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ディレクターの仕事の、他の仕事とは違うところ

ディレクターの仕事が他の仕事と違うところ
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テレビのディレクターの仕事をやっていて、やはり一般的な仕事とは少し違うなと思う点がいくつかあります。

これはディレクターの仕事をやってみないとわからないことなのだと思います。

 

今回はディレクターの仕事が他の仕事に比べて違うな、と思う点についていくつかお話してみたいと思います。

 

ディレクターの仕事は続けるとどうなる?

 

ある会社の専務さん(50代後半の男性)から「ディレクターの仕事は、続けていくとどういう地位になっていくんですか?」と聞かれたことがあります。

 

私は「ディレクターというのは職種だから、地位っていうのはどういうことなんだろう?」と思いました。

専務さん的には、一般的な会社の仕事でいう係長、課長、部長などといった役割があるように、ディレクターの仕事も続けていくとプロデューサーなどに昇格するのか、と思ったのだそうです。

 

実際のところは、ディレクターとプロデューサーはどちらが上といったことはありません。

責任を追う部分や仕事内容も違うので、それぞれがそれぞれの職種として成っていて、一般的な会社のなかでの役職とはまた違うのです。

 

その専務さんには、ディレクターというのは職種であって、ディレクターになれば、ディレクターをずっと続けていくものであると説明しましたが、専務さんは、腑に落ちない表情のままでした。

会社勤めの方には、イメージしづらいのかもしれません。

 

ディレクターというのは、大工さんとか、調理師とか、介護士とか、フラワーアレンジメントとかそういう「仕事(職)の名称」なんです。

仕事を覚える見習いの期間は、アシスタントディレクター。

関連記事:テレビADの仕事内容

 

仕事を任されるようになったら、ディレクターとなります。

 

ディレクターになれば、ずっとディレクターです。

アシスタントディレクターの期間は、3年から5年。

 

ほかの仕事とはちがって、比較的一人前になれるのは早いのではないでしょうか。

ですがその人が一人前かどうかはまわりが判断しますから、自分はディレクターだと言っても実力が伴っていなければ他の人に差し替えられてしまいます。

関連記事:ディレクターになるかプロデューサーになるか、テレビ業界での進路

 

ディレクターの仕事をするには

 

ディレクターになるには、どうすればいいのでしょうか。

多くの人が「テレビはテレビ局で作られているんでしょ。だから、テレビ局に入ればディレクターの仕事ができるんじゃないの?」と思っているのではないかと思います。

 

今はテレビ番組は、テレビ局で作られているのはごくわずかです。

90%以上が、テレビ局員ではない人たちが作っています。

関連記事:テレビ番組制作の仕事もいろいろある

 

ですのでディレクターの仕事をしたいのであれば、テレビ番組制作会社に入るのが一番てっとり早いのです。

 

もしあなたが具体的にやりたい番組があるなら、その番組を制作している会社に入る。

もしくは、そういう番組に準じた番組を作っている会社に入るのがいいでしょう。

 

あなたが入りたいと思った会社のホームページを見てみると、採用情報のところには、「契約社員」と書かれているでしょう。

 

制作会社というのは、多くは、契約社員というのが一般的です。

契約社員という一言が目に入り、ひるんでしまったり諦めてしまったりということは、よく聞きます。

 

ただこれはこの業界では一般的なことなのです。

関連記事:番組制作会社に就職したときのこと

 

ディレクターの仕事は不連続

 

番組というのはずっと続いていくものではありません。

始まったら終わりがあります。

1本だけの特番、つまりその仕事それきりで終わり、ということもあります。

 

番組制作というのは、その番組の始まりから終了までを一つのプロジェクトと考えて、

プロジェクトのために、そのテーマに合うチームを組み、視聴者の方たちの心に残る番組を制作し、放送を終えたら解散する、の繰り返しなのです。

 

基本的には、大工さんと同じように「一人親方」という考え方です。

フリーランスの仕事の仕方にも近いですね。

 

番組が終わったらそのあとはどうなるの?と不安に思うでしょうが、番組制作というのは、人と人が集まって制作するものですから、何か番組に携わればそこでプロデューサーや構成作家さんと縁ができます。

あなたが前向きに仕事に取り組んでいれば、次の番組の仕事にも自然と仕事がつながっていくでしょう。

 

ディレクターとしていい仕事ができれば少しずつ少しずついろんな方から、こんな番組があるけど、スケジュール空いてますか?やってみませんか?と声をかけられるようになります。

 

最初はアシスタントとして関わった番組のなかでその時は番組の一部分しか任されなくても、任された部分を周りが期待している通りに仕上げれば任される部分が増えていき、

最終的には総合演出を任されるようになるでしょう。

 

そうやって成長していくのがディレクターというものなのです。

 

  • バラエティ番組
  • ドキュメンタリー番組
  • 医療番組
  • 再現ドラマがあるような番組
  • クイズ番組
  • 紀行番組
  • ネイチャー番組
  • 海外ロケのある番組

さまざまなところからディレクターをやってくれないか、と声をかけられるようになります。

 

ディレクターとして声をかけてもらえるようになると自分で仕事を選ぶことができるようになる。

そして自分でもうやりきったから辞めよう、と自分で決めることもできる。

 

ディレクターっていうのは、そういう仕事なんだと思います。

実際にディレクターとして働いている方のインタビュー記事はこちら:テレビディレクターの仕事についてインタビュー

 

ディレクターという仕事

 

会社に所属していると、会社の指示に従わなければなりません。

 

辞令の紙一つで、せっかくうまくいっていた部署を離れ、苦手な人のいるところに移って仕事をしなければならないかもしれません。

地方や、海外へ転勤しなくてはならないかもしれません。

仕事において絶対的に誰かの指示に従わなければならないというのは、非常なストレスを伴います。

 

ディレクターになれば、自分で選択できる可能性が、増えていきます。

自分で選べるという生き方ができる仕事だと思います。

 

自分で考えて動いて仕事をしたい、という人はディレクターの仕事は楽しくできるでしょう。

 

では今日はこのあたりで。

こちらもどうぞ:テレビのディレクターになりたい人へ

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テレビ制作歴25年。テレビの業界の内側と、テレビ番組の裏側をわかりやすく発信していきます。


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