街私がADだったころ、タレントさんが歩道を歩いて、人物や店を発見するシーンを幾度となく撮影しました。
そのときに、「この歩道の歩きのシーンは許可は取るんだろうか?申請は必要なのか?」と疑問に思ったことがあります。
その都度、ディレクターに、「このシーンって、許可取るんですか?」と聞いていました。
ディレクターの回答は、「いらないんじゃない」
この「いらないんじゃない」というのはどうにも腑に落ちない回答で、本当は必要なんだろうけど、
「習慣になってるから、わざわざ申請しなくてもいいんじゃないの。面倒なこと聞くなよ。」というニュアンスを感じて
本当のところはどうなのかなあ、とモヤモヤしていたものでした。
許可が必要な時、不必要な時
ディレクターに「歩道の歩きで、許可を取らなきゃいけないのは、どんな撮影のときなんですか?」と追い打ちをかけるように質問したら、
「許可をとるような撮影は今までなかったからわからない」と返ってきました。
ちなみにこの会話は、20年以上前のことです。
ロケの場合、どんな撮影から許可が必要でどんな場合は許可はいらないか、というのが曖昧なときがあります。
さて、歩道のロケについてですが、プロデューサーに同じように質問したら、
「手持ちのカメラで撮影するときは、申請しなくても大丈夫」などと教えてくれた事があり、
これでようやく納得できました。
長年の経験のあるベテランディレクターであっても、慣習化されていて、許可が必要かどうか疑問にも思わない、ということがあります。
歩道での歩きのロケですが、一般的に「公道であれば、特に申請はしなくてもいい」、と考えられています。
関連記事:ADはいつからディレクターの仕事ができるようになるの?
ロケの撮影で気をつけなくてはいけない事
「公道であれば、特に申請はしなくてもいい」とは言ったものの、
気をつけなくてはいけない事もあります。
- 一般の通行を邪魔しない規模であると
- 一般の通行の邪魔をしない程度の短時間で終わらせると
これらの気遣いが必要です。
基本的にカメラは手持ちカメラであること。
リポーターは一人二人程度。
道路を占拠しないこと。
通行の案内をする人をたてる(だいたいADさんがこの役割を担います)ことなども必要です。
三脚を置いたり、ドリー(カメラを三脚などで固定させて、平行移動させる撮影)をしたり、ミニクレーンで俯瞰を撮影する場合は申請したほうがベスト。
また、人気のタレント、アイドルを歩かせる場合は、時間帯に配慮することが必要で、人通りの激しい時間帯は避けて、早朝に撮影する。
また、人だかりができそうだと想定できるなら、あらかじめ使用申請しておいたほうがいいかもしれません。
ロケの経験が浅いうち(新人アシスタントディレクターのうち)は、ロケをするに当たって申請が必要かどうかはプロデューサーに確認した方が良いでしょう。
申請をする場合は、管轄の警察署になります。
許可が出るまで約1週間程度かかります。
料金もかかりますので確認しておきましょう。
申請書類のほかに、カメラや機材の配置、動きなどを記載した近辺地図などの添付資料も必要です。
(ドラマの制作進行や助監督は、こうした書類作成や書類申請をするのが日々の仕事です)
タレントさんがいる場合、通行の誘導はADがやりますが、率先して行うのは、プロデューサーです。
プロデューサーがロケに同行するとき、撮影中はAD的な動きをしています。
これは意外なことかもしれませんね。
プロデューサーは現場で座って怖い顔をしている、というイメージがあるかもしれませんが、実は現場の雰囲気をよくするために奔走していることが多いのです。
コミュニケーション能力が高い人が多いですね。
ロケ後のクレーム
ときどき、番組に、撮影を見かけた方からお電話をいただくことがあります。
- 「撮影を見ていたら、お宅の番組ADに追い払われた」
- 「プロデューサーに向こうに行けって言われた」
など。
言った人の特徴や年齢を聞いてみましたら、ADやプロデューサーでもなく、ほかの制作スタッフでもなく、撮影スタッフでもなかった、ということがあります。
通りがかりの方にとってはその場を整理しているのはADかプロデューサーと認知されているので、こうした勘違いをされることはよくあります。
この時はタレントの新人の付き人さんや若手のマネジャーさんでした。
そうとはいえ、ロケ現場ではいちスタッフですから、丁重に対応します。
関連記事:テレビ番組ロケの現場はどんな雰囲気?同行の際、注意する事とは?
私道の場合
以上のお話は公道の場合であって、私道の場合は、必ず所有者や管理者に使用申請することが必要です。
私道の場合、知らずに入って撮影してしまうと、不法侵入とされてしまう場合もあります。
- 公道から奥まったところにある一軒家だとか
- アパートだとかの細い通り
- 舗装されていないような細い道
これらは私道である可能性も高いので要注意。
その先の一軒家やアパートに取材対象者がいて、本人たちは取材OKであっても、そのストロークの道の持ち主が取材対象者ではない、という場合は多々あります。
道の持ち主が隣人、大家さん、であれば、その方たちに前もって撮影の許可をいただいておきます。
またさらに要注意なのは、集合住宅の場合。
マンションや団地に住んでいる人のところに取材に行く場合。
共有エリアで撮影が必要なら、必ず建物の持ち主や管理者に撮影許可をとります。
マンションはオートロックの場合ですと、他の住民の方が出入りして扉がオープンになるときもありますがここで入ってはダメです。
ちゃんと、住人の方とやりとりをして、開けてもらう、できれば迎えにきてもらう、などして建物に入ります。
どんな撮影であっても、その場所で撮影隊はよそ者です。
普段その場所を使っている人たちに迷惑をかけない、不安にさせない、日常を滞らせない気持ちでお邪魔させていただく。
申請が必要かそうでないかは、その場所で撮影することでどれくらいの人が迷惑と感じるか、
また、邪魔だなと感じるか、傷つく人がいるか、不利益を被る人がいるか、を考えてみると目安になるかと思います。
関連記事:テレビの仕事のスケジュール
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