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オフライン編集とは?番組制作の裏側

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業界に入ってみるとわかることですが、テレビ業界というのは本当にたくさんの業界用語があります。

ADとして働き始めた時に一番最初に戸惑うのは、みんなが喋っている話が業界用語が多くて理解できないということなのではないでしょうか。

みんなが知っている体で話をしているのでなかなか話の腰を折って、「それはどういう意味ですか?」と聞くのも勇気がいります。

今回は是非業界に入る前に理解を深めてほしいと思い、色々な業界用語がある中で、オフライン編集というものに焦点を当てて解説をしていきたいと思います。

オフライン編集とは

オフライン編集とは仮編集のことを言います。

本編集を行う前のざっくりとした編集作業のことで、誰でも使うことができる編集ソフトとパソコンを使ってディレクターが行なっている編集です。

撮影をしてきた素材の中から実際に放送に使う部分を選び出してカットをしていき、本編集をするための素材に仕上げていきます。

業界でよく使われている編集ソフトはAdobe PremiereFinal Cutです。

マスターテープ(元の素材)をコピーしたワークテープを使ってこのオフライン編集を行っていきます。

編集したデータはEdit Decision List(EDL)に書き出して、本編集へと回して行きます。

膨大な素材の中から構成を考えてカットを行ったり順番を入れ替えたりして編集を行っていきます。

かなりディレクターのセンスが問われるところであり、人によって癖が出やすい部分でもあります。

オフライン編集が終わった後に行う本編集はオンライン編集と呼ばれます。

オフライン編集では行うことができないような高度な演出を加えて仕上げる作業で、マスターテープへテロップを入れたり合成色調整を行ったりすることができます。

関連記事:テレビ番組制作の「編集」はどれくらい期間をかけている?

撮影してから放送までの流れ

通常撮影を行ってから放送をするまでは2週間から4週間ほど日程があり、その間に編集をして納品をします。

ただ、中には収録をしてから放送まで一週間しかないというようなスケジュールの番組もあります。

どうしても余裕を持ってスケジュールを組み立てることができなかった場合はこのようなスケジューリングで編集をしなくてはいけません。

その場合はオフライン編集を急ピッチで仕上げる必要があり、収録をして次の日にオフライン編集を完成させるということもあります。

流れとしては以下のような流れになります。

  1. 収録
  2. オフライン編集
  3. オフライン編集の内容を総合演出などと一緒にチェック
  4. チェックで出た修正点などを修正しもう一度オフライン編集、その後ポストプロダクションへ入りオンライン編集
  5. テロップ入れやナレーション録り
  6. 納品
  7. 放送

オフライン編集で用意するもの

では実際オフライン編集を行うときにどのようなものを用意しているのでしょうか。

パソコン

まずはパソコンですね。

テレビ番組の編集はパソコンで行なっていると聞くとびっくりする方が多いのですが、最終的にはポストプロダクションに入るものの、あらかたの編集はパソコンで行うことができます。

最近はソフトも充実しておりパソコンでかなり多くの編集を行うことができます。

人によっては複数台パソコンを使って編集を行う方もいます。

一つのパソコンは編集用に使ってもう一つのパソコンは資料をチェックしたり、ナレーション用のテキスト書き起こしておいたりといったことに使います。

番組制作会社の場合はパソコンが会社から支給されることが多く、AdobePremiereやFinalCutといった編集ソフトが既にインストールされていると思います。

関連記事:テレビ業界で実際に使われている3大映像編集ソフトについて解説

ハードディスク

編集をするためにカメラで撮影した素材をハードディスクの中に入れてすぐに編集をできる状態にしておくことをデジタイズと呼びます。

このデジタイズはADになったら一番最初にやる仕事になることが多いです。

データが入っているハードディスクをオフライン編集時には用意します。

関連記事:アシスタントディレクターの仕事、デジタイズとは?

撮影時に使った資料

TKシートと呼ばれるタイムキーパーが書き起こしてくれた進行内容と時間がわかるスクリプト資料や、撮影時に使った進行台本などを用意しておきます。

これを見ることで、撮影がどのように進んだかということがわかりますので、「あのシーンをここに入れたいな」と思った時に確認する用として準備しておきます。

関連記事:テレビ制作におけるタイムキーパーはどんな仕事をするのか

食べ物、飲み物など

オフライン編集は長時間に渡りますので間食用の食べ物や飲み物などを用意しておく人が多いです。

場合によっては途中休憩で外食に出かけたりすることもあります。

エナジードリンクやコーヒーなどを用意しておく人も多く、眠気と戦いながらの編集になります。

他にもガムや飴などを用意する形やチョコレートを置いておくという人もいますね。

関連記事:新人ADが知りたい!テレビ制作の動画編集時に使われる専門用語について解説します。

オフライン編集の作業内容

基本的に収録時は複数のカメラで撮影をしていることが多く、業界ではこれを「パラ」と読んだりします。

3つのカメラで撮っていたら3パラ、みたいな感じですね。

それぞれの素材は同じ時間を並行で撮影しているような形になるのでパラレルという意味です。

それらを一度全部同じタイムラインに並べて、不必要なところをカットしていきます。

業界用語で言うと「抜き」と呼ばれる作業です。

特に全体の尺などは考えずにまずは面白いと思われるところだけ残していく作業です。

その後放送の尺に合わせて再度編集を行っていきます。

これがオフライン編集の大まかな仕事です。

今回はオフライン編集がどのようなものなのかということについてお話ししてみました。

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ABOUT ME
長倉 さやか
ライズプランニング(広告部)」の長倉です。広告手段としてのテレビの使い方やテレビメディアの楽しさを多くの人に知ってもらえるように執筆しております。


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