テレビ業界で働くことになると、未経験の方の場合は最初はアシスタントディレクターとしてキャリアをスタートさせることになります。
ディレクターやプロデューサーになる場合でも、ほとんどの場合がこのアシスタントディレクターという仕事を経験して、番組制作に携わりながら色々なことを覚えていき将来的にディレクターやプロデューサーになっていきます。
ではAD期間はどのような仕事をするのでしょうか?
今回はADのロケのお仕事について、どんなことをやっているのか少し紹介してみたいと思います。
インサート撮り
ロケと言うと芸能人が外にロケをしに行くのに一緒に同行するというイメージが強い人も多いと思います。
もちろんそれもロケのお仕事の一つではあるのですが、インサート撮りと言ってスタッフだけで行くロケもあります。
インサートというのは場所やお料理などを紹介するときに、風景の映像やお料理の映像だけが入る映像があると思うのですがそれのことを指しています。
街ブラロケなんかは、芸能人の方やリポーターと回るので回る箇所が多いとどうしてもインサート撮りを同時に行なっておくということができません。
そのため後日ロケ現場やお店などに伺ってインサートを別で撮影するということが多いのです。
インサートだけを1日に何本も取りに行ったりすることもあります。
基本的には動きのある絵が欲しいのではなく、説明的な映像が欲しいだけなので一つ一つの撮影自体はそこまで長くはかかりません。
とはいえ機材も必要になりますし、それの運び込みや現場での設置などもあるので、全体ではどうしても1時間はかかってしまうものなんですね。
撮影自体は10分程度で終わったりするんですけどね。
重たい荷物の運び出しなどはADの仕事になります。
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箸上げ
インサート撮りをする時に箸上げという独特の仕事があります。
業界のことを知らない人からするとなんのことだろうと思うかもしれません。
お食事を紹介するロケではよく見るのですが、料理のインサートを撮る時に箸で食べ物を持ち上げる動作のことを箸上げと言います。
インサートの映像に対して動きがあることによってより美味しそうに食べ物を見せるためのテクニックになります。
大体木の箸上げをやっているのはADになるのですが、意外とこれが最初は難しいもので、コツをつかむまでに時間がかかったりするんですね。
手が大きく震えてしまってうまく撮影できないというのがあるあるです。
手首を固定して震えないように食べ物を持ち上げるという練習をします。
また飲み物などの場合は、顔が写らないような角度で実際に飲み物を飲む動作をするなど、ADも撮影に協力して自分が被写体となることもあるんですよ。
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現場を盛り上げる
タレントや芸能人の方と一緒にロケを回る時は現場を盛り上げるのもADの仕事の一つです。
長時間に及ぶ外のロケの場合はどうしても体力的にきついところもあり、なるべく楽しく快適にロケをしてもらう必要があります。
そのため休憩時間に声をかけたり、楽しく過ごしてもらうために気を使うことができるといいですね。
カンペ出し
ロケだけにとどまらずスタジオ収録の場合もそうですが、カンペ出しもADの仕事になります。
その場で出さなくてはいけないようなカンペはディレクターが出したりすることが多いですが、進行に沿って出すカンペに関しては前日までに準備してあることが多いです。
決められたタイミングで決められたカンペを出すというのがお仕事になります。
進行を見ながらカンペを出さなくてはいけないわけではありませんので、落ち着いてカンペ出しを行っていきましょう。
小道具やケータリング準備
ロケで使う小道具や、タレントさん他のスタッフさんのために飲み物や食事などのケータリングを用意するのもADの仕事です。
買い出しにも個性が表れることが結構あって、飲み物もいくつかの種類を買って行って選んでもらうようにするなど、ちょっとした気を遣えるとADとして重宝がられます。
ロケでうかがったお店でランチ
実際にロケで伺ったお店で撮影に使った料理などは実際にスタッフが本当に頂いています。
もちろん別で注文するものもありますが、インサート撮りなどの時はインサートで使ったお料理をそのままいただくということが多いです。
代金ももちろんお店にお支払いします。
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ロケついでにロケハンも
ロケで移動したついでにロケハンと言って次回ロケする場所を偵察をするお仕事がありますが、これをちゃちゃっと済ませることもあります。
実際の現場の写真を撮っておいたりスマホで簡単な動画を撮っておいたりして、次回ロケに一緒に行くメンバーで共有しておくとイメージを持ちやすくなります。
どの場所に機材を置いてどの角度から撮影をするのかということもロケハンで決めることが多いです。