将来テレビ業界やエンタメ系に就職したいと考えている学生さんから、取得しておいた方が良い資格について質問されることが多いです。
音響や編集などに関わりたいと思っている方には、映像音響処理技術者資格試験という試験をおすすめしていますが、今回は照明関係の資格である照明技術者技能認定という資格について解説してみたいと思います。
こちらの資格試験に関しては実務経験がないと受験することができません。
そのため学生のうちから取得をするというのはなかなか難しいですが、照明に関わる仕事をしたいと思っているのであれば知っておいて損はない資格です。
(専門学校の場合は指定科目を修了すると学校の申請で技能認定試験が免除され、2級を取得することができる学校もあります。代表的な学校としては日本工学院が挙げられます。)
就職・転職などをする際にも有利になるでしょうから、実務経験を積んでから資格取得を目指してみると良いでしょう。
照明技術者技能認定の試験概要
- テレビスタジオ
- 舞台
- ライブ・コンサートスタジオ
などに現場で、役者やアーティストをより魅力的に魅せるために、光を使った演出効果や映像技術を高める技術を認定するのが照明技術者技能認定です。
この認定を行なっているのは公益社団法人日本照明家協会というところで、主に照明技術者に必要な知識や技術を数値化・認定することによって照明技術の向上を図るために発足した制度となっています。
1級と2級がある
照明技術者技能認定には1級と2級があります。
2級は舞台照明、もしくはテレビ照明の実務経験が1年以上の人が受験することができ、1級は2級を取得後、3年以上、または照明実務経験5年以上の人が受験できます。
独学の場合、公益社団法人日本照明家協会が開催する舞台・テレビジョン証明のための公開講座を受講した後、筆記試験と実技試験を受験する必要があり、
試験費用は一般だと10,000円、正会員だと6,000円となっています。
申込方法は郵送となっています。
詳しくは日本照明家協会の技能認定・公開講座に関するページをご覧ください。
学ばなくてはいけないこと
他のセクションとの関わり方や舞台、テレビの設備などの知識、さらに証明機器の
- 種類
- 性質
- 性能
- 専門用語
などの知識を学ぶ必要があります。
基本的には照明としてお仕事をしていくために必要な知識と技能を身につけなくてはいけない、ということですね。
日本照明家協会から、技能認定試験の内容を学ぶことができるテキストが出版されています。
参照:日本照明家協会出版物
照明は映像の要
テレビなんかは特に、照明のことまで考えて見ている方は少ないと思いますが、照明がなくてはテレビ番組の映像というのは成り立たないほど、照明は映像の要でもあります。
ロケ撮影の様子をさらに少し距離を置いて撮影している映像なんかがロケ番組でたまに流れていることがありますが、ぜひ照明に注目して見てみてください。
かなり眩しい照明をたいて撮影をしていることがよくわかります。
夜の街ブラロケなんかは照明がないと全く成り立たないですね。無意識に見ている人がほとんどだと思いますが、日が暮れてからの撮影というのは、ただカメラで映しただけでは真っ黒になってしまうのです。
かなり明るい照明をたいて、やっと人が歩いているところを撮影できます。
またスタジオでも照明は大活躍。
照明を強くあてるほどシワが飛んだりもしますから、大御所女優さんには通常よりも多めに照明をあてて…なんて工夫もしているんですね。
照明技術者技能認定を持つ人の働く現場
では、照明技術者技能認定を持っているとどんな仕事をすることができるのでしょうか?
主に照明技術者技能認定資格を持つ人が活躍するのは舞台、テレビジョン業界となります。
- 番組制作現場
- CM
- 舞台
- コンサート
など、エンタメ業界でお仕事をすることが多くなるでしょう。
これらのお仕事は資格を持っていないとできない仕事というわけではありません。実務経験がないとこの資格を受けられないので、そもそも資格を持っていないままにお仕事をしている人はたくさんいます。
しかしこの技能認定を取得するために学ぶ知識は、照明さんとして働く上で基礎となるものであり、
また就職や転職をする際に、客観的にスキルを照明できるものにもなりますので、持っておいて損はないと思います。
就職先としては、以下のようなところが挙げられるでしょう。
- テレビ局
- 番組制作会社
- 映像制作会社
- CM制作会社
- 照明会社
- コンサートホール
- 劇場
認定試験を目指せる学校も全国にありますので、そういった学校を進路として検討してみるのも良いでしょう。
ただ、学部や学科などに制限がある就職先というのは少ないので、あまり考えすぎず、学生時代は興味を持ったことにどんどんチャレンジしていけば良いと思います。
様々な分野を扱うのがエンタメ業界ですから、どんな経験もお仕事に活きてくると私は思っています。
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