帯番組について、CMの出し方と、帯番組の制作について書いてみたいと思います。
テレビ業界や広告業界では、単に「帯(おび)」とか「ベルト」と呼ばれることもあります。
帯番組とは
帯番組(おびばんぐみ)とは、テレビ・ラジオで放送される番組のうち、複数曜日の同じ時間帯に放送されるレギュラー番組のこと。
(ウィキペディアより)
「複数曜日、同じ時間帯に放送される」というのは、主として、月曜〜金曜日の平日に、毎日放送されている番組のことを言います。
朝の情報番組や、夜のニュース番組などが代表的ですね。
中には月曜〜木曜日の毎日放送、というような帯番組もあります。
土日の二日間だけやる帯番組とか、水、木、金の3曜日だけやる、
というような番組は、ほぼなくて、
大体は、月曜〜金曜(木曜)という帯番組が多いと思います。
このため、複数曜日、という言い方になってしまうんですね。
また、通常は平日なのに、祝日になるときもありますが、
そんな時も帯番組は、休むことはなく決められた曜日には必ず放送しています。
番組制作側は、祝日はあまり関係なく、仕事をしているわけなので、ちょっと大変なのです。
一方、同じ曜日に週一回放送される
- ドラマ
- バラエティ番組
- ドキュメンタリー番組
などは、帯番組とは言いません。
帯番組は、日々の情報や最新のニュースを取り上げている番組が多いため
そのような番組については、デイリー(daily‥毎日の、日常の、という意味)という言葉を使って、デイリー番組とも言われたりします。
結果的に同じような番組を指す時もありますが、この二つの意味は異なっています。
例えば、キューピー3分クッキングは、月曜〜土曜のほぼ毎日放送している帯番組ですが、
料理番組なので、デイリー番組ではないわけです。
帯、という言い方ですが
テレビの週間番組表を見た時に、帯状につながるのでこのような呼び方になったようです。
帯は英語でベルトなので、
ベルトという呼び方をする場合もありますね。
関連記事:報道番組の制作はどんな仕事?他のジャンルとどう違う?
帯番組のCMの出し方
帯番組にCMを打ちたいという場合は、
基本的にタイムと呼ばれる、番組提供型のCMを出すことになります。
CMには大きく分けると、
- スポットCM
- タイムCM
がありますが、スポットの場合は、大まかな時間帯を指定することはできても、
ピンポイントで、帯番組を指定して、CMを流すことはできません。
そのため、CMを流したい帯番組がある場合は、タイムCMで打つ、ということになります。
タイムCMの場合は、通常6ヶ月(番組により、3ヶ月とか、単発もあり)という長いサイクルになりますし、
CMは基本30秒になります(スポットは基本15秒)。
また、競合他者がすでにスポンサーになっているなど、
必ずしも、希望の帯番組に、CMを入れられるとは限りませんので、余裕を持って臨んだ方がいいと思います。
帯番組にCMをしたい場合は、広告代理店を通してその旨を伝えます。
例えば、朝の帯番組である、ZIP!や、スッキリ!、にCMを出したい場合は、
番組編成が変わる、4月開始か、10月開始となるのが基本なので、
そこから遡って、余裕をもって、用意をしていくと良いと思います。
広告代理店から提示される、費用は月額で示されることが多く、
また、その金額は週に一回放送した場合の、一ヶ月分の料金を示していることが多いです。
また、平日毎日やっているような帯番組の場合、テレコと言って、月水金の放送とか、火木の放送、
というように、一日置きでCMをする、というような金額設定になっている場合もあります。
テレコは比較的短い番組に多いように思います。
また、独立局の場合は少し違っていて、
スポットCMでも番組指定ができたりしますから、そこは確認が必要です。
いずれにしても帯番組でCMをしたい、という場合は、どういう料金設定なのかをよく確認するのが良いと思います。
関連記事:タイムCMとスポットCMの違い。どちらを選べばいいの?
帯の番組制作
情報番組などの帯番組の場合は、月曜〜金曜の放送、という番組が多くあります。
キューピー3分クッキングのような収録番組は、あらかじめ作り置くことができるのですが、
帯番組は、情報番組やニュースなどの生番組が多いため、そのような帯番組の多くは
テレビ局の中で制作されています。
先にも言ったように、祝日でもいつも通り放送しますので、
このような番組に携わる関係者たちは、祝日だから休み、という感覚はあまりないと思います。
一方視聴者的には、祝日で学校や仕事がお休みの場合、
いつもは見られない、ヒルナンデスや、ひるおび!を見ることができたりしますよね。
ヒルナンデスやひるおび!は東京のキー局で制作しているのですが、
番組が大きく、時間も長いので、とても大勢のスタッフたちが制作に携わっています。
また、デイリーの情報を扱っているので、番組が終わって翌日の放送の用意をするのは、至難のわざになります。
そのため、東京のキー局の場合、このような帯番組については、曜日担当という割り振りで、スタッフを分けている局がほとんどです。
何曜日の担当になるかによって、生活サイクルも変わってくる訳ですね。
一方地方局の場合も、同じような帯番組がありますが、番組の規模がそこまで大きくないので、
曜日担当にしているところは少ないようです。
そのかわり、特集の担当とか、お天気の担当、といったコーナーで分けるなど
それぞれ局で工夫しているようです。
いずれにしても、帯番組は、放送回数が多く、テレビ局の看板番組であることも多いため、
制作の現場は大変ですね。
関連記事:CMをするときの放映地域の決め方
では今日はこのあたりで。