ここ数年で急にスマートフォンが普及し、それとともにテレビの視聴の仕方も大きく変わってきました。
今はTVerなどのテレビ番組配信サービスもありますし、スマホでテレビ番組を見るようになったという人も少なくないのではないでしょうか。
私も見たい番組は家に帰ってパソコンでTVerをつけて見たりしています。
テレビメディアがここ最近で大きく変わったというわけではありませんが、テレビの視聴環境が時代とともに目まぐるしく変化しているというのは事実だと思います。
それに伴ってテレビも変化せざるを得ない局面に来ているのではないでしょうか。
まず最近では視聴率の測り方が大きく変わりました。
今までテレビCMを出港したことがある企業様からするとこの変化がよくわからないという方もいらっしゃると思います。
今回は広告代理店である弊社ライズアドバートが新しく変わった視聴率の測り方、特に世帯視聴率と個人視聴率の違いについて解説していきたいと思います。
ビデオリサーチの視聴率の測り方が変わった
テレビ番組を放送時間オンタイムで視聴する人がかなり減りました。
放送時間に合わせてテレビの前でスタンバイするという習慣がなくなりつつあります。
もちろん今でもオンタイムでテレビ放送を見る人はたくさんいますが、先ほどお話ししたようにインターネット上での配信されている番組を見たり、タイムシフト視聴と呼ばれる録画で番組を見る人がとても多くなったのです。
インターネットの普及に伴うパソコンやスマホの普及、テレビもデジタル放送になり最近は別にデッキを買わなくてもテレビ自体で録画をすることができるテレビも増えて、テレビを取り巻く視聴環境が変わりました。
そこでテレビの視聴率の計測方法も変わりつつあります。
数年前から言われていたのはタイムシフト視聴と呼ばれる録画の視聴率を視聴率として換算するという方法です。
2016年の10月から関東エリアではすでに視聴率の調査方法が変わっており、タイムシフト視聴も測定が始まりました。
テレビ放送をオンタイムで視聴している視聴率をリアルタイム視聴と呼びますが、そこにタイムシフト視聴の視聴率も加えて、さらにリアルタイム視聴とタイムシフト視聴の重複文を引いた値を総合視聴率と呼ぶように変えています。
視聴率は全部の世帯で測られているわけではなくサンプル数というものがあり、そこから統計的に全体の視聴率を導き出しているわけですが
このタイムシフト視聴を計測するようになってからはサンプル数が600世帯から900世帯に増えました。
これはビデオリサーチそのものが発表していることです。
このようにテレビを取り巻くいろいろな変化が視聴率に大きな影響を与えているため、視聴率の測り方もまた変化しています。
世帯視聴率と個人視聴率の測り方の違い
視聴環境はもちろん、最近では世帯を構成する人数が大きく変わったという要因もあり2020年3月30日よりビデオリサーチはテレビ視聴率調査をリニューアルすることになりました。
一世帯が複数人をさせていた今までと違って、今は一人世帯や二人世帯がとても増えています。
例えば四人世帯と一人世帯が同じ数字として反映されてしまうのが世帯視聴率です。
四人世帯全員がテレビを見ているのと一人世帯の一人がテレビを見ているのが同じ視聴率という形で反映されてしまうのです。
また四人世帯のうちの一人しかテレビを見ていなくてもそんな四人世帯の視聴率は四人全員が見ている形として換算されてしまいます。
そのため視聴率の計測方法をリニューアルし、今後は個人世帯視聴率を図ることができるようになりました。
調査世帯数を関東、関西、札幌は拡大し、関東の場合は900世帯から2700世帯に増やしています。
また機械式個人視聴率調査(PM調査)を行うことでより具体的な個人視聴率を取ることができるようになりました。
今までは世帯で視聴率を計算していたので家の中で誰か一人がテレビを見ていればテレビを見ている世帯としてカウントされてしまっていましたが
個人視聴率で視聴率を取ることによって、より具体的な視聴率を取ることができるようになり、数字として見る場合は視聴率が少し下がって見えるようになったと思います。
しかし、その分タイムシフト視聴の視聴率も含まれますし、視聴している個人がどのような属性なのかという細かい部分まで測ることができるようになったので
視聴率の量よりも視聴質を測れるようになったと言えると思います。
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個人視聴率がわかるようになって期待されること
視聴率がわかるようになれば個人個人のテレビ接触状況も分かりますし、どのようなユーザーが広告を見て購買行動に移ったのかということもある程度データを取ることができるようになると思います。
逆にテレビCMを放送する時に枠取りの段階でターゲティングがしやすくなるともいえるでしょう。
どのような番組をどのような個人が見ているのかということが分かるので、それに合わせて出稿をすれば良くなるわけです。
これによって今までよりもテレビ広告効率を高めていくことができるでしょう。
テレビ局もこの個人視聴率を重視する方針に変わってきていますので、今後は「誰にでも好かれるテレビ番組」を作るのではなく「特定の層に好かれる番組作り」が目指されるのではないかと思います。
テレビCMの見積もりなどを見るときも視聴率の考え方は大きく影響しますし、複雑で分からない部分も多くなってくるかと思います。
分からないことは是非広告代理店にお気軽にご相談ください。
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