弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
昔に比べると随分番組制作の裏側というのも情報が出回るようになりましたが、それでもまだ制作の現場の雰囲気というのは分からないことが多いですよね。
どうしても情報解禁前だったり、いろいろな会社のスタッフが関わっていたりするので、制作の現場の情報というのは外に発信するのが難しいです。
今回は番組収録当日に番組制作スタッフがどのような動きをするのかということを解説してみたいと思います。
スタジオ集合、荷物の搬入
番組の収録はテレビ局のスタジオを使用することが多いですが、最近は会場を借りて外ロケのような形で番組収録をするというパターンも増えてきました。
主に結婚式場やホテルの大広間などの大きなスペースが使われます。
結婚式場なんかはすでに装飾がしてあって豪華なスペースになっていることが多いので、セットをあまり立て込まなくても画面状に映るものが映像映えするので、画作りが楽なんですね。
当日はスタジオに集合して荷物の搬入から始まります。
プロデューサー、ディレクター、アシスタントディレクターなど、立場を問わず荷物の搬入を行っていきます。
なるべくみんなで助け合って分担して行うことで、スピード感をもってこの作業を進めていきます。
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現場にはどんなスタッフがいる?
ではスタジオで番組収録をする場合現場にはどのようなスタッフがいるのでしょうか?
プロデューサー
番組の総責任者となるのがプロデューサーです。
現場での仕切りはディレクターがすべて行いますが、制作の総責任者がディレクター。
番組そのものの全ての責任者がプロデューサーという形になります。
プロデューサーは販促を行ったり、番組全体の予算管理を行ったり、スポンサーとの関係性を築いたりといった外交関係が多いとイメージして頂けると簡単かと思います。
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ディレクター
一つの番組にディレクターが複数に入ることもあります。
総合演出と呼ばれるディレクターが一番の総責任者ですね。
アシスタントディレクターを3年から5年ほど経験してディレクターになる、というパターンが多いです。
AD(アシスタントディレクター)
番組制作の現場に未経験で入る場合は、ほぼ100%アシスタントディレクターからキャリアをスタートさせることになります。
最初はディレクターのしたで仕事をしながら番組制作のノウハウを学んでいく形です。
美術さん
司会の進行台やセットとして立て込むものなどを作るのが美術さんです。
発注を受けて予算の中でイメージされるものを実際に作っていくお仕事ですね。
技術さん
マイクやカメラなどの機材を管理し扱っていくのが技術さんです。
ほとんどの方が黒い服装で現場に入ります。
他のスタッフの方にも言えることですが、これは鏡やアクリル板など反射しやすいものに自分の姿が映ってしまった時に目立たないようにするためです。
そのため裏方のスタッフ黒い服装をしていることが多いですね。
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技打ち
立て込みがある程度終わったら技術さん達と打ち合わせをします。
通称技打ちと呼ばれるものです。
台本を見ながらどのような進行をするのか、その時にスタッフにどのような動きをして欲しいのかということを確認していきます。
カメリハ
技打ちのあとはカメリハ(カメラリハーサル)です。
演者の代わりにスタッフが〇〇さん役、みたいな形で実際にその場所に立ってカメラの映りを確認していきます。
業界用語でこれをスタンドインと言います。
なるべく背格好が同じ人の代役をしますが、背が小さい人の代役をする場合は少し屈んだりして調節したりすることもあります。
ディレクター側ではカメラの映りをチェックしますが、ほとんどの場合カメラは1台ではありません。
複数のカメラで撮影を行うためすべてのカメラの映像が一つのディスプレイに出るような形になっておりそれぞれのカメラの映りを確認しながら進めていきます。
演者と打ち合わせ
ここまで全てスタッフ間での打ち合わせになりますが、その後台本を見ながら演者との打ち合わせになります。
全体の大まかな流れなど打ち合わせで確認しておきます。
レギュラーで行なってる番組などはここら辺の打ち合わせはあまり細かくやらないことが多いです。
本番スタート
いよいよ本番。
収録は実際の放送番組の尺の3倍や4倍ほど時間がかかることもあります。
1時間番組だと仮定して、収録時間は3時間から4時間。
ただ複数のカメラで撮影をしているので素材自体はさらに何倍も量があるんですね。
これを後から編集して行かなくてはいけないので編集も時間がかかるのです。
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撤収作業
本番が終わったら撤収作業。
こちらも役職問わずみんなで撤収作業を行っていきます。
撤収作業が終わった後は簡単な反省会を行って番組収録当日は終了となります。
次回もっと良い番組を作っていくためにどこを改善することができるのかということを話し合っておきます。
今回は番組収録の様子についてお話ししてみましたが、生放送で放送する番組などもありますのでやり方はこの限りではありません。
ぜひいろいろな番組制作の現場を経験した上で自分がやりたい方向性を見つけて欲しいなと思います。
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