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テレビ番組制作の「編集」はどれくらい期間をかけている?

「編集」ということばを聞くとどんな仕事を想像しますか?

雑誌や書籍の出版社では、「編集長」が一番偉くて、「編集者」がたくさん在籍しています。

雑誌や書籍の場合、記事を書くのは記者やライター、作家さんですが、

テレビ番組制作においても「編集長」にあたる役職がありますし、編集という作業があります。

 

編集。

それは膨大に、そして散漫に散らばっている情報のなかから、

ある志向でコンテンツを集めて、どんな人に伝えたいのか、とその人物像を設定し、その人がその情報を受け取れるように伝える形にする仕事のこと。

 

テレビ番組制作においても重要な作業です。

今回はテレビ番組制作における編集についてお話します。

 

元素材の長さと編集の工程

 

テレビ番組の制作工程は大きくわけると、企画→撮影→仕上げの3工程。

その最後の仕上げの工程に編集作業が含まれています。

撮影してきた映像素材がすべて揃うと、編集作業がスタートします。

 

スタジオトーク番組の場合で、1時間番組なら倍の2時間くらいを撮ってそれをまとめていきます。

単純に2時間分の素材を1時間にまとめればいいというわけではありません。

スタジオで展開させるトーク番組の場合、スタジオのカメラは4~6カメあります。

それぞれのカメラで2時間分撮っているのでトータルで10時間ほどの素材が集まります。

10時間分の素材を1時間にまとめる作業なのです。

 

ドキュメンタリーの場合、1時間番組ですと撮影期間は1か月から、長期にわたるときは3か月程度。

その間撮影日数は10日間から20日間ほど。

1日5時間撮影したら、素材は100時間を超える場合があります。

 

つまり10時間から100時間の映像素材を放送時間尺、

例えば1時間番組でしたら、CM部分を外して正味45分くらいにまとめる作業が編集です。

集めてきた映像を構成に沿って繋いでいきます。

集めてきた映像を取捨選択して、そぎ落としていく作業とも言えます。

 

仕上げの工程を細かくみていきますと…

  1. 仮編集 (「粗編集」「オフライン」ともいいます)
  2. プレビュー
  3. 白素材完成
  4. 本編集(V-Vとも、EEDともいいます)
  5. MA…ナレーションと音楽をいれる作業。音の編集作業。

編集作業は、仮編集と本編集があります。

仮編集は白素材と呼ばれる、映像の完パケをつくるまでの行程です。

 

白素材は、放送時間に合わせた尺になっているもので、CMが入るタイミングも決めます。

映像尺が決まったら、それをベースにして映像加工をしたりナレーションと音楽を入れていきます。

仕上げ作業に入るベースの映像を完成させるという意味で「白素材」といいます。

あるいは「白完パケ」略して「白完」といいます。

「クリーン」、「ホワイト」と呼ぶ局や部署もあります。

これが完成すると総仕上げに突入です。

関連記事:新人ADが知りたい!テレビ制作の動画編集時に使われる専門用語について解説します。

 

それぞれの編集工程にどのくらいの日数がかかるのか?

 

仮編集はスタジオセットでの収録のものですと、1週間程度。

オールロケのドキュメンタリーですと、2週間から3週間程度。

なかなかの期間がかかります。

 

プレビューはプロデューサーや構成作家も立ち会って、仮編集された映像を一通り見ます。

このプレビューの回数はだいたい3回。

1回目のプレビューは最初に出した企画に沿っているかどうか。

客観的にみてわかるかどうかなどをみて、修正をかけながら時間尺をオンエアされる尺に近づけていきます。

 

プロデューサーや作家の立場から意見を出し合いながら、わかりづらいところを整理したり、放送基準を満たしているかどうかなどをチェックし、3回ほどプレビューをします。

プレビューして修正を繰り返すのでプレビューの期間は1週間から10日ほどです。

この期間にテロップ原稿とナレーション原稿を同時に作成していきます。

 

白素材が完成したら本編集の作業に入ります。

本編集ではより細かい映像補正をしていきます。

EEDと呼ぶこともあるこの作業は、全体の微妙な色調を整えていったり、水平を合わせて滑らかに見ていけるように微調整していきます。

それが完成すると今度はテロップを入れていきます。

 

テロップは画面に入っているテキストのこと。

番組のオープニングは派手な色を使ったり、文字のエッジや陰影をつけたり、出し方も工夫がされます。

これで映像が完成します。

 

本編集以降の作業はポストプロダクションとか、単に「スタジオ」と呼ばれるところでエディターあるいは、編集マンと呼ばれるスタッフが担います。

エディターや編集マンはポストプロダクションに所属しています。

 

最後の作業はMAと呼ばれる作業で、MAはマルチ・オーディオの略です。

こちらは音の編集作業です。

音楽をつけてナレーションを入れる作業。

ナレーションやインタビューの音が聞きとれるように、ノイズを処理したり、テロップが出るタイミングに合わせて効果音をつけます。

 

この作業をする人はミキサーと呼ばれます。

この作業もポストプロダクションで行われます。

 

ポストプロダクションは専門の機材を入れており、複雑な作業ができます。

スタジオによって導入されている機材はいろいろですので、これらの作業をするには専門知識や専門的な技量が必要です。

エディターやミキサーはポストプロダクションに所属しています。

関連記事:番組制作の編集ってどんなことをするの?働き方は?

 

最初の仮編集は誰がやっているのか

 

仮編集の作業は基本的にディレクターがしています。

ドキュメンタリーの場合は編集マンと呼ばれる編集を専業にしている人が入る場合があります。

なぜディレクターがやらずに編集マンを入れるのか。

それは、編集機材の使い方に長けているということもありますが、ドキュメンタリーの場合、ディレクターが編集すると視点が主体(主人公)に入りすぎて、企画のテーマからズレてしまうことがあるからです。

主人公がユニークだったり、想定外の出来事が撮れてしまって、そちらに引き寄せられてしまうと、おもしろいシーンにすることはできるのですが、

企画テーマからは逸脱してしまい、何を訴えたい番組なのか、が分からなくなってしまいます。

ディレクターだとそういったネタを優先してしまうことがあるんですね。

関連記事:テレビのディレクターって変人なの?

 

テレビ番組を面白くするのもつまらなくするのも編集

 

番組が面白くなるのも、つまらなくなるのも、編集次第。

出演者の面白いリアクションやコメント、おいしそうな料理、想定外のハプニングを繋いでいっても、面白い作品にはなりません。

企画と構成にのせた制作サイドのメッセージと、視聴者が見てついていけるストーリーと共感が揃って、リアクションを面白がったり、コメントに同意できたり、おいしそうと感じるのです。

 

ディレクターがいちばん時間と神経をつかっているのは、編集作業かもしれません。

ですが、この編集が一番好きだ、というディレクターも多いのです。

関連記事:テレビディレクターとして就職したい!どうしたらいい?

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テレビ制作歴25年。テレビの業界の内側と、テレビ番組の裏側をわかりやすく発信していきます。

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