テレビ番組制作のスタッフとして就職したら、最初はアシスタントディレクターとして経験を積んでいくことになると思います。
制作現場で雑務をこなしながらどのように番組が制作されていくのかを観察し、先輩がやっている仕事を覚えていきます。
しかしほとんどの人がテレビ番組の制作をした経験はなく未経験からこの仕事を始めます。
最初は覚えることがたくさんあって先輩の仕事ぶりを見ている暇も、精神的余裕もあまりないかもしれません。
そこで少しでも現場に入る前にアシスタントディレクターになったらどのような仕事が待っているのかということを解説できたらなと思います。
アシスタントディレクターになって最初にやる仕事のなかのひとつにデジタイズという作業があります。
今回はこのデジタイズ作業について解説します。
デジタイズ作業とは
デジタイズ作業というのはテープやSDカードのメディアに記録されている撮影した映像素材を編集するために、パソコン上で編集することができるフォーマットへ動画データ変換を行う作業のことです。
デジタイズという言葉を聞くと難しそうと身構えてしまうかもしれませんが、アシスタントディレクターが初めて任されるような仕事で、覚えてしまえば全く難しいことではありません。
昔は映像は全てテープに記録されていましたから、編集をする際もテープの切り貼りをして行なっていました。
しかし今はそれらをすべてデータで行うことができるのでかなり手間が減ったと言えます。
ただ未だにテープで映像を撮影している場合もありますし、映像素材を編集するためには編集ソフトのフォーマットに動画のフォーマットがあっている必要があります。
そのためのデジタイズ作業という作業が必要になってくるのです。
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どんな仕事なのか
では実際このデジタイズという作業はどのような作業なのかと言うと、まず撮影してきた素材が入っているテープやカードをパソコンに繋ぐところから始めます。
多くの場合は外付けハードディスクなどをパソコンにつなげて、そこにSDカードなどを挿して素材を取り込みます。
その後、変換ソフトを使って出力される動画形式を指定し変換を行っていきます。
ここまでは人の手で行う作業になりますが、変換作業自体はパソコンが行なってくれるのであとは待つだけなんですね。
パソコンのスペックと素材の長さや画質などにもよりますが、もととなる映像素材の半分から4分の3くらいの時間がかかってしまうので、かなり長い間待っていなくてはいけない作業になります。
逆を言えば、手順さえ覚えてしまえばほぼ待っているだけの作業とも言えるんですね。
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デジタイズ作業は仕事効率が求められる
ほぼ待っている作業であるデジタイズ作業はデジタイズをしている間に何かができる仕事でもあります。
つまり仕事効率を上げるためにデジタイズと一緒に何をするかということを常に考えを受けると良いと思います。
現場に入るディレクターは複数人であることも多く、アシスタントディレクターは複数のディレクターから同時にいくつもの頼みごとをされることがあります。
一人のディレクターに仕事がどれだけ集中しているのかということを全てのディレクターが把握しているわけではありませんので、
自分のキャパシティをオーバーするような依頼をされたらもちろん「今はこの仕事を抱えているのでその次でもいいですか?」というような提案をイレクターにしても大丈夫です。
しかし常にそのような状態が続くためいろいろな雑務を並行してこなしていく力が求められる仕事でもあります。
デジタルの作業だけに言えることではないですが、「この作業をしている間にあっちの作業もしてしまおう」というような仕事の組み立て方していけると良いと思います。
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アシスタントディレクターは地味な仕事が多い
「デジタイズ」という語感だととてもかっこいい仕事のように聞こえるかもしれませんが、内容を読んでみて「案外地味な仕事だな」と思った人もいるのではないでしょうか。
実はアシスタントディレクターの仕事はこういった地味な仕事が多いものです。
テレビ番組制作と聞くと華やかな現場を想像する人も多いでしょう。
しかしテレビ番組として放送されているものは華やかに見えても、その裏でたくさんの人が地味な作業をたくさん行っているものなのです。
テレビ業界に入ってみたら思っていたのと違うと思うこともあるかもしれません。
弊社では大学生のうちからテレビ番組制作の現場で働くことができる学生アルバイトも募集しています。
できれば学生のうちからテレビ番組制作の現場を経験してみて、「本当に自分はテレビ業界で働きたいのか?」「テレビ業界の仕事は本当に自分が思っているような仕事なのか?」ということを改めて考える機会を作って頂ければと思います。
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