未経験でテレビ業界に入る場合は、最初はアシスタントディレクターとして働き始めることになります。
ディレクターについてまわって、番組制作の全体の流れを学んだり、どんな仕事があるのかを覚える期間になりますが、大体3〜5年ほどアシスタントディレクターとして経験を積んで、ディレクターやAP(アシスタントプロデューサー)になる方が多いです。
テレビ番組制作と聞くと、とてもクリエイティブな仕事のように感じるかもしれませんが、ADとして働き始めると、その仕事がいかに地味であるか、ということを痛感すると思います。
テレビは一見とても華やかな世界ですが、裏でやらなくてはいけないことは果てしなく細かいことが多く、派手なお仕事よりも地味なお仕事の方が圧倒的に多いです。
そんな中で、景色の良い場所、今話題の場所、人気の場所に行くことができるのがロケ。
ロケの仕事は準備は大変でも、当日は外に出て働くことになるので、楽しいと感じる人が多いようです。
それなりにADとして力がついてきたら、当日の荷物チェックなどもADが行います。
ロケではどのようなものを持っていくのでしょうか?
とあるロケでの持ち物を紹介していきたいと思います。
カメラ機材
必ず必要なカメラ機材。
会社の備品を持っていくこともありますし、レンタルした機材を持っていくこともあります。
最近は性能の良い小型カメラが多いですから、演者さんに直接機材を持っていただくということも増えました。
画角が広く撮れるGoProは動きの多いロケだったり、リアクションを撮る時に重宝します。
最近演者さんに持っていただく機材ではDJIのOsmo Pocketが本当に多くなりましたね。
テレビを見ていてもOsmo Pocketを持っている演者さんが映っていることも多いので、ぜひ注目してみてください。
カメラはもちろん、バッテリーも持っていくのを忘れずに。
ロケの場合は予備のバッテリーなども持っていきます。ちゃんと持ってきたのに充電を忘れていた、ということもありますので注意が必要です。
関連記事:カメラワークと画角に関する撮影用語解説
メディア
機材だけでは撮影はできません。
メディアを必ず持っていきます。
以前はテープのことも多かったのですが、最近はSDカードが主流です。上記にあげた機材も記録はmicroSDですからね。
容量の多いSDカードを使っていても、どうしてもロケとなるとカメラ台数も多くなったりして複数のSDカードの管理が必要になりますが、SDカードは本当に小さくて失くしてしまいがちなので、きちんと保管・管理ができるようにSDカードを入れる収入トレーなどを使っていることが多いです。
とはいえ納品はXDCAMと呼ばれる形式だったりするので、編集ではまた違うメディアを使うことになるのがややこしいところ…
SDは急遽外でも買えますが、XDCAMに関しては家電屋さんですぐ買えるものでもないので忘れたら大変です!
台本・カンペ
台本は余分に印刷して持っていきます。
移動中や現場で確認をするので忘れないようにしましょう。
また、カンペもその場で書くこともありますが、基本的にはあらかじめ準備しておいたものを使います。
カンペによく使われるのはマルマンのスケッチブックです。
関連記事:カンペの作り方!誰が作って誰が出すの?
撮影禁止のプラカード
現場によって形状は異なるかと思いますが、撮影禁止のプラカードも持っていきます。
これはロケ中にADが持って歩いて、歩行者や一般の方向けに「撮影しないでください」ということをお伝えするためのものです。
特に街中のロケの場合は、交通整理や一般の方への声かけなどもADのお仕事になります。
バインダー
これはどのようなバインダーでも大丈夫です。
一般の方がインタビューなどで出演してくださった時に、必ず承諾書にサインをいただきます。
テレビ出演に関する内容が書かれたもので、サインをいただく時に使うためのバインダーですね。
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コロナ対策関係
コロナ禍においてロケを行う際、準備しなくてはいけないものが本当に増えました。
スタッフはマスクをした上でフェイスシールドをすることが多いです。
マスクは多めに置いておくようにしてあります。
一緒にアルコール消毒は各所に置いてありますね。
また、必ず当日体温計を使って体温測定をします。
休憩後に適宜行ったりすることもあります。
コロナ禍ではこういった今までかからなかった経費がかかってきたり、そもそもスポンサー企業が減ったりして、3割以上予算がカットになってしまった番組も多く出ています。
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今回はロケでの持ち物について解説してみました!