになってきているのと、女性の社会進出が盛んになったのも手伝って、女性のカメラマンも増えてきました。
普段何気なく見てるテレビ番組ですが、カメラマンさんのこだわりや技によって、視聴者に分かりやすい画に仕上がっています。
テレビカメラマンの仕事の中で難しいポイントはどのようなポイントなのでしょうか?
画角はカメラマンのセンスに割とお任せ
空間の中に印をつけることはできませんので、どの角度でどの画面サイズで撮るかということは、実はカメラマンのセンスに割と任せられているところがあります。
先輩が撮った画角をそのままとればいいというわけではありません。
実際に自分がカメラを構えて画角を決めて撮影をしていく必要があります。
いろんな撮影を見て良いなと思うものを見つけセンスを磨いていく他にやりようがありませんので、何が正しいというようなマニュアルがあるものでもなく、そこに難しさを感じる人は多いと思います。
撮影をしながら失敗を繰り返して、より良いものを選び取っていく力が必要です。
例えばお料理のコーナーで調理をしているところを撮影するにしても、靴や床が画面の中に一緒に入ってしまうと汚く見えてしまいます。
どこまでも切り取って画面の中に収めるかというのは、カメラマンのセンスにかかっているのです。
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生放送では状況に応じたカメラワークが求められる
情報番組などによく見られる生放送のスタジオでは複数台のカメラを同時に回しています。
4台から5台ほどカメラを構えてそれぞれのカメラで撮影をしているのですが、タリーと呼ばれる赤いランプが光っているカメラの映像がそのまま放送に乗ります。
例えば5台のカメラがあったら、1番カメラ→3番カメラ→2番カメラ→5番カメラ→4番カメラ→1番カメラ…というようにそれぞれのカメラが撮っている映像の中からカメラを選んで放送をしています。
このカメラの切り替えを行う人をスイッチャーといって、スイッチャーは主に副調整室(サブ)でスイッチコントロールを行なっています。
それぞれのカメラには「ゲストを主に撮影するカメラ」「レギュラー陣を撮影するカメラ」など、役割が与えられているものですが、
それでも状況に合わせて臨機応変に撮影するものを選び取っていかなくてはいけません。
ずっと同じ人を追いかけ続けていれば良いというわけではないのです。
生放送の場合は特に選ばれたカメラの撮影している映像内容がそのまま放送に乗りますので大きなプレッシャーがあります。
また別のカメラの映像が使われているからと言って気が抜けるわけでもありません。
いつどのタイミングで自分の撮影している映像が放送に使われるか分からないので、撮影の間はずっと気を張り詰めていなくてはいけないのです。
番組切り替えで別のカメラの操作も
番組のオープニングなどでよく使われるクレーンカメラというものがあります。
とても大きくって扱いの難しいカメラですがオープニングでしか使われないこともしばしば。
つまりクレーンのカメラを使って撮影をした後にすぐに別のカメラに映らなくてはいけなかったり、逆にエンディングでクレーンカメラを使って、その後今まで自分が使っていたカメラをすぐにはけさせなくてはいけない、みたいなこともあります。
生放送の番組を担当していると、特にそういったスピード感が求められるので大変です。
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カメラの映像だけ見ていればいいわけじゃない
カメラで撮影しているとどうしてもモニター越しに映像を確認することが多くなってしまうと思いますが、肉眼で実際のものを見て本当にその画角で良いのかという確認をするとうまくいくことがよくあります。
カメラの映像だけ見ているとどうしても画面が狭いので実際に起こっていることを把握するには肉眼でしっかりと観察をするということが大切です。
だからこそ集中力は必要なのですが集中しすぎてはいけないという難しさもあります。
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屋外での撮影はセッティングから始まる
例えば屋外で撮影をしなくてはいけないようなことがあると機材のセッティングを一からやらなくてはいけません。
もちろんディレクターやアシスタントディレクターなども手伝ってはくれますが機材の運び出しやセッティングなどもカメラマンの仕事になります。
規模にもよりますが大きな撮影がある時はそれなりの機材を持って行かなくてはいけないので体力も必要になってくるでしょう。
機材がコンパクトになってきたとはいえ遠い距離からしっかりと撮影をしなくてはいけないような場面では大きなカメラがまだまだ必要になります。
センスだけではなく体力も必要になる仕事です。